第二章
第4話・魔法はとても便利だよ
「リリィ。ここらで一旦野宿にしよう」
「分かりました」
僕とリリィは今、ここから1番近い町、メリシカに行くために森の中を進んでいる。
森を進むのは気が進まなかったんだけど、この森迂回しようとすると5倍以上も遠回りすることになるらしい。流石にそれは面倒なんで森を進むことにしたわけだ。
さてと、今日もいつも通り準備しようかな。今日で野宿は3回目になる。それにしても、リリィはやたらと野宿慣れしている気がする。なんでだろうか。まあいっか。
まずはやたら豪華ででっかいテントを敷いて、テントの横にこれまた豪華ででっかい椅子と机を出して、その上に皿と食料を出して、隣に鍋を置く。焚き火のための木材は今リリィに集めてもらっている。
ん?こんな荷物どこから出したって?答えは簡単。あの城にあった物をファフニールを封印したのと同じ要領で俺の着ているコートにぶち込んである。
いやー、あの城には本当に色々なものがあって助かったね。全部やたら豪華ででかいのを除けば満点だ。まあその分使いやすいし居心地もいいから文句は無いんだけどね。
ちなみに、この荷物をなぜコートにしまってあるのかというと、バサッとコートを広げて何かを取り出す感じがかっこいいからだ。特に深い理由はない。
「木材持ってきましたー!」
「お疲れ様。悪いね。毎回君に持ってこさせちゃって」
「いえいえ。これくらいしないと面目が立ちませんから!」
こういう雑用をやってくれるのはありがたいんだけど、何だか妙に懐かれている気がする。まあいっか。
それはそうと、そろそろ作業を再会しよう。
リリィにもらった木材をコートから出した斧で適当にサイズに切って、火がつきやすいように適当に並べる。そして
ちなみにこの斧も例に漏れず豪華ででかい。その代わり切れ味は抜群。力を入れなくても切れてしまうくらいだ。それなのに軽い。リリィでも扱えるんじゃないかな。まあ危ないからやらせないけど。
そして並べた木材に指を鳴らして魔法で火をつける。
こういう基本的な魔法はリリィに教えてもらった。どうやら魔力を込めて起こしたい現象を鮮明にイメージするとこういった生活魔法的なのを発動できるらしい。ちなみに威力は込める魔力の量によって変わる。
この世界は基本は魔力で何でもできるから便利だ。
ちなみに、リリィも多少の生活魔法なら使える。まあライターの火程度だけどね。
さてと、この上に鍋を乗せて、その中に魔法で水を入れて、適当に食材を入れて、なんかよくわからんけどグツグツ適当に煮込んだらシチューの完成だ。
ん?そんなんでシチューが出来るわけないって?それができるんですよ。魔力を思いっきり込めて完成したシチューをイメージすれば。まあようするに魔法を使ったズルだね。
これを初めてリリィに見せた時はとても驚いていた。
さてと、このシチューを皿に注いでっと。
「リリィ。できたよ」
「ありがとうございます!」
「それじゃあ食べようか」
「はい!」
そう言うとリリィは勢いよくシチュー食べ始める。
どうやらこの世界にはいただきますみたいな文化は無いらしい。
ちなみにこのシチュー。魔力を込めたせいか、食べると体の傷が治る。
「うぅ。もう食べれません」
「ハハハ。まあ、君くらいの歳の子にはそのくらいが丁度いいよ」
さてと、後片付けしなきゃね。
僕がさらに向かって指を鳴らすと、皿に光が舞い落ちて皿の汚れが一気に消えていった。これも生活魔法の1種だ。まあ、異世界あるあるの魔法だね。
こいつを鍋にも施してやって、椅子やら机やらを全てコートにしまったら片付け完了だ。
本当に魔法があると便利だ。もし魔法が無かったらって考えるとゾッとするよ。
さてと、まだやることがある。
「リリィ」
「はい」
リリィに向かって指を鳴らし、汚れを無くす生活魔法をかける。これで風呂に入らなくても清潔感が保てるというわけだ。
これを自分にも同じことをする。
そして、今度は天空に向かって指を鳴らす。すると、半径15mくらいの結界が貼られる。この結界は僕が本気で蹴っても壊れない優れものだ。
「リリィ。今日はもう寝ようか」
「はい」
そして僕たちはテントの中で眠りについた。
僕が考えた厨二設定は最強でした〜異世界で厨二病全開で無双する!〜 太郎助 @manu_zen
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