その43。アリアとか言う女を超える(途中からシンシアside)

 ———時間魔法。


 ファンタジー好きなら誰もが総じて『最強の一角』と答えるであろう属性。

 物体の時間を加減速、停止は当たり前。

 物体そのものを無かった事にしたり、未来を観測したりなどなど……様々な能力があるが、どれも反則級に強い。


 先程のアリアの回復魔法(詐欺)だって物質の時間を巻き戻して破壊される前の状態に戻しただけだ。


「…………だる」

 

 相対するだけで詰むとか最悪だろ。

 どうすればええねん。

 

 俺は頭を悩ませながら、もしもの時のために、こっそりとアリアに進化したとあるスキルを発動させる。


「……《ステータス鑑定》」


 唱えた瞬間、俺の目の前にアリアのステータスが現れる。


———————————————

アリア・サークレッド

人間 15歳

レベル:30

《ステータス》

体力:9000/9000

魔力:15000/15000

攻撃:4500

防御:4500

敏捷:4500

魅力:99(固定)

幸運:99(固定)

《固有スキル》

【時間魔法:Ⅲ】

《スキル》

【身体強化:Ⅲ】【剣術:Ⅲ】【魔法威力強化:Ⅲ】

《魔法》

【全属性魔法:Ⅲ】

———————————————

 

「………………はぁ?」


 何だこの頭おかしいステータスは。


 レベル30で『4500』。

 つまり基礎ステータスが『150』と言うことで……100回以上死んだ俺より高い。


 魔力に関しては『500』だって?

 貴女本当に人間ですか?


 俺は自身のステータスを確認する。


———————————————

セーヤ・フロント

人間 15歳

レベル:81

《ステータス》

体力:23490/23490

魔力:18630/18630

攻撃:8019

防御:8019

敏捷:8019

魅力:94(固定)

幸運:91(固定)

《固有スキル》

【死に戻り】【炎竜王の祝福】

【ステータス鑑定:Ⅱ】

《スキル》

【短剣術:Ⅷ】【身体強化:Ⅸ】

【付与:Ⅷ】【格闘術:Ⅶ】

《魔法》

【竜炎魔法:Ⅶ】【火魔法:Ⅸ】

【水魔法:Ⅷ】【風魔法:Ⅷ】

【地魔法:Ⅵ】

———————————————


 俺も大分強くなったが……60レベルくらいで抜かされそうだな。

 魔力とかほぼ変わんないじゃん。

 

「……チート主人公め……」

「どうしたの、セーヤ?」


 思わず呟いた言葉がシンシア様に聞こえていたらしく、不思議そうに訊いてくる。

 

「いえ……少し衝撃的な事実を知っただけです」

「…………アリアね」

「どうして分かるのですか!?」


 俺が敢えて濁して言ったにも関わらず、シンシア様がバッチリ当てて来る。

 

 え……何で分かるの?

 俺ってそんなに分かりやすいか?


 俺がポケットから小さな手鏡で顔を見ていると……やっとアリアの称賛が止んだ様で、エデュアルト先生が次の生徒の名前を呼ぶ。


「次は……シンシア・シルフレアさんですね」

「はい。———セーヤ」

「何でしょうか?」


 シンシア様が俺の方を見ずに告げた。

 


「———よく見てなさいよ」



 シンシア様はそれだけ言うと……皆の前に歩いて行った。

 そんなシンシア様を見ながら……。


「…………どう言うことだ……?」


 意図がよく分からず首を傾げた。










「———シンシアさん、どうしましたか?」

「……いえ」


 エデュアルトが誰にも見られない所で私を煽る様な表情を浮かべながら言って来た。

 ただ、此処でボコボコにするとセーヤに迷惑が掛かるので聞き流す。


 私の視線の先には……アリアとか言う女がいる。

 その女は私を少し憎らしげに見ており、先程のことを根に持っている様子。


 器の狭い女ね。

 顔が少し良いだけで……私のセーヤとは不釣り合いね。

 そのはずなのだけど……。


 ———アリア・サークレッド。


 私のセーヤが注目する女。

 確かに回復魔法とか言う珍しい魔法を使えるらしいけれど……何故セーヤが注目するのかさっぱり分からない。 


 ……苛つくわね。

 セーヤは私の専属執事なのに、あんな女に興味を持つなんて。


 ただ……。


「———初めまして、皆様。私の名前はシンシア・シルフレアです。得意魔法は———」


 私は9年間磨いた魔法を発動させる。

 勿論全力で。




「———【不死鳥の聖炎フェニックスフレイム】」





 私が手を上空に翳して唱えると同時に、上空に直径100メートル程の鳥の姿をした青白い炎が出現した。

 その蒼い不死鳥は悠然と羽ばたいてその場で停滞する。

 

「「「「「「「……っ!?」」」」」」」

「し、シンシア様……」


 アリアやエデュアルトも含めた全生徒が呆気に取られた様に上空を見上げる中、セーヤだけは私の方を戸惑いながら見ていた。


 ふんっ、いい気味ね。


 私はそう思いながら———笑みを浮かべて手を振り下ろした。

 

 瞬間———不死鳥は超速で下降し的どころかグラウンド全土が抉られて焦土に変えた。


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