第3話 秘密基地

 ユウタが定位置にしたのは、ガス管から離れた隅の一角だった。ちょうど真上にリビングがある辺りだろう。


 数日かけて、少しずつ秘密基地に必要なものを運び込んだ。

 

①お気に入りの漫画。これがなければ始まらない。

②お菓子。これがなければ快適な秘密基地ライフはありえない。

③缶入りジュース。喉が乾いては危険だ。

④ランタン。父のキャンプ用品の中から拝借した。これがあれば、ヘルメットライトの角度を気にせずに漫画を読める。

⑤クッションと毛布。床下の床は冷たくて硬い。これらがなければ、長時間過ごすのは危険だ。


 本当はミニテーブルも運び込みたかったが、断念した。重たすぎるし、天井が低すぎて目的の場所まで移動するのは難しい。そもそも天井の低さから、テーブルを使って何かをするのには、向かない空間なのだ。


 なのでユウタは、秘密基地の中では大体寝そべって過ごしていた。今も腹ばいになりながら漫画を読んでいる。少々冷えるが、至福の時間だった。

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