第3話

学校中で俺は有名だ。

同時に勢いよく辞めたこともとっく伝わっている。


 クラスに入ると気まずそうに見ているクラス中が、ごめんね。


 俺はそろっと机に座ると。


 「おい、あつく!」

  一輝が話しかけて来た。クラス中が超こっちを見ている。


「俺とはもう関係を終わりにしたんじゃないの?」


「あれは、言葉の綾だ。」


「俺の返事は本気だ。」


「、、、チッ、なぁあつく戻ってくる気はないか?」


「無い。」


 「お前ッ!」

一気は俺の机を強く叩く。やっぱり勢いだけはあるんだよな。


「おいー!あつくゥー!ってっあれ?修羅場中ですか?」

昨日までオンラインゲームをやりすぎてクマが出来てる友達の、

動田だ。

 うんうんと、クラス中は頷いている。気まずい空気を作ってすいません。


 「でもさー、」

そうして、動田は一輝の肩に腕を回す。


 「もう、関わらないってあつくから聞いたけど。」


「だから、それは言葉の綾だ!!」


「うるさぁ、そうなんだ。」

 そして、動田は離れる。


「なぁ、あつく今なら、まだ戻れる。俺たちも謝れば許してやるから」


 横から動田が

「いや、登録者減ってるから戻っても遅いだろ。」

 俺の変わりに言って欲しいことを言ってくれる。


「それに、ほぼあつくを見たくて登録してる人が多いみたいよ、コメント見たけど。」


 「それは、俺が気を遣って、それ以外のコメントを消しているからだ。」

 今までコメントの削除なんてしなかったのに、


 「、、、プフフ、そうなんだ。ねぇ、あつく、こう言うところは面白いんだね。」

 動田は爆笑している。


「何がおかしい?」

一輝はキレた顔をしている。


 「いや、ごめん面白くてさ。コメント消すなんて偉いねー。その行動がなんとなく面白くてね。ほらクラスも何人か笑ってる。それに面白いこと言えたんだから良かったじゃん。配信する人は面白く無いとね。」


「っ、動田お前、」


「何?」


「覚えてろよ。」


「何をかな?」


「笑ったこと。」


「分かった、面白かったから記憶に刻んどく。」

一輝は不機嫌な顔をしながら席に戻った。



 一輝に聞こえないくらいの声で話す。

 「ありがとう、動田スッキリしたよ。」


「いや、俺も面白かったし、ありがとう。」


「動田…」


「それにさ、俺もスッキリしたし、何より俺もあっくんのファンだったしね。」

 笑い顔では無く、笑顔でそう言ってくれた友達に心から感謝した。

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