第9話

 スリーピースバンドが始まってから、5年が経った。

 アイツとソイツより、活動期間は長かったが、スリーピースバンドは終わりを迎える。

 あたしが悲しみにくれかけたとき、新しい情報が入って来た。

 アイツとソイツの復活である。

 あたしは、両手を挙げて喜んだ。

 まさかの復活。

 もう見れないと思っていたことが、現実に帰って来た。

 あたしは喜びにうち震えた。

 あたしは、そうして、5年ぶりにアイツとソイツのライブに参戦することになる。


 5年ぶりのアイツとソイツは、以前と比べ、研ぎ澄まされていた。

 兎に角、ヤバかった。

 あっという間ライブは終わってしまった。

 あたしが、帰ろうと思って席を立ったとき、見知った顔を見つけた。

 思わずあたしは声をかけていた。5年前に声をかけた女性に。

 お互いを覚えていた。嬉しかった。

 また、あたしたちは、喫茶店で閉店間際まで話をし、5年ぶりの楽しい時間を過ごしたのだった。

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