第10話

 不思議なもので、それからと言うもの、その女性とライブで必ず会うようになっていた。

 この中で、後にアイツとソイツの復活祭と呼ばれるようなる。伝説のライブが開かれることになる。

 そのライブはなにもかもが、特殊だった。

 そして、ひとつの奇跡が起こる。

 ライブでいつも顔をあわせていた女性と、今回、席が隣になったのだ。

 運命って、こう言うことを言うのだろうか?

 ライブの終盤でアイツとソイツの尊い奇跡が生まれる。

 アイツとソイツが自然に、はにかみながら、お互いの指をからませたのだ。

 その光景を見たあたしは完全に当てられた。

 それは女性も一緒だった。

 どちらかが、求めた訳ではないのに、それとなく、お互いの指を絡ませたのだった。

 なんだろう不思議だ。

 お互いに求めた訳ではない。自然にそうなったのだ。

 会場も観客も一体になった。

 気付けば、会場の観客全員が、手を繋ぎあっていた。

 息をするかのように。


終わり

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