第20話

 「嘘でしょ。」


私は絶望を感じたが、直ぐに冷静に戻る。


 そうだ、この写真を見るに、夢くんは急にされている感がある。

 それに真鉢さんとは関係がよくないオーラを出していた。


 横にいる、かきのんも絶望した顔をしていたが、冷静になったようだ。

 

 「大丈夫、夢くんは浮気する人じゃないよ。きっとそれも夢くんが無理矢理されたんだよ。」


「はぁー?アンタ、真鉢が無理矢理したって言うの?」


「そうだと思うよ。」


「アンタも堂々とは言えないじゃない。」


 「そうなんだよね、私も堂々とは言えない。夢くんのことを知ってると思って全然知らなかったから。」 

 この教室にいる全員と同じ。勝手に夢くんのイメージを作り、勝手にそう言う人間だと決めつけていた。


 「つか、真鉢のことを疑うって幾らなんでも真鉢が可哀想だぞ。」

 夢くんのことは決めつけているけど、私より人の心配をしているだけ、よっぽどこの子の方がいい子なんだよね。

 きっと写真を見せたのも、私への心配も含めてなんだろう。


 はぁー、本当に駄目だな。

 夢くんのことは信じてる。けど今までの私の行動から、夢くんを信じている事をクラスに証明出来ない。


 表向き彼女でも駄目なんだなぁ、私は。


 「おい、大丈夫か。」


「くもも」

 私は、かきのんに抱きつかれていた。そして、かきのんが私の涙を拭き取ってくれてやっと涙を流していたことに気が付いた。


 写真を見せた女の子がワチャワチャしてる。 

 「ごめん、まさかそこまでだったとは、」

 私を見て謝って、心配してくれている。


 「くもも、私も、私もだったから。」


そうして、私が泣き止むまで抱きしめられていると、


 「・・・薪ノ宮さん」

クラスが一斉にその声の方に向いた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

大切な人の一生の別れに「新しい人を好きになってね」と言われた。そして罰ゲームで嘘コクされた。 激 辛 @eaconnn

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ