第20話

1月31日の昼過ぎであった。


この日は、朝から雲ひとつない快晴てんきであった。


ところ変わって、広島市中区小網町ひろしまなかくこあみちょうにある大型和風建築の家にて…


(ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…)


家の前の通りに広電ひろでん路面電車トラムが通過した。


大型和風建築の家は、佐々岡夫妻が暮らしている家である。


家の大広間に、房江ふさえ琢郎たくろう比呂子ひろこの3人がいた。


1月30日の夜、信介しんすけ華保かほに暴力をふるった…


そのあげくに、まわりの借家いえの住民のみなさまにジンダイな被害を与えた…


恐ろしくなった華保かほ房江ふさえのもとに逃げてきた…


その上に、大家からタイキョしてくれと言われた…


………で、房江ふさえはものすごく頭を痛めていた。


さらにその上に、起史たつしが鉄工所をやめた…


鉄工所をやめたあと、起史たつしは雇用保険の証書なしでシューカツを始めた。


しかし…


不採用の山ばかりがつづいたので苦しんでいた。


どうしたらいいのか分からない…


どうすることもできなくなった房江ふさえは、佐々岡夫妻に助けを求めた。


房江ふさえから助けを求められた比呂子ひろこは、ものすごく困った表情で言うた。


「困ったわね…信介しんすけさんは、なんで華保かほさんに暴力をふるったのよ?」

「よく…分からない…」

「よく分からないって…華保かほさんはなんて言うたのよ?」

信介しんすけがJAからヒジョーツーコクを受けた…と言うた…」

「ヒジョーツーコクって…」

信介しんすけがJAをクビになった…」

「クビになった?」

「ええ。」

「なんでクビになったのよ?」

「だから、リストラされたのよ!!」

「リストラ?」

「ええ。」


房江ふさえの話を聞いた比呂子ひろこは、小首をかしげながら言うた。


「そんなことはないと思うけど…」

比呂子ひろこさん!!信介しんすけは本当にJAからリストラをツーコクされたのよ!!」

「もしかしたら、信介しんすけさんは聞きちがいしたかもしれないわよ…」

「聞きちがいしていません!!本当にリストラをツーコクされたのよ!!」

「分かったわよ…また時間があったら信介しんすけさんに聞いてみるわよ…それよりも、起史たつしさんが鉄工所をやめた問題をどうにかしないと…」


比呂子ひろこは、房江ふさえに対して起史たつしが鉄工所をやめた理由をたずねた。


房江ふさえは『一身上の都合』と答えた。


房江ふさえは、起史たつしが再就職できるようにするためにはどうすればいいのかと比呂子ひろこに言うた。


比呂子ひろこは、起史たつし私立高校コーコーを休学中に取得したダイケン(高卒認定試験)を利用して大学へ進学したことがよくなかったのでは…と房江ふさえに言うた。


「もしかしたら…ダイケンを利用して大学へ進学したことがよくなかったのかと思うけど…」

「それはどう言うことよ?」

「だから、ダイケンから大学進学〜ダイソツ自体がよくなかったから、在籍していた大学の卒業単位を取り消すのはどうかと言うたのよ。」

起史たつしは、ダイケンから大学に進学したあと必死になって勉強したのよ!!必死になって大学卒業したのよ!!」

「気持ちは分かるけど…」

「なんで取り消せと言うのですか!?」


房江ふさえは、ものすごく怒った声で取り消しはできないと言うた。


比呂子ひろこは、つらい表情で房江ふさえに言うた。


房江ふさえさん、うちは起史たつしさんを助けるために言うたのよ…」

「だから大学卒業を取り消せと言うのですか!?」

「ダイケンから大学卒業…でもいいけど、その前にコーコーの3年間が空白であることが負い目になっているから…」

「だからどうしたいのですか!?」

「だから、うちが房江ふさえさんに変わって私立高校ガッコーにフクガクを頼みに行くから…」

「なんでフクガクを頼むのよ!?」

起史たつしさんがいた時は、ガッコーの状態がものすごく悪かったから退学者が続出したのよ…開学当時の理事長一族がツイホーされたあとは改善されたのよ…優良企業による運営に変わった今だったらフクガクできるのよ…」

「だから、どうしたいのですか!?」

「うちらは、起史たつしさんにもう一度私立高校コーコーに行ってほしいと言うてるのよ…あの時の学生証はまだあるの?」

「学生証?学生証がどうかしたのですか?」

「学生証があるのだったら、学生証を付属のタンダイに行けるようにひもづけしてあげるから…」


比呂子ひろこが提示した言葉に対して、房江ふさえは『起史たつしと話し合いをしてから決めます…』と答えた。


話し合いは、房江ふさえが一度持ち帰ってケントウすることでひとまず終わった。


しかし、今の起史たつしの気持ちは私立高校コーコーにフクガクしたいと言う気持ちは頭になかった。


時は、深夜11時頃であった。


またところ変わって、山陽新幹線と錦川鉄道の新岩国駅から500メートル先にあるラブホにて…


自暴自棄ヤケクソになっている起史たつしは、行きずりで出会った人妻おんなと一緒にラブホにやって来た。


全裸はだかになっているふたりは、ベッドの上で抱き合っていた。


「あっ…あっ…起史たつし…」


人妻おんなは、甘いといきをもらしながら起史たつしをよんだ。


起史たつしは、人妻おんなのMカップの極爆乳おおきすぎるおっぱいに抱きついて甘えていた。


起史たつしは、なさけない声で人妻おんなに言うた。


「ママ…ママ…ママ…」

「なあに?」

「ママの極爆乳おおきすぎるおっぱいに甘えていたいよぅ~」

「よしよし…よしよし…よしよし…」

「ママ〜」

「よしよし…せつなかったのね…」


起史たつしは、約7時間に渡って人妻おんな極爆乳おおきすぎるおっぱいをむさぼりまくった。


「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!イヤァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!イヤァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」


(ブチッ…グハッ…ドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロドロ…)


人妻おんなが叫び声をあげた時、起史たつしの脳の血管が激しく切れる音が響いた。


同時に、口から大量の血を吐いた。


人妻おんなの身体に大量の血液が付着した。


人妻おんなは、それを知らずに果てたあと眠った。


翌朝7時55分頃であった。


部屋の中で非常事態が発生した。


ラブホの部屋にヤクザの男たち50人が部屋に入った。


バスタオルを身体に巻き付けている人妻おんなは、ひどくおたついた。


「早くしてよ!!」


ヤクザの男たち50人は、起史たつしの遺体を運び出す作業に入った。


そこへ、ヤキソバヘアで黒いサングラスをかけていてももけた腹巻き姿のしょうたれ男・竹宮豊国たけみやとよくにが部屋に入った。


竹宮たけみやは、本職は商人あきんどであるが知人の暴力団組織くみのじむしょに出入りしているチンピラであった。


竹宮たけみやは、怒った声で男たちに言うた。


「おいお前ら!!早く運び出せ!!」

「へえ…」


起史たつしは、ヤクザの男たちによって部屋から運び出されたあとどこかへほかされたようだ。


起史たつしは、ブザマな形で41年間の人生を終えた。

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