概要
「お前は俺を何者と心得る」 「皇帝陛下であらせられますよね?」
「──嫌、でございます」
男装の女官・碧燿《へきよう》は、皇帝・藍熾《らんし》の命令を即座に断った。
彼女は後宮の記録を司る彤史《とうし》。何ものにも屈さず真実を記すのが務めだというのに、藍熾はこともあろうに彼女に妃の夜伽の記録を偽れと命じたのだ。職務に忠実に真実を求め、かつ権力者を嫌う碧燿。どこまでも傲慢に強引に我が意を通そうとする藍熾。相性最悪のふたりは反発し合うが──
「賢いヒロインコンテスト」応募作です。全16話予定です。
男装の女官・碧燿《へきよう》は、皇帝・藍熾《らんし》の命令を即座に断った。
彼女は後宮の記録を司る彤史《とうし》。何ものにも屈さず真実を記すのが務めだというのに、藍熾はこともあろうに彼女に妃の夜伽の記録を偽れと命じたのだ。職務に忠実に真実を求め、かつ権力者を嫌う碧燿。どこまでも傲慢に強引に我が意を通そうとする藍熾。相性最悪のふたりは反発し合うが──
「賢いヒロインコンテスト」応募作です。全16話予定です。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!後宮の記録女官はその責任感から権力に屈せず真実のみ記載する
後宮内で起こる出来事を余すことなく真実のみ書き綴るヒロインの記録女官は、皇帝からの真実を曲げた妃嬪との閨事の虚偽記載の勅命を、彼女の矜持がそれを許さず、そんな義妹の言動や態度を理解している、皇帝側近としている同席している義兄が、義妹を皇帝の思し召しが得られるチャンスと捉え、義妹の抱える案件解決に皇帝を同行させる行為に到り、皇帝の前で無事案件解決を見せつける事に成功し、次に皇帝の抱える案件に、ヒロインが一役買い、皇帝の望まざる結果となったが、皇帝がヒロインを重用することになることには、よかったと思います。
只、ヒロインには、実父が政権トップの事実を暴いた事で死罪となり、その妻子も罪の連座で官奴…続きを読む - ★★★ Excellent!!!一途であることは、それだけで誰かの胸をうつ
古代中国の斉に『崔杼弑其君』(崔杼、其の君を弑す)という有名な逸話があり、これは中華世界における史官の覚悟のほどについての逸話なのですが、本作に登場するヒロインはまさに「そういう覚悟をもって記録を記そうとする」人物。
そう、正しい記録を記すためには、死をも辞さない。
当初は奇矯で過激な振る舞いに見える彼女の姿勢ですが、物語が進むにつれ、彼女がなぜそう思い詰めるに至ったか、記録係とはそうあるべきだという覚悟に至ったかが、明らかになってゆきます。
そこまでくると、読者はもはや彼女とともに、彼女とおなじまなざしで、真実を探さずにはいられない。
ほかの登場人物たちが示す、「妥当に見える落とし所…続きを読む