第23話 古代魔法
モンスターパレードの中心よりやや後方目掛けて魔法を使ってみる。
「【コメットレイン】!!!!」
一気に魔力が減った感覚がわかる。なるほど、一発でこれじゃとても二発目なんて撃てそうにないな。
‥‥‥が、何も起きない。
おい、どういう事だよ?
『大丈夫、ちゃんと発動しとるよ。それより衝撃に備えておけ。あと5秒‥‥‥3、2、1』
ヒュルルルッ‥‥‥
ドカドカドッカーーーーーーーーーン!!!!
複数の隕石が落ちてきたみたいだ。
衝撃の風がこちらまで来て俺の服や髪を揺らす。落下地点から軽く2キロくらいは離れていたはずだが‥‥‥。
「な!? 何が起きたんだ!?」
「天変地異か!?」
「天から何かが落ちてきてモンスターを消し飛ばした‥‥‥」
下も大騒ぎになっている。
モンスターの進行も一時停止しているようだ。
「な、なんだかわからんが今がチャンスだ!! モンスターどもが怯んでいるぞ!!」
ギルド長が冒険者達を鼓舞するとみんな勇ましく向かっていった。
【コメットレイン】で狙った付近半径300メートルに居たモンスター共はどうやら消滅したようだ。その周りの余波を受けたモンスター共も弱っていた。
『いや〜、狙った位置がベストだったのぅ。あとは弱った先触れのモンスターとアレに怯んで進行を止めた有象無象の雑魚モンスターだけじゃ。もう楽勝じゃの』
確かにモンスターは大体みんなヘロヘロになってるわ。
確かにあとは他の冒険者に任せて俺はもう出しゃばらない方が良いかもしれない。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「!! ワイバーンだ! デスイーグルもいるぞ!!」
どちらも空を飛ぶモンスターだ。空中にいたのでさっきの魔法の影響が低かったのだろう。
「弓部隊と魔法部隊! 一斉攻撃だ!!」
ヒュヒュヒュヒュヒュン!!!!
ババババッ!!!!
弓部隊は多くないし魔法部隊はもっと少ない。そしてあまり効いていないようだ。
『お主、武器を槍に持ち替えよ。殲滅していくぞ』
先日作った槍に持ち替える。
『あのワイバーンが良さそうじゃの』
OK アイツだな。
「おい、さっきから何をして‥‥‥」
ヒュッ!!!!
誰かが話しかけて来たようだったが無視して跳んだみたいになってしまった。申し訳ない。
目標にした飛んでいるワイバーンに接近する。
ワイバーンも驚いているようだ。
この高さまで跳べる普通の人間なんかいないだろうからな。
【竜騎士】の特技【跳躍攻撃】はさすがだ。
『距離良し。今じゃ』
「【テイム】!!!!」
【魔獣使い】の特技【テイム】を使いワイバーンを仮契約する。
ワイバーンが光りだし魔法陣のようなものに囲われる。成功したようだ。
【竜騎士】の特性、【竜騎乗】でワイバーンに跨がる。
『うむ懐かしい! この風、この肌触りこそ竜騎士の戦場よ!!』
一番近くにいたデスイーグルが向かってくる。
「うりゃあぁぁ!!!!!」
羽根を一閃するとたわいもなく落ちていく。
「『大空は俺(我)のもの!!』」
ルナの物語で言ってたセリフが上手い事ハモったな。
次々とデスイーグルを落としていく。落下の衝撃で魔石になる個体もいただろうが、それ以外は回収などをしている下級冒険者でも倒せるだろう。
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