第11話
そして、主に動田のお陰でクラスメイトと話を付けて貰った。
初めての動画ドッチボールになった。
ただのドッチボールでなく、目隠しやマントを使ってガードしたり等の特別なドッチボールをした。
正直普通の動画だが、クラスメイト達と撮る動画が何より楽しかった。
元から俺のファンも見てくれた為一気に再生数は増えた。
「あっくんの動画が見れて嬉しい!!」「あっくん元気そうで安心した。」「クラスメイトの子が可愛い」
等の評価で動画の人気も好調だ。
「あれ、もしかしてあっくん以外にインキャ疑惑ある?」
「あっくんこっち側か??」「一応いつも通りだけど、特に女の子と話す時緊張しているのが見てるこっちにも伝わるよ。」
などと、俺がクラスの女の子から話しかけられた時の反応をしてくれている。
そして、そのまま俺たちは打ち上げをする。
動田が乾杯の挨拶をしてくれる。
「カンパーい!!」(あつく以外)
「か・か・かんぱい」
みんな各々早速盛り上がっている。
そして、動田は俺の横に座る。
「あつく!!動画成功したな。」
「そうだね、ありがとう動田。」
「おいおい、俺だけじゃないだろう。」
「そうだね、」
動田に背中を叩かれる。
俺はその衝撃と覚悟で立ち上がる。
「み、みんな!!」
一瞬でクラスは静かになる。そして一斉に俺を見る。
「そ、その、」
さっきの覚悟も虚しく、言葉を失ってしまう。
「あつくくん!頑張って」「あつくこれからもみんなと頑張るんだから」「俺たちは仲間だから」
みんな、各々俺に言葉をかけてくる。
【おい!あっくん起きろ!!】【あっくんの苦手な激辛カレーです!!】【あっくん再生数落ちてるよ、あっくんの編集が悪いんじゃないの??】【お兄ちゃんってさ、影薄いよね。】
最後のは別にいいや。
「み、みみんな!きょ、きょ今日はありがとう。みんなのお陰で俺はまた動画を撮れた。本当にありがとう」
クラスの人は静かに見守るように俺を見てくれる。
「また、これからもよろしくね」
「ひぃーー!!」「いいね!!」「よろしく!!」
俺はささっと席に戻る。
「普通だったけど、良かったよ。」
動田が褒めてくれてる??
「褒めてるの??」
「褒めてるよ。緊張しながらも頑張ることが伝わる、内容よりも態度でわかるいい感謝の伝え方だな。」
うんうん、と頷いてる。
「あつくくん私達とも話そうよ。」
「はっはい!!」
こうして、俺の最初の動画は成功に終わった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます