第8話 本物の笑顔が見たくて
「あ~、着いた~」
「夢みたいな時間とも、お別れだね」
ベンツどころではない目立ち方のリムジンで、登校中の生徒達の視線が集中した。
ドアが開くと、注目を浴びたい百音と茉白が、
「王子、ありがと!」
「
「放課後まで、お別れだね、芽生」
(さっきは
「うん……裕貴君」
芽生が初めて名前を呼んだ事で、裕貴の表情が一瞬固まった。
「なんか、
「いや、今のがいいな!」
「じゃあ、呼び
「もう、聞き慣れた」
(あっ、笑ってる! よし、この調子で!)
「富、裕貴君が聞き慣れても、私は呼び慣れてない。裕貴君、裕貴君」
「止めないなら、口を
裕貴が顔が近付き、口付けしようとした瞬間、芽生は素早く顔を
キスし
(目標を持った私は、今までの私とは違うんだから! もう、裕貴君には振り回されない!)
「芽生、いつもと違う感じだな」
「いつもと違う私って、どう思う、裕貴君?」
「今の芽生も好きだよ」
期待通りの返答に
(あっ、また作り笑顔に戻ってる……でも、これからだよね!)
完
王子がもたらす甘い時間 ゆりえる @yurieru
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます