第8話 がんばって!
大きなアラームの音で目が覚めた。まだ6時前だというのに、外からの明るい光が部屋に入り込んでいる。
ベッドの上で軽くストレッチをしたあと、カーテンと窓を開けた。外から少し涼しい風が部屋に入り込んできた。深く息を吸い込んで、ゆっくりと吐き出す。肺にひんやりとした風が入る。よし、今日も頑張るか。
いつもどおり朝の支度を済ませ、家の前で軽くドリブルの確認をする。今日は身体の調子が良いので、最近試しているドリブルを練習で使うために、丁寧に確認することにした。
二十分ぐらいたったので、玄関にボールを戻して山﨑が来るのを待つ。あいつは1分も経たないうちに来た。お互い適当に挨拶をした後、すぐに家を出た。
チャリ置き場まで、教師がいないか確認しながら、自転車に乗って行った。この時間は教師がいないため、楽をすることができる。
さっさとグラウンドの奥の方にある部室まで移動した。
早く来た奴らとコートの準備を終わらせたので、練習着に着替えることにした。
俺の横では、山崎と藤井が着替えている。
制服のポケットから、スマホを取り出して時間を確認しようとすると、有沙からメッセージが来ているのに気付いた。
《あずな》おはよー、
《あずな》部活がんばって、!
《wataru》ありがとう、頑張るよ
《wataru》あといつでも行けるように準備しとけよ。
藤井が横から画面を見てきた。すぐに電源を消した。
「へえ、あの有沙さんと遊びに行くんだ。二人だけ?」
しっかりと見られていたみたいだ。
「え、マジで?お前女子と二人で遊びに行くの?誰と行くの?」
山﨑がニヤニヤしながら大きな声で言ってきた。
「音海有沙って人。」
藤井がニヤつきながら山﨑に教えた。
「おけ。よっ、音海有沙。」
「別に好きじゃねえよ。」
この間橋本に使ってたいじりを、今度は俺に使ってきた。こういうのは大好きな奴らなので、一気に広まった。
「お前の名前何だっけ。あっ、そっかお前確か音海……、誰だっけ?」
「有沙だよ、大和。」
「そっか。音海有沙か。」
「よお音海、今日も頑張ろうぜ。」
部室に向かっている先輩にもイジられた。
とりあえず全員無視して、練習着に着替え終わったあとコートに入った。今日は試合形式の練習なので、ストレッチを挟みながらギアを少しずつ上げていった。
しばらく体を動かしていると、顧問が部員全員を集めた。次の選手権に向けての話を聞いたあと、AとBのチームはアップを、残りは練習を始めた。
アップを始めて三十分ほど経った。顧問がAチームを集めて、動きを確認した。今日はAチームで出ることができる。二年の先輩とポジションを争っている最中なので、何が何でも結果を残したい。全力で試合に臨んだ。
笛が鳴って、試合が終わった。今日は身体の調子がとても良かったので、二点決めることができた。ドリブルの調子も良く、顧問からも褒められた。
最初に試合に出ていなかった人の試合が終わり、顧問の話を聞いたあと、片付けを始めた。今日はみんな疲れていたので、さっきの試合の話をしつつゆっくりと片付けた。
着替えているときに、朝と同じようにイジられた。面倒だったので適当に話を聞いていると、有沙と行こうと思っていたカフェに、何人かが勉強しに行くということを知った。とりあえず帰ったら有沙にどうするか聞こう。
山﨑もカフェに行くらしく、一緒に急いで帰ることができた。有沙にカフェに行くかどうかメッセージを送って、昼飯を食い始める。
十五分で食べ終わり、スマホを見ると、メッセージが来ていた。
《あずな》うーん、どうしようかな
《あずな》あ、ボウリングとか行きたいな
《あずな》良いかな?
《wataru》ボウリングいいね!どこのボウリング場に行く?
そう送ったら、ボウリングの写真とどの駅で合流するかが送られてきたので、了解と返信をした。時間を確認すると、ちょうど十二時だった。
《wataru》一時六分の電車に乗ろうと思うんだけど、準備できてる?
《あずな》うん!!
《wataru》なら良かった
シャワーを浴びて、持っている中でお洒落かつ動きやすい服に着替え、髪型を整えた。鏡を見ると、まあまあ良い自分がいた。これなら多分大丈夫だろう。
時間を確認すると、十二時四十五分だったので慌てて家を出た。駅までは急いで十分かかる。
なんとか汗をかかないように気を付けながらも、電車に間に合うことができた。次の駅で有沙が乗って来る。一番前の車両と伝え、『デート やるべきこと』と調べて次の駅まで待った。
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今ラブコメの週間で379位だそうです。
こんなに見てもらって、しかも応援やフォローしてもらえるなんて思っていませんでした。
ありがとうございます!
これからも楽しんで頂けるよう書いていきますので、よろしくお願いします。
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