黒い福寿草・中編上
世間話をしながら掃除を続けていると、少しずつ寮が賑やかになってきた。授業を終えた寮生が帰ってきたようで、洗濯物を取り込む姿が窓の下に見える。
掃除も終わりが見えてきたころだからと、小晴は初子に声をかけた。
「後は自分でやります。初子さんはお友達を出迎えては?」
「そうですねぇ」
小晴を見て少し悩むように頬に手を当てて、初子は淑やかに頷いた。
「わかりました。後でお風呂にお呼びしますね。一緒に入りましょう」
「えぇ、ぜひ」
部屋を出ていく初子を見送って、小晴は掃除の仕上げに取り掛かる。
掃除を終えて道具を片付けようとした時、開け放しの障子窓にリスが降り立った。黒い福寿草を探っていたヤイチだ。
埃を警戒してか、すんすんと部屋の空気を嗅いだヤイチは尻尾の先で部屋の隅を払い、埃が立たないかを見極める。
「うむ。よく掃除が行き届いておる。あの初子なる娘は家事もそつがないようであるな」
「私も掃除をしたんですよ?」
「一つ所に留まらぬ旅人の小晴が完ぺきな掃除などできるはずもない。こればかりは経験が必要なのだ」
部屋に入るなり随分な物言いではある。しかし、小晴も初子に助けられた自覚があるので否定はしなかった。
障子窓を閉めて会話が外に漏れないよう気を使い、小晴は備え付けの椅子に座る。
「それで、黒い福寿草はどうでしたか?」
身軽に机の上に飛び乗ったヤイチに問いかける。
「初子が部屋の机の上に置き、暗い顔をした後で部屋を出た。その後、しばらくは机の上にあったが突如、幻の如く消えよった」
「呪いの産物で確定ですか」
いたずらの線が消え、小晴は初子の様子を思い出す。小晴の前では気落ちした様子を見せなかった。しかし、部屋で暗い顔をしたとなると、何かよくないことが起きるか不安を感じていたことになる。
小晴はヤイチを眺める。一口に呪いといっても、人に害があるとは限らない。ヤイチのようにうまく付き合っていける場合も少ないながらにある。
小晴がヤイチの頭を人差し指で撫でると、不可解そうな顔をされた。
ヤイチの反応を気にせず、小晴は話を続ける。
「わからないのは、何故、福寿草は黒いのか。何故、部屋の前に落ちていたのか」
「教師の荻部の話では、生徒が周囲の友人から距離を置かれるというが、関係があるのかもしれぬ。小晴に見せぬよう初子が黒い福寿草を拾ったのも、自分が呪われたと知られたくないからとすれば、筋が通ろう」
「呪いの影響で距離を置かれるのか、単に黒い福寿草が不気味だから生徒が怯えて距離を置いているのかでも意味が変わりますね。しばらく初子さんの周囲に目を配るべきでしょう」
しかし、黒い福寿草が初子の部屋の前にだけあるとは限らない。日替わりであったり、複数の黒い福寿草が落ちる可能性もある。
手分けした方がいいかなと、小晴はヤイチに頼む。
「寮内を調べて、他に黒い福寿草を見つけた寮生がいましたら報告をお願いします」
「余人に姿が見えぬ我が適任か。乙女の部屋に忍び込むのは気が咎めるのだがな」
「黒い福寿草を回収できれば調べてみたいのですけど、消えてしまうのではあきらめるしかありませんね」
調査の方針を考えていると、部屋の扉がノックされた。一瞬反応が遅れてしまったのは、ノックの文化に小晴が馴染んでいないからだ。聞きなれない硬質なノック音に思わず警戒の色を浮かべる小晴に、ヤイチがおもしろがって目を細めた。
扉の向こうから初子の声が呼び掛けてくる。
「小晴さん、お風呂へまいりましょう」
「はい、ただいま」
約束はしていたが、随分と早い時間に入るらしい。
小晴は着替えを手に取り、ヤイチに寮内の調査をするよう念押しして部屋を出る。
廊下には初子が手拭いなどを入れた桶を持って立っていた。
「小晴さんの分の桶は寮監が準備してくれています。一階で受け取りましょう」
「ありがとうございます」
足元を素早く走り抜けたヤイチに気付かぬふりをして、小晴は初子と並んで廊下を歩く。端に位置する部屋だから、廊下に並ぶ扉を一望できた。出入りは激しくないものの、扉越しににぎやかな声が聞こえてくる。団欒室などはないため、友人と過ごすのは各々の部屋なのだろう。
階段を降りると寮監が待ち受けていた。真新しい桶を片手に小晴たちを見上げて、もう片手で手招く。年齢が良く分からないが纏う雰囲気は若々しい。しかし、寮生を𠮟りつけても反発されない威厳のようなものもある。
「新入生、これが桶です。使い終わったらきちんと干しなさいね」
「ありがとうございます」
「他にわからないことがあれば篠野瀬さんに聞きなさい。寮監の私は備品の管理が主な業務ですからね」
てきぱきといって、寮監は去っていく。寮監の彼女にとっては寮生が帰ってきた今からが本格的な業務時間だからか、忙しそうにみえた。
初子に案内された浴場は山の裏手、中腹にあった。寮からは少々歩くが、火事が起きた際に寮や校舎に延焼しないよう離して作られているようだ。
寮生が使うことが前提なので男湯はなく、入り口から仕切り一枚向こうはすぐに脱衣所になっている。小晴と初子は一番乗りのようで、脱衣所には誰もいない。風呂を沸かす係らしい女生徒が外を走り回っていたり、湯加減を見ていた。
棚にある網籠に脱いだ衣類を入れる。各地の温泉や銭湯とほぼ変わらない配置なので、初利用の小晴も迷わないですむ。
浴場は想像以上に広かった。木造ではあるものの、タイルが床や壁面に張られている。掃除しやすそうだ。
洗い場は十人分の席があり、水道も通っている。何より立派なのは浴槽で、こちらも十人ほどが悠々と足を延ばして入れるほど。
「想像よりもずっと立派ですね」
「静柳女学院の生徒であるからには清潔にとの方針です。でも、沸かすのが大変で、大変で……」
初子が苦笑するのもわかる。いまも湯沸かしに追われる生徒が怨嗟の声を上げていそうだ。
湯沸かしを担当した生徒は翌日の一番風呂に入る権利を与えられるという。
「では、昨日は初子さんが?」
「えぇ、私たちの班でした。小晴さんは私たちの班に編入しますから、一緒に地獄を乗り越えましょうね」
「比喩に聞こえなくて怖いですね」
灼熱地獄にいる生徒たちへ感謝を捧げつつ体を洗う。春先の水は冷たいが、この響き渡りそうな浴場で悲鳴を上げるのははしたない。
視線を感じて初子を見る。
「初めてお会いした瞬間から線の細い方とは思いましたけど、こうしてみると本当に綺麗……」
「初子さんに褒められると照れてしまいますね」
旅をしていた小晴はその運動量もあって線が細いが、筋肉で引き締まっているのも大きい。対して、初子の方は女性的な丸みを残したまま細く、小晴は初子が羨ましい。
これが本物のお嬢様の身体つきかと感心するほどだったが、あまりじろじろ見るのも不作法だ。
話題を変えようかと思っていると、脱衣所から数人の声が聞こえてきた。初子と同じ班として、昨日の湯沸かし地獄を乗り越えた生徒たちだろう。
初子が脱衣所に目を向ける。
「ちょうどいい機会ですから、班員に紹介しましょうか」
「えっと、裸ですけれど」
「みんな同じですよ。裸の付き合い、というものです」
あこがれていたんです、と朗らかに微笑まれては小晴も嫌とは言えなかった。
そもそも、脱衣所を押さえられてしまっては、結果は変わらない気もする。
初子が立ち上がり、小晴も続く。脱衣所とを仕切る扉の前で、初子が楽しそうに小晴を隣に呼んだ。もっと淑やかな娘だと思っていたけれど、いたずらをしようと浮かれる様は親近感を覚える愛らしさ。
扉が開くと同時に、初子が丁寧に頭を下げる。
「ご紹介したい方がおります」
「ご紹介にあずかります」
初子に釣られて頭を下げて、小晴は即座に言葉と場をつなぐ。
初子が表を上げて、小晴も続く。扉を開けた体勢で驚いたように固まる初子の同級生がいた。
驚く同級生を見て、初子が堪え切れずに「ふふっ」と笑い出した。
「こちら、新入生の清藤小晴さんです」
「清藤小晴です。どうぞ、よろしくお願いします」
「……なんで裸?」
「あら、みんなも裸でしょう?」
初子が笑みを称えたまま指摘すると、同級生もいたずらされたと気付いて笑い出した。
「もう、初子さん。紹介するにしても場所があるでしょうに」
「ここで紹介するなら先に言ってくださいな」
「裸の付き合いとは、こういうものなのでしょう?」
「うーん、少し違うような気も……。薫さん、どう思いますか?」
同級生が脱衣所を振り返り、女子の名前を呼ぶ。
呼ばれたのは、すらりと背の高い、活発そうな生徒だった。全体的には中性的でありながら目元が愛らしい顔立ちをしており、格好良さと可愛さが絶妙に釣り合った雰囲気だ。日焼けした健康的な肌を晒して堂々と歩いてきたその女子は、初子の顔を呆れたように見下ろした。
「まったくもう。初子が突然の思い付きで人をからかうのはいつものことだけど、新入生を巻き込むのは感心しないよ」
「私と同じ性格の子だと思いますよ?」
初子がくすくす笑いながら小晴を見る。実際、少し楽しんでいたのは否定できない小晴は微笑むにとどめた。
薫がしょうがないな、と妹を見るような眼をして笑う。
「いたずらっ子が増えてしまったね。ともかく、次の子達が来る前に早く体を洗ってしまおう」
薫が話の流れを変え、班員たちがそれに従う。小晴は初子に連れられて、一足先に湯船に浸かった。
人が増えればそれだけ賑やかにもなるというもの。思い思いに話をする班員たちを眺めて、小晴は一息つく。
初子の班員は新入生である小晴を除いて七人いる。話を聞いていれば、おのずと班の中心にいるのが初子でその補佐のような立場をしているのが薫だと分かった。
所作が美しくそつのない初子だが、時折見せる茶目っ気やいたずら心からくる迷惑行動を薫が緩和しているようだ。
初子と薫の仲も良く、居心地のいい班という印象だった。
初子が班員との会話を切り上げて小晴の近くにやってくる。
「小晴さん、のぼせていませんか?」
話を聞くばかりで会話に加わらない小晴を心配したらしい初子が覗き込んでくる。
「いえ、学院生活は初めてなので、皆さんのお話が新鮮でつい聞き入ってしまっていました」
当たり障りなくごまかすと、薫が浴槽の淵に座り、つま先で湯加減を見ながら声をかけてきた。
「初めての学校なんだね。同級生で後輩で、こんがらがりそうだ」
「行儀見習い的な入学ですから、短い間ではありますが、よろしくご指導いただければありがたく思います」
「行儀見習い? それだけ出来ていれば必要ない気もするけれど」
薫は不可解そうに首をかしげるが、小晴を歓迎するつもりではあるらしく笑顔を向けてくれている。
「見目も麗しく、どこか超然とした華がある。後輩達が騒がしくなるかもしれない」
「見目といえば、気になっていたのですが」
初子が小晴の顔を覗き込む。
「瞳が青いですね?」
「事故にあって瞳の色が変わりました」
「そうだったんですか……。綺麗な色だなと思っていたのですが、触れない方がよかったでしょうか?」
「私もこの色を気に入っていますから、心配には及びませんよ」
小晴の返答を聞いてか、薫が風呂に入ってすっと近づいてくる。初子が気付いて場を譲った。
「へぇ、本当に青いね。青い瞳というのはこうなるのか」
「近いですね」
「おっと、失礼したね」
吸い込まれるように近づいていたことを自覚して、薫が身を引く。
初子が同じように近づいてこなかった理由は視力の良さか、はたまた二人を隔てる胸の大きさか。益体もないことをちらりと考えた小晴は、初子と薫を見る。
二人は班をまとめる中心人物だけあって仲が良いのはもうわかっている。気になるのは関係性ではなく、初子が部屋前に落ちていた黒い福寿草を話しているかどうかだ。
小晴の見立てでは、おそらく話していない。初子は秘密と共に若干の後ろめたさを抱えているのか、ことさらに明るく振る舞っているように見えた。今日だけの付き合いである小晴が注視すればわかるのだから、付き合いの長い薫も違和感を持っているのだろう。直近の変化として目に付く小晴が原因ではないかと心配してか、ちらちらとこちらの動きを見ていた。
この様子なら入浴後、二人きりの時に薫が初子を問い詰めるだろう。それがいかなる変化をもたらすかは分からないが、あまりいい変化にはならない。
教師である荻部久子曰く、周囲の友人と疎遠になるというのだから。
この班全体を見ても、まだ疎遠になるといった変化は出ていない。
体を洗い終えた班員がぞろぞろと湯船に入ってくる。広い浴槽とはいえ、互いに裸となると自然と距離も広くなりがちで、足を延ばして入るのはためらわれた。
脚を曲げながら、ふと小晴は疑問に思う。さきほどの薫は距離を詰めすぎていなかったかと。確かに瞳の色を見るのなら近づくのもわかるものの、何か引っかかる違和感があった。
しかし、小晴が違和感の正体を突き止める前に班員が話題を振ってくる。
「――小晴さんは綺麗だもの。後輩から花を贈られることもあるかもしれないわ」
わずかに、空気が変わった。その変化の元を瞬時に視界の端に捉えた小晴は、空気の変化を他に悟らせない内に満面の笑顔で場の空気を和ませる。
「そんな素敵な贈り物なら喜んで受け取ります。中庭を拝見しましたが、生徒の皆さんで世話をしてらっしゃるのでしょう? あの綺麗な花なら、部屋に飾ってみたいです」
空気の変化を察したのはおそらく三人だけ。小晴と、変化の中心だった初子と薫だ。
花を贈る。部屋の前に落ちているという黒い福寿草にも関係しそうなその言葉に初子が警戒してしまうのは分かる。だが、薫が反応する理由が分からない。
少し掘り下げて聞いた方がいい。小晴は話題をそのまま続けることにして、班員の返答を待つ。
小晴の素早い返事のおかげで空気の変化に気付けなかった班員たちが顔を見合わせる。言葉を選ぶような、どこまで話すべきかを視線でやり取りする空気。
単純に花を贈る以上の意味がありそうだ。
口火を切ったのは以外にも薫だった。
「知らないままだと贈った子も報われないからね。話しておこうか」
「報われない?」
薫が湯船の中を移動して小晴に近づく。合わせて、初子も小晴の近くへ寄ってきた。
「寮の風習、いや、おまじないかな。感謝している相手や尊敬している相手に花を贈るんだ」
「部屋の前にそっと置いていきます。姿を見られてもいけません」
「姿を見せないと、誰が置いたのか分からないのではありませんか?」
小晴の疑問に、全員が妹でも見るような優しい目を向ける。
「誰が置いたのかが分かるような花を選ぶのさ。その方がなんというか……いじらしいだろう?」
少し照れたように顔を赤らめて、薫が言う。
この優しい目はそういう意味かと、小晴は戸惑いがちに苦笑した。
確かにこの風習を知らないと花を贈られても真意に気付けない。贈った方も報われない。本来は、入学直後に寮の先輩から教わるらしい。
「私は中庭の花壇の世話を教えてくださった先輩から聞きました」
「私は湯沸かしの際に先輩方が話しているのを聞きましたねぇ」
班員たちが風習をいつ知ったかを話し合って盛り上がる。誰に贈ったか、あるいは贈られたかも相手をぼかしつつ話していた。
お風呂から上がり、次の班と入れ替わるように脱衣所を出る。宿題を片付けるという初子や薫たちと別れて、小晴は自室に一人戻った。
髪を乾かしながら得られた情報を整理する。
「黒い福寿草は風習と関係がありそうですね」
寮は築十年程度のはずだが、花を贈る風習も同じくらいの歴史らしい。寮生が三回も入れ替わってなお続いていることになる。
その土地で継続した風習が呪いの雛形になる事例は度々ある。小晴自身もそういった事例に対処した経験は一度や二度ではない。
呪いと一口に言っても、人に害をなすとは限らない。むしろ、風習を基にする呪いの中には豊穣や虫の知らせをもたらすものすらある。祭りが基になった呪いには顕著だ。
風習が黒い福寿草の元という推測は、経験則からほぼ確定と考えてもいいくらい。しかし、本来は好意を伝えるための風習にもかかわらず、黒い福寿草というどことなく不気味なモノが落ちているのが気にかかった。
何らかの悪意が介在している可能性がある。
それ以上に厄介なのは、この呪いが寮の風習にある場合、生徒が入れ替わろうと、寮を建て直そうと、一切関係なく続くこと。さらには対象者がいくらでも増えること。
呪いの対象者が増えれば、恐怖につながる。恐怖を共有する者が多くなるのは好ましくない。
呪いは『なぜ呪ったか?』が重要だ。言い換えれば『呪いの根源にある感情は何か?』ともなる。
共有された恐怖が確立し、さらに尾ヒレ端ヒレがつけば呪いが悪い方へ変質しかねない。
黒い福寿草を受け取った寮生は遠からず死ぬ、などという噂が出まわったら最悪の事態も起こりうる。
「嫌な想像ばかりが膨らみますね」
よくない兆候にため息をつき、小晴は窓の外を見る。その時、ちょうど大きなリスが窓辺に走りこんできた。
「おかえりなさい、ヤイチ」
「出迎えご苦労である」
偉ぶって窓から入ってきたヤイチは小晴を見上げて首を傾げた。
「どうした。またぞろ、いらん妄想を働かせて気落ちしておるのか」
「想定しないと最悪は回避できませんよ」
「ならば回避しようではないか。だがその前に、有益な情報を得たぞ」
窓を閉める小晴に、ヤイチは得意そうに尻尾を一振り。春を迎えた今もまだ冬毛に覆われたふわふわ尻尾がぽふんと柔らかな音を立てた。その音一つで、小晴の表情から影が消える。
「花を贈る風習ですか?」
「それは初耳であるな」
「違いましたか」
情報が増えるのなら大歓迎。小晴はベッドに腰を下ろしてヤイチにお風呂での話を聞かせる。
「ヤイチの有益な情報というのはなんですか?」
「黒い福寿草を受け取った寮生を他に二名見つけた。どちらも二年生、片方は一か月前から散発的に受け取っているようである」
小晴は天井を仰いで考える。
「その寮生はどんな子でしたか?」
「そこまでは分からぬ。寮生の姿を見た後、他の受取人がいないか調査したのでな」
「明日、荻部先生に話を聞きましょう」
受け持っている生徒以外の素行を知っていればいいけれど、と小晴は呟き、ベッドの上に横になる。
情報はいくつか集まってきている。『何が起きているのか』という点では全貌がほぼ明らかになった。
だが、肝心の『なぜ起きているのか』がまだ不透明。
明日以降の調査方法を考えながら、小晴は眠りに落ちた。
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