第12話

 「高宮、、、ありがとうね。」


 怪我したところにまだテープを付けている感謝をすると驚きな一言が返って来た。

 「なんのこと?」


「なんのことって、」


「あ、千奈美(真鉢)大丈夫だった?」

優しく、心配してくれるのは私の彼氏の中根。今日もカッコいい。


「大丈夫だったよ。」


「本当に、ごめんね助けに行けず、そもそもあの時遅れなければ。」

 もう何度も電話で謝って貰っているからとっくに許していた。


ボロボロになった、高宮を見て思った。

あの時助けに来てくれたのが、中根だったら良かったのにな。

結局彼氏と話に夢中になって感謝を伝えきれずに終わってしまった。

 「ねぇ、千奈美、、、」


「どうしたの?」


「高宮のこと気になるの?」


「えっ、そんなわけないじゃん。あんな、キモオタク。」

 思わず彼氏に誤解されたくなくて否定してしまった。


「そうだよね。良かった。」

 

 あの様子だと、私を助けたことに気付いて無さそうだし。

 途中から目も気力もうつろだっし、、、


ーーーーーーーーーーーー

  彼氏にあの日の誘拐事件の真犯人が分かったと聞いた。


 「その話を聞いておかしいと思ったんだ。偶然にしては丁度良すぎる。高宮が仕組んだ。」


私はその話を信じてしまった。 

せっかく、高宮の評価が上がったと思ったのに他に落ちたような感覚だった。

 

 私の悪口は加速した。色んな人に高宮の話をした。高山はストーカーや、性犯罪者など言って広めた。


ーーーーーーー

そして

 「嘘。」

 

 私の彼氏が、捕まった。理由は誘拐事件の首謀者だった。


 クラスメイトはみんな私に優しい声を掛けてくれた。

 同時に、高宮が共犯だと疑われ、ネタにされていた。

 

 私自ら発信したことや、助けてくれたことを言って収めようとしたが、みんな私が二度(彼氏が犯罪者だったこと)の犯罪に巻き込まれたことによって気を遣っていると思われてしまった。そのため私の話は通ることもなく、高宮は疑われ面白半分言われ続けた。


ーーーーーー

 そこで私は考えた。今度は高宮の彼女になってみんなの誤解を解こうした。けど、


 「ごめん、俺は真鉢さんのことを好きになれない。」

  振られてしまった。


 助けるつもりだった。だからそこには愛なんてないと思ってた。

 けど、

 「バカじゃないの!嘘だよ!アンタみたいな!性犯罪者好きじゃないんだから!」

  私は走った。そして、高宮が見れなくなった時に気持ちに気づき、思いっきり泣いた。


ーーーーー 

 私は、あの誘拐事件から日曜日に外に出ることがトラウマになっている。だから克服の為に外に出た。


 高宮を見つけた。私は隠れて後を追うと、墓についた。そして高宮は墓に向かって話を始めた。

 まず、私が噂を流したことも全て知っていた。日曜日にいつもここに来ているから、たまたまあの時見つけて助けたこと。

 そして、告白を断った理由が、、、自分の想像を超えていたこと。

ーーーーー


 なんとか、情報を探り高宮と同じ学校になれた。それから高宮はずっとオタク活動ばかりで友達が出来ていなかった。

 だから、私は様子を見てもう一度謝って告白するつもりだった。


 高宮に彼女が出来た。最初は焦ったがすぐに偽だと雰囲気と、よく後を付ける二人の様子から分かった。だから、焦りは消えた。


 誘拐事件、私はその話を聞いてドキッとした。そして、噂によるとその事件はこの学校の人が解決したらしいと、、、きっと高宮だ。そして、被害者は豆野、柿野、薪ノ宮だった。そして、早速柿野が呼んでいた。一瞬で焦りに変わった。

 


  「なんで、アンタが幸せそうになってるの?」

  私を振った癖に!!


 「中学校では、あんなにずっと孤独でボッチだったくせに高校デビュー?」


「別にそんな気があった訳じゃないけど。」

 でしょうね!


「へぇーー、ならたまたまな訳じゃないでしょ。そんなで陰キャのアンタなんかに彼女が出来るわけない。」

 ニセカノなんだからね!!

 


 「私は、アンタに彼女なんて認めない。絶対に!」

 

 私が、アンタを幸せにするんだから、、、絶対に。

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