第2章 転生
第14話 新たな人生の始まり
・・・ん?・・・あれ?俺は死んだはずじゃ・・・
確か、あのくそ狭いアパートで意識が朦朧としていったような・・・
ここはどこだ?・・・森の中?
まだ生きてて夢見てるか、ここが死んだ後の世界なのかわからんな。
死んだ後の世界にしちゃ夢がなさすぎる光景だし、夢にしては現実感あるし、不思議な感覚だ。とりあえず起きるか。
よっこいっしょっと。なんか身体がいてぇな。痛いのは胸ら辺だけでこんな全身の倦怠感はなかったんだけどな。
・・・誰だこいつは?なんか俺の横で外国人のガキが泣いてやがる。あっ、こっち見た。
「レオ・・・?レオ・・・!?レオーーーー!!」
・・・えっ、どうした!?一瞬固まったと思ったら急にレオレオ叫びながら抱きついてきたんだけど。
にしてもどういう状況だこれは。アパートで1人ぶっ倒れて死んだと思ったら、森の中で寝てて、横には情緒狂ってる外国人のガキがいる。
夢だとしても理解できねーよ。早く覚めないかな。
「マシュー、心配させて悪かったな。無事でよかったよ。」
・・・今なんつった俺。なんでこいつにマシューって呼びかけた?しかも、心配させて悪かったな、だと?
チリチリ
他に人がいるわけじゃないし喋った感覚はあるから、俺が言ったんだよな今のは。てか、頭いてぇな。
チリチリチリ
いたた・・・。マジでどうなってんだ。意味がわかんねーよ!!
チリチリチリチリチリジリジリジリ
いってぇーーーーーーーーーーーー!!!!!
頭が!焼けてるみたいに痛いし熱い!
やばっ・・・意識・・・飛ぶ・・・。
「おい!レオ!しっかりしろ!大丈夫か!」
レオの呼吸が完全に止まり、後悔と悲しみ、そして怒りでいっぱいだったマシューが、死んでしまったはずのレオの横で泣いていると、突如レオが起き上がった。
一瞬息が止まるほど驚いたマシューだったが、レオの復活に、涙でいっぱいの顔を更に濡らしながら、レオへと飛び付いた。
しかし、そこから間も無くして急にレオはうめき声をあげながら再び意識を失ってしまった。
突然の出来事に、慌ててレオへ意識確認を行うマシューだったが、レオの上半身がゆっくりと上下しているのを見て、レオが生きていることに安堵を覚えるのだった。
「おい、どうした小僧。もう1人の小僧、レオだったよな?レオが死んじまって苦しいのはわかるけどよ、自分を強く持たなきゃ駄目だぜ。
やっぱ一旦距離取ってお前も休んだほうがいいぜ。流石に疲れてんだろ。友の死を惜しむのは後からでも遅くないぜ。」
「ちげーよ!!レオが起きたんだよ!!
てか、お前らのこと信用したわけじゃねーんだから、あんまレオと俺に近づくなよ!!」
「・・・マシュー。死んじまったもんは生き返んねーんだ。辛いとは思うし、お前くらいの年齢の子供に言うのが酷なのはわかってるけど、受け入れてそいつの分まで生きていくしかないんだ。
お前もレオがすでに息してねぇのは確認しただろ?認めなきゃいけねーこともある。」
「いや、だからちげーんだよ!!
ほら、見ろよ!レオの胸が上下してんだろーが!
息してんだよ!なんならさっき一回起き上がったんだよ!」
「何バカなこと言ってんだ。一回死んだ人間はもう生き返らねーんだ・・・えぇーーーー!!!!生きてるーーー!!
どうなってんだこりゃ。さっき完全に息してねーのを全員で確認したはずなのによ。」
「わかんねーよ!だけど、こいつはレオだからな!俺の兄弟で、最高の相棒なんだ。だから、簡単に死ぬわけもねーさ。」
「いやお前さっきめっちゃ泣いてた・・・」
「・・・うるせぇよ。あんなん諦めちまうだろ流石に。・・・ほんと・・・よがっだ。」
男は泣きじゃくるマシューを優しく抱きしめた。
嬉しさと安堵で流す涙は、乾くことなく溢れ出ていった。
盗賊団からの建国を カット @zero90
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。盗賊団からの建国をの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます