第19話

そしてまた時は流れて…


2026年1月30日の夕方6時半頃であった。


(パラパラパラパラパラパラパラパラパラパラパラパラパラパラパラパラパラパラパラパラパラパラパラパラパラパラパラパラパラパラパラパラパラパラパラパラパラパラパラパラ…ザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザー…)


この時、呉市内にものすごく冷たいみぞれが降っていた。


場所は、華保かほ信介しんすけが暮らしている借家いえの広間にて…


テーブルの上には、華保かほが作ったパーティ料理が並んでいた。


華保かほは、ものすごくつらい表情で信介しんすけの帰りを待っていた。


この日は、華保かほ起史たつしと正式に離婚した日から110日目にあたる日であった。


その日に華保かほ信介しんすけは入籍した。


前年(2025年)のこの日、信介しんすけはまっすぐに帰宅した。


前年の今ごろは、ふたりで結婚記念日を祝うことができた…


しかし…


今年は…


祝うことができないと思う…


あなた…


どうしたのよ…


おそくなるなら、電話してよ…


アタシ…


心細い…


華保かほは、ものすごくつらい表情でつぶやいた。


夕方6時55分頃であった。


信介しんすけは、ものすごくつらい表情で帰宅した。


華保かほは、ものすごくつらい表情を浮かべている信介しんすけに対して声をかけた。


「あなた、お帰りなさい。」


信介しんすけは、ものすごくつらい表情で『ちょっと、話がある…』と華保かほに言うた。


華保かほは、信介しんすけに対して話はあとにしてと言うた。


「それだったら、ごはんを食べてからにしたら?」


華保かほが言うた言葉を聞いた信介しんすけは、思い切り怒った声で華保かほに言うた。


「話をさえぎるな!!」


華保かほは、泣きそうな声で言うた。


「あなた!!きょうはなんの日か分かってるの?」

「そんなことよりも重要な話があるのだよ!!」

「だったら、ごはんを食べてからにしてよ!!」

「やかましい!!オドレはオレに話をするなと言いたいのか!?」

「そんなことは言うてないわよ!!」

「だったら話をさせてくれ!!」

「分かってるわよ!!だけど、お腹がすいた状態では話ができないからごはんを食べたらと言うたのよ!!」

「ふざけるな!!これは一体なんや!!だれがこんな豪華な料理を作れと言うた!?」

「きょうはあなたとアタシの結婚記念日だからごちそうを作って待っていたのよ!!」

「それどころじゃないんだよ!!」

「だったらごはんだけでも食べてよ…いたい!!」


(パチーン!!)


思い切りブチ切れた信介しんすけは、平手打ちで華保かほの顔を平手打ちで叩いた。


「なんでアタシをたたくのよ!?」

「オドレがオレの言葉をさえぎったから叩いた!!」

「アタシはごはんを食べてと言うた…」


(ガツーン!!)


思い切りブチ切れた信介しんすけは、華保かほの顔をグーで思い切り殴りつけた。


信介しんすけは、ものすごく怒った声で華保かほに言うた。


「ふざけるな!!オレは、オドレと結婚して大失敗した!!」


華保かほは、ぐすんぐすんと泣きながら言うた。


「ぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすんぐすん…ひどい…ひどい…」

「ひどいのはオドレの方だ!!」

「アタシは、一生懸命になってあなたのためにつくしたのよ!!」

「ふざけるな!!こんなことになるのであれば、結婚なんかしない方がよかった!!…お給料が自由に使えない!!…休日に遊びに行けない!!…だから大失敗した!!」

「あなた!!」

「そのあげくに、JAからヒジョーなツーコクを受けた!!オレはハメツだ!!ワーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!」


(ガシャーン!!ガシャーン!!ガシャーン!!ガシャーン!!)


頭がサクラン状態におちいった信介しんすけは、し烈な叫び声をあげながら家じゅう暴れ回った。


信介しんすけは、華保かほが作った料理をぶち曲げたあと家じゅうをめちゃくちゃに壊した。


(ガチャーン!!ガチャーン!!ギャー!!)


その後、信介しんすけは近くの借家いえの窓ガラスを割った割るなどして暴れ回った。


部屋の片すみで震えている華保かほは、信介しんすけが怖いので止めることができなかった。

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