第18話

 薪ノ宮視点


 最近はますます夢くんへの悪口が増えた気がする。本人は言い返さなくていいと言っている。私達は言い返したかったが、それだと悪口言うと人と同じだと言われてしまった。私もかきのんも悪口を沢山言っていた側の人間だった。


 今私達3人が歩いていると、夢くんは足を急に出されて転ばされた。

 

 「今、ゆめ」


「待って、柿野さん」


「夢くん」


 この事件から過激になっていた。


 隠される嫌がらせや、下駄箱の靴に穴を付けられたりとてもじゃないが我慢出来なくなっていた。夢くんは弁当を忘れたみたいで学食に行っている。普段は私達は着いて行くが、今日は断った。


 「ねぇ、なんで夢くんにこんな嫌がらせをするの?」


 「そうだよ!やり過ぎだよ!」

横にいるかきのんも答える。


「薪ノ宮さんこそ何を言っているの??」

クラスの女子達は答える。

 「そうだよ、元々嘘コクなんでしょ。」


 「え、それを何で知っているの?」

私もかきのんも誰も話して無いはず。


 「それは、豆さんから聞いたよ。」


まめのん。


 「だから、いつものことでしょ。」


「にしても、やっぱり面白いね、薪ノ宮さんも柿野さんも」


「え」


「何が?」


「演技よ、演技!私の彼氏が足を引っ掛け時に、彼氏を睨んだでしょ。演技とはいえビビってたよ。」


 私もかきのんも強く睨んだ。でも、そうだよねクラスメイトから見たらそう感じるよね。


 「ねぇ、みんなそろそろ夢くんの嫌がらせ辞めようよ。」


ーーーーーーーー

 その頃の、夢


 今日は久しぶりの一人で学食だ。


 「ねぇ、陰キャ」


「何?真鉢さん?」


「貴方の彼女偽物よ。」


「、、、」

カレーを黙々と食べる。


「ニセ告なんだって。」


「、、、その根拠は?」


「豆から聞いた。」


 「納得」


「アンタ全然驚かないね。もっと面白いリアクション期待してたのに」

知ってるからね。


「ねぇ、私に金を払うなら、浮気しない?」


「しない。」

 普通にやばいこと言われた。さっきのニセコク現場を見た時よりビックリしたぞ。


「、、、ふーん。別れたりしないの?」


「薪ノ宮さんがそれを望むまでは、」

 それまで、おそらくほぼ一年


「アンタからは別れようしないの?」


「しない。」


 「ふーん。ねぇ、写真一緒に撮りましょう。」


「別に良いけど、俺と一緒に食べることを撮っても何も得しないと思うぞ。」

ネタに使うから意味はあるか、


「それは、どうかな?とりあえずほらカメラに写りやすいように顔近づけて。」


「わかっ、、、」

   

 パシャ

 

 「アンタのことだから、まだしてなかったでしょ。偽だし。」


「何でこんなことを?」


「もちろん、私の為よ。」


 まずいことになりそうだ。俺と真鉢のキスをした写真を撮られてしまった。

 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る