第12話

 僕とリスタに絡んできたのは朝の会のときよりヘイトが溜まっていたクラスの男子たちである。

 クラスの男子の中で最も偉そうでイケイケな陽キャ集団に絡まれる僕とリスタ……ちょっと前世の学校生活を思い出すところがあるのかもしれない。

 別にそんないじめられていたわけじゃないけどね?ちょっと絡まれることがあっただけで。


「だ、誰ぇ……?」


「僕のクラスメートだよ……それで?貴族様方が一体僕に何のようだい?こんな貧乏臭いところにさ」

 

 僕は肩をすくめながらクラスの男子たちに疑問の声を投げかける。


「いやいや、似合わねぇのを食べている阿呆がいたから、ついなぁ?」

 

 僕の言葉に対して敵意むき出しのクラスの男子たちの声が向けられる。


「何を言っているのかしら?」

 

 クラスの男子たちの言葉に対して僕がなんて言い返そうか悩んでいると、新たなる声がかけられる。


「あなたたちにお金がなくて食べられないからって嫉妬して絡みにいくなんて情けないんじゃないかしら?」


 僕たちへと声をかけてきたのはまたもや僕のクラスメートであり、今度は女子たちである。


「は?何だy」


「だって、そうでしょう?貴方にアレスくんが食べているコースを毎日払えるようなお金があると思えないわ」


「ハッ、毎日なんてそこのガキも払えないだろ」


「あっ、僕は毎日余裕でリスタの分まで払えるだけの財力はあるよ?お金持ちだからね。僕は」

 

 僕はクラスの男子に対して軽い口調で言葉を返す。


「「えっ?」」

 

 そして、そんな僕の言葉を聞いてクラスの男子も女子も驚く。


「僕は見た目も良くて、お金もあるパーフェクトヒューマンだからね。呪文研究者である以上、一応特権階級だからね」


「……も、もしかしてアレスくんって想像以上にすごい呪文研究者だったりする?」


 この国で最も著名な呪文研究者だよ。


「いや、そこまでではないよ」

 

 そんな心の言葉を言わず、首を振って否定する。


「……本当に?」


「は、ハッ!そうに決まっているだろ!著名な呪文研究者がこんなところに来るわけねぇだろ!」

 

 若干疑っているクラスの女子に声を震わせながら気丈に笑い飛ばすクラスの男子。

 あんまり僕の言葉信じてもらえていなそう……ぶっちゃけ自分の正体を隠しているのはただのノリでしかなく、別にガチで誤魔化そうとしているわけでもないし当然とも言えるのだけど。


「……今日はこのくらいにしといてやるぜ」

 

 そして、クラスの男子たちは声を震わせ……よくいる三下のようなセリフを吐いて僕のもとから去っていった。


「わざわざ加勢に来てくれてありがとね?」


「いやいや、これくらい気にしなくて良いのよ……だから、魔法のことよろしくね?」


「はーい」


「……え?」

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