第24話 終息宣言
「皆のおかげで無事モンスターパレードから街を守る事が出来た。改めて礼を言う。ありがとう」
ギルド長がモンスターパレードの終息を宣言した。街はもう大丈夫だろう。
「例の勝負はどうなったんだよー?」
「「そうだそうだ!!」」
どうやら周りの連中は賭けをしていたようだな。モンスターパレードなんて災厄なんだからそれどころじゃないだろうに。
「‥‥‥もちろんアルフレッドの圧勝だ。まだ結果は精査出来ていないが比べるまでもないだろう」
うおおお!!!! とギルド内が盛り上がる。
「兄ちゃん! ありがとよ!! お陰で大儲け出来たぜ!!」
大穴であろう【アルバトロス】に賭けた人達に囲まれた。
「いや、俺は別に‥‥‥」
「今日は俺達に奢らせてくれな!」
バンッ!!!!
テーブルが叩き壊される。アイツだ。
「ふざけんな、納得いかねぇぞ!! 何か不正をしたに違いねぇ!!」
と、剣を抜いた。抜いてしまった。
訓練所以外でのギルド内での抜剣は重罪だ。それはランクに関係ない。
俺の周りから人が離れる。
「うおお!!! 死ねぇ!!」
大上段から切り掛かって来た。間一髪バックステップして躱す。
「上手く避けてんじゃねぇ!!!!」
再度振り下ろしてくる。思わず俺は体を捌きつつ、振り下ろした剣の鎬を両手で挟む。そしてそのまま捻り上げて剣を奪い取った。
『うむ、【無刀取り】お見事じゃ』
無意識に出来たけどそうか、確か【侍】の特性にそんなのがあったな。
「‥‥‥!??」
相手は困惑している。自分の持っていた剣を相手が持ってたらそりゃまあそうなるだろうさ。
「‥‥‥もういいか?」
俺は相手の剣を床に突き刺して戦う意志が無いことを示した。
その後、ギルド長が奴の頭を押さえ込んだ。
「ビリー、貴様!! ギルドで抜剣したな!? 覚悟は出来ているんだろうな?」
「お、俺は悪くねぇ!! アイツが‥‥‥!」
「どんな理由があろうとギルド内で抜剣は重罪だ。こいつを縛り上げる。お前達手伝ってくれ」
周りにいた冒険者達が縛り上げて奥に連れて行った。
「ふう、アルフレッドすまなかった。よくぞ剣を取り上げてくれたな」
「いや、たまたま上手くいっただけさ」
「すごい技だったけどどうやったんだ? いつの間にかビリーから剣を奪ってたな」
「説明は難しいな‥‥‥」
自分でも考えずに出来た事だからな。
「アルフレッド、すまないが報酬は精査した後になるので後日になる。特別報酬も入るので期待してくれていいぞ」
「わかった、言葉通り期待してるよ」
アルバトロスという使えないジョブだと思っていたけどルナのお陰でこの街を救うことが出来た。
『なに、お主の心持ちじゃよ。我はお主に手を差し出しただけ。街を救う決断をしたのも全てお主が決めた事じゃよ』
俺はこれからもずっとみんなが安心して暮らせるように頑張っていくぜ!
終わり
アルバトロスは天高く舞う 《確定無職のジョブマスター》 芍薬甘草湯 @shakuyakukanzo
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