王女殿下の博物学的事件簿

ミトラス王国の第三王女エレインは、生まれつき病弱で屋敷から出るのも難しい幼少期を送っていた。
そんな彼女を救ったのは、博物学の知識だった。
エレインは父親から貰った学術書を読み込み、病気の特効薬を自力で見つけ出したのである。

こうして健康を取り戻したエレインは、病気で満足に動けなかった反動で、手に負えないくらい元気になり過ぎてしまった。

屋敷からの脱走は日常茶飯事。
知識欲を満たすためなら、冒険者に混ざって未開の地を冒険するのも当たり前。
困っている人を見かければ、博物学の知識を駆使して手を差し伸べる。
頭の固い親戚からからは白い目で見られるが、国民からは愛されて頼りにされる――それがエレインという少女だった。

そんなある日、とある村からエレインに助けを求める声が届く。
曰く、正体不明…続きを読む