第14話

薪ノ宮視点


 アニメで終わりだと思っていた私は、続きが漫画であることを知り、アニメショップに向かった。本当は初めては夢くんと行きたかったが、抑えることができなかった。


 「すいません、この本なんですけど」


「あ、お探しですね!少々お待ちください。先輩、」


「はーい、今行きます。」

なんかとても聞き覚えのある声のような。


 「どちらを、」


「夢くん!」「薪ノ宮さん!」


 「え、二人は知り合いなんですか、」


 まさか、夢くんに会うなんて、、、もっと可愛い服を着てくれば良かった。


「知り合いというか、」

 夢くんは気まずそうな顔をしてる。彼女だと言って欲しいけどバイト中だから言いづらそう。


 私もそれなら言えない。それに一年で切れる関係なんだ、本当は続けたいけど、わざわざ彼女であることを教える必要もないだろう。


「クラスメイトだよ、クラスメイト。」

 夢くんは分からない、どんな顔をしているんだろう。

私は馬鹿だった。一年で切れるから伝える必要がないと夢くんだって同じように思っていることに気が付かなかった。


 「そうなんですか、良かったです。」


「良かったって?」

え、本当にど言う意味で?

 「先輩に彼女出来たら、まだ彼氏の居ない私のプライドに傷が付きますからね。」

 彼氏と疑っていた時にめっちゃ夢くん見てたんだけど、この子、


「あはは、そう言うことか」



「そういえば、薪ノ宮さんはどうしてこのアニメショップに?」

 マイペースだね。でもそんな所良い!


「家から近いからだよ。夢くんがここで働いているなんて知らなかった。」


 「もしかして、私たち家近い?」

1週間も過ぎたが私たちは一度も一緒の駅のホームに入ったことがない。主に全部クズな私のせいなんだけど、さらにクズと言えば、付き合う前は、駅にいる夢くんを見ると、いつもキモがって避けていて、夢くんから離れた所に移動していた。その為電車に乗る所を一度も見なかった。


 こんな重要なことに気が付かないとは、全て過去の私の行いのせい。

あ、やばい、、、よく考えたら目が合ったことあったし、気付いてたよね駅で避けてたこと、、、やばいトラウマ。


 「とりあえず、あったこの本だね。薪ノ宮さんがハマってくれて嬉しいよ。」


「ありがとう、夢くんがオススメしてくれたからだよ。」


「えっ、先輩がオススメしたってどう言うことですか?」

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