第10話「秤」

 その後、三上さんの父親と母親が迎えに来た。警察もやってきて、親子の対面がすんだあと、事情聴取が行われた。

 三上さんは「いきなり車に連れこまれた。ずっと黒いビニールをかぶせられて、何も見えなかった」「しばらく閉じこめられて、また車に乗せられて、ほうりだされた。そこが、長山君の家だった」と嘘をついた。

 何を聞かれても、三上さんは「わからない」「知らない人だった」「顔は見ていない」とくり返したらしい。ゲームの世界に取りこまれた、などと口が裂けても言えるはずがない。

 〈三国乱世〉から戻ってきた三上さんは熱を出し、しばらく学校を休むことになった。世間では、行方不明者の増加はとまったが、戻ってきた人間は三上さん以外いなかった。聖典……チャートを持っているから閉じこめられているのか、ゲームをクリアーできずに帰れないのかは、わからない。

 俺たちは見舞いと称して三上さんのもとへ行き、彼女の体力が許す範囲で、ゲーム世界へ入るという異常事態について説明した。実際に経験した三上さんは、すんなり受けとめてくれた。

「つまり」三上さんは言った。「〈ドラゴンサーチャー〉の神郷は、自分たちの世界を守るために地球人を全滅させようとしている。他のゲーム世界に干渉したり、上位の戯れの世界である地球に干渉する技術は確立している。でも、まだ直接地球へ乗りこむ方法は確立されていない。そういうこと?」

「ああ。そして、神郷をとめるには」

「私たちが直接行ってぶっ倒すしかない」西条があとを引き継いだ。「こっちへやってくる技術を確立させる前に」

「今のところ、アレン司祭がいる〈ファイナルブレイド7〉の世界を通してしか、〈ドラゴンサーチャー〉の世界に行くことはできない」俺は言った。「ただ、〈ドラゴンサーチャー〉が発売されるまでは、向こうには行けないみたいだ」

 この点については、三上さんが寝込んでいるうちに、アレン司祭に無理を言って実験してみた。危険な行為だったが、万が一〈ドラゴンサーチャー〉の世界へ行けたとしても、アレン司祭からもらった銀の鍵を使えば、いつでも〈ファイナルブレイド7〉の世界へ戻ることができるからだ。

 だが、アレン司祭が言ったとおり、発売前の〈ドラゴンサーチャー〉に乗りこむことはできなかった。

「神郷が自分の部下を送りこんでくる前に、何としてでもあいつを倒さないと」

「みんなでチャートを作ろう」三上さんが言った。「私と西条さんと長山君でチャートを作るの。一番いいチャートを採用して、〈ファイナルブレイド7〉から〈ドラゴンサーチャー〉へ行く。これしかない」

「ちょっと待った、俺も作るのか?」

「作る人はひとりでも多い方がいいでしょ?」

 軽く言ってくれるが、三上さんのチャートを見たとき、正直、頭が痛くなった。RTA走者というのは、ここまでゲームを研究して走るのかと驚きもした。どこからこの情熱が出てくるのだろうか。

「ねえ、こわい話するけど」三上さんが言った。「もし、〈ドラゴンサーチャー〉の世界がこっちへやってきたら、どうなるの?」

「〈ドラゴンサーチャー〉は基本、SFだからね」西条がこたえた。「戦争になると思う。警察や自衛隊の介入はさけられない。でも、技術力は向こうの方が上。銃を持つ相手と互角に戦える、ウォーリアという私兵を有してる点でも、地球側は不利だと思う」

 ウォーリア。その名前は以前、聞いた。

 薬や遺伝子操作によって生みだされた、いわゆる改造人間で、近接武器のみで戦うよう訓練を受けている。PVを見た感じだと、生身で銃弾を受けてもほとんど傷を負わない頑強な肉体を持っている。そのうえ、分厚いプロテクターを身につけ、身体能力も普通の人間をはるかに凌駕する。まさに戦闘マシンだ。

 ウォーリアが地球に現れたらどうなるか。おそらく、警察や自衛隊では手も足も出ない。向こうは自分より数十倍も大きな肉体を持つ怪物を相手に戦っているのだ。完全武装したとしても地球人が勝てる道理はない。ウォーリアを倒す方法は、素人の俺には爆撃ぐらいしか思い浮かばなかった。

「神郷は地球人を滅ぼすつもりでいる。自分の世界を守るために」俺は言った。「だから、向こうがこっちへ来る前に俺たちで乗りこむしかない」

「まさにRTAね。それも大規模な」西条は笑みを見せたが、表情はかたかった。「いいじゃない。私たちにぴったりの戦い方だわ」

「あっちの世界で死なないことは、〈三国乱世〉でわかった。だから、神郷も俺たちが乗りこんでくることを警戒しているはずだ。何しろ、乗りこまれたら無限にコンティニューできる俺たちに勝てるはずがないんだからな」

「でも、私たちは〈ドラゴンサーチャー〉を持ってない」三上さんは不安そうだ。「それまでに、神郷がこっちに来る方法を確立したら、終わりじゃない」

 命がけのRTA。しかも時間的には俺たちがやや不利。

 それでも、やるしかない。


 〈ドラゴンサーチャー〉の発売日は八月一日。俺と西条、三上さんは、すでに予約をすませていた。

「通販だと配送がおくれる可能性があるから、長山は店頭予約して。そうすれば、絶対に当日に買えるから」

 西条に言われ、俺だけが店頭予約をすることになった。俺は三上さんと会った家電量販店に行き、〈ドラゴンサーチャー〉の予約をしようとした。しかし、

「すみません、もう予約ぶんは埋まってしまいまして」

 若い男性の店員に言われ、は? と俺は声に出してしまった。〈ドラゴンサーチャー〉ってそんなに期待されてるの? いやそもそも、たかがおもちゃを予約できないってどういうこと? 生産数が少ないのか、仕入れ数が少ないのか。

「言いにくいんですけど」店員は小声で言った。「転売されてるんだと思うんです。うちはそのへんの対策を取ってなくて……売れればいい、ていう店長の方針でして」

 転売。TVのニュースで社会問題になっていることは知っていたが、まさか自分がその被害にあうとは思わなかった。地球の命運がかかっているというのに、何考えてんだ転売野郎どもは。

 予約できないことに怒っているとかんちがいしたのか、店員は「二駅先にヤドバシっていう家電量販店があるの、ご存じですか? そこならまだ予約を受けつけているかもしれませんよ」

「当日販売はないんですか?」

「残念ですが」店員は本当に申しわけなさそうに言った。

 俺は電車に乗り、二駅先のヤドバシに向かった。しかし、結果は同じだった。他に四軒まわったが、全滅だ。

 俺は愕然とした。おもちゃなんて、当日に店に行けば買えるものだと思っていたし、予約すれば確実だと考えていた。俺の頭は古いのか。

 そういえば、〈ドラゴンサーチャー〉ほど大々的に売りだしているゲームを、俺は買ったことがなかった。人気芸人、俳優をCMに起用し、日本各地の大都市でPRイベントを行い、担当声優を呼ぶ。〈ドラゴンサーチャー〉に社運をかけている、と西条は言っていたが、こういうことなのか。

 店頭予約はどうやっても不可能だとわかった。ただ一軒だけ、当日販売をしている店があった。ひとり一本までという制限のもと、整理券を配るとのことだった。それにかけるしかなさそうだ。

 俺はヤドバシの近くにある大型書店に立ち寄った。ゲーム関係の雑誌を探す。ネットの普及で、ゲームの攻略方法を雑誌や本で知ることはなくなった。いくつもの雑誌が休刊になった。それでも、何種類かは生き残っていた。

 俺は〈ドラゴンサーチャー〉の記事が載っている雑誌をすべて買った。書店員からは変な顔をされたが、気にしているひまはない。

 雑誌で重くなった鞄を肩に、俺は家路についた。駅から自宅への途中に、西条の家があった。

 俺は足をとめた。西条の家の前に、人が集まっている。俺と年齢がそう変わらない女子たちだ。

「どうかしましたか」つい敬語になってしまう。

 三人の女子たちは俺に訝しげな視線をぶつけてきたが、そのうちのひとりが「西条さんの幼なじみの子だよ」と声をあげた。よく見ると、その子はうちのクラスの女子だった。

「ねえ、長山君。西条さんを説得してくれないかな」クラスメイトの女子が言った。

「説得って、何を?」

「西条さん、試験が終わってから全然部活に出てこないのよ」背の高い女子が言った。「スマホで連絡を取ったんだけど、既読スルーされて……」

「そしたら今日、こんなメールが」小太りの女子がスマホの画面を見せた。「意味わかんない。あんなにやる気になってたのに」

 俺はスマホの画面を見た。


「しばらく、部活を休みます。夏の大会にも出られないので、他の人をレギュラーにしてください」


 ああそういうことか、そうなるよな、と俺は西条の家を見あげた。

 表情に感情が出てしまったのか、「何か知ってるの!?」とクラスメイトの女子が言った。

「いや、俺にはわからない。悪いけど」

「西条さんはうちの要なのよ」背の高い女子が言った。制服についているバッジを見ると、俺より一学年上だった。「あの子は凄い。二年も三年も、西条さんにはかなわない。だから、西条さんさえいれば勝てるって思ってた」

「みんな必死なんですよ」小太りの女子が言った。「西条さんがいれば、これまでにないところまで行けるかもしれないって。私なんかどんくさくて何の役にも立たないけど、西条さんがいればって」半分、泣きそうな顔をしていた。「先生はあきれて何も言わなくなっちゃうし、もうどうしたらいいのか」

 地球の命運がかかってるんだ、仕方がないだろう? ……そんなことを言ってもわかってもらえるはずがなかった。

 部活と地球、秤になどかけられるはずもない。俺なら徹底的に無視を決めこんだだろう。

 だが、俺は西条がどれほどバスケを愛しているか知っているし、夏の大会に向けて練習をしてきたことも知っている。このメールを打ったとき、平気な顔はしていなかったはずだ。

「……わかりました」俺はため息まじりに言った。「俺が話しをしてみます。だから今日は、一度帰ってもらえませんか」

「任せて、大丈夫なの?」背の高い女子は言った。

「大丈夫、とは言えません。でも、西条は俺の話なら聞いてくれるはずです」

「へえ、そういう関係なんだ」クラスメイトの女子が言った。「長山君の言葉なら聞くんだ」

「へんなかんぐりしないでくれ」

 俺は三人を帰すと、西条の家のインターフォンを押した。「すみません、長山ですが、巴さんはご在宅でしょうか?」

 西条はすぐに現れた。「あれ? 何で長山がいんの? みんなは?」

「帰ったよ。ていうか帰らせた。お前も顔ぐらい見せればいいのに」

「顔見せたら押し問答になるだけだし、これでいいのよ」西条は言った。「今はバスケどころじゃないんだし」

「そりゃまあ……そうだけどさ」俺はつぶやいた。「でもお前、これでいいのか?」

「仕方ないじゃない」西条は怒ったように言った。「部活と地球を秤にはかけられない」

 俺と同じことを考えてやがる。

「みんな、お前に期待してたぞ。お前がいれば、今まで行けなかったところまで行けるかもしれないって」

「だから仕方な……」

「〈ドラゴンサーチャー〉の件が終わったあと、お前の居場所なくなってるぞ」

 うっ、と西条は言葉につまった。

「チャート作りは三上さんに任せてもいいじゃないか。三上さんの方がこまかいところまで作ってくれそうだし」

「……そんなこと言ったって、任せきりになんかできるわけないじゃない」

「お前、まだ悪いことしたと思ってるだろ」俺は言った。「異常事態を利用して、RTAでタイムを出したこと。だから三上さんに任せられないんだ。自分のせいだと思ってるから、バスケを犠牲にしてでもやらないとと思ってる」

 西条は黙りこんだ。そんなことない、と怒鳴られるかと思ったが、何も言われなかった。ただ、西条の両の拳だけは震えていた。

「三上さんは、巻きこめない」西条は唇を震わせた。「チャート作りには協力してもらうけど、〈ドラゴンサーチャー〉へ行くのは私と長山だけ。ううん、私だけでいい」

「何言ってんだ! 今、この異常事態に対処できるのは俺たちだけなんだぞ! 大人が俺たちの言うことを信じるわけないんだから、三人で力を合わせるしかないだろ!」

「三上さん、泣いてた。〈三国乱世〉に取りこまれたとき」西条は言った。「もの凄くこわかったんだと思う。今、行方不明になってる人たちも、きっとこわい思いをしてる。全部、異常事態を放置した私の責任なの」

「だからそれは……」

「私が責任を取らないといけないの!」吐きだすように西条は叫んだ。「こわい思いをした三上さんのぶんも、いなくなった人たちのぶんも、全部、私のすべてをかけてやらないといけないの! だって、こんな事態を放置するどころか、利用したのは、私なんだから! 私が最初に対処していれば、こんなことにならなかったのに!」

 思いつめている。思いつめて、視野狭窄に陥っている。前に俺が言ったことも忘れてしまっている。いや、ちがうと拒否している。

 ゲーム世界の人間が俺たちを呼んだのは、西条の責任ではない。向こうが勝手にやったことだ。最初のひとりが西条だったとも限らない。他に同じ体験をした人間がいるかもしれない。誰にも信じてもらえないから、黙っているだけで。

 〈ファイナルブレイド7〉のあと、西条が何らかの対処したからといって、その後の悲劇が起こらなかったとは言えない。そもそも、どう対処しろというのだ。世界中のゲームをすべて破壊してまわれとでもいうのか? それこそ馬鹿げている。

 ああ、馬鹿げている。こいつ、馬鹿だ。

「お前、馬鹿だよ」

「はあ?」

「ひとりで何でもできると思ってやがる。ただのゲームオタクのくせに」

「何ですって!?」

「いいよ、自分で何でもできるって思いあがるなら、好きなだけ思いあがっていればいい。バスケにしたってそうだ。お前なんかいなくたって全国行って優勝ぐらいしてくるさ。バスケ部はお前を頼ってるだけで、本当は自分たちで何でもできるんだ。お前の代わりなんかいくらでもいる」

 西条は目を見開いたが、すぐに糸のように目を細めた。

「私が思いあがってるって?」

「ちがうのか?」

 しばらくのあいだ、俺と西条はにらみあった。

 西条は顎で庭の方を指し、「来なさい」と命令した。

 庭には、バスケットボールのゴールがある。スリー・オン・スリーをするほどの広さはないが、ワン・オン・ワンやひとりで練習するには十分な広さがあった。西条の父親が作ってくれたものらしい。

 西条は俺にバスケットボールを投げつけた。

「来なさい」西条は腰を落とした。「思いあがってるかどうか、あんたの目でたしかめればいい」

「上等だ」俺は鞄を縁側に向かってほうりなげ、腰を落とした。

 バスケットボールの経験は、それなりにある。学校の休憩時間にはよく、友達とスリー・オン・スリーに興じている。

 西条がどれほどの選手だろうが、臆する気持ちはまったくない。その鼻っ柱へし折ってやる。

 俺はその場で跳んだ。腰を落とし、ドリブルで抜き去られることを警戒していた西条の裏をかいた。

 つもりだった。

 黒い、巨大な影が俺に覆いかぶさった。逆光を浴び、ただ大きな眼だけが俺を見おろしていた。

 凄まじい勢いでボールをはじき飛ばされた。ボールは壁に当たってはね、西条の手の中にきれいにおさまった。

 西条が顎をしゃくる。攻守交代、というわけだ。

 俺が西条の前に立った瞬間、その姿が消えた。消えたようにしか見えず、微動だにできなかった。振り返ると、西条がダンクを決めたところだった。

 ぶつけるように、俺にボールがわたされる。攻守交代。一言も発しない西条が不気味だった。

 バスケにかんして言えば、思いあがってなどいなかった。西条は、強い。うちの学校の中だけなら、トッププレイヤーだろう。バスケ部の同級生や先輩が期待するのもわかる。

 俺は汗だくになるまで、西条にしごかれ続けた。

 俺が縁側にへたれこんだとき、西条は汗ひとつかいていなかった。

「全国にはもっと強い人だっている。それぐらいわかってる」西条は平然と言った。「私が思いあがってるわけじゃないってこと、わかった?」

「ああ……わかったよ……バスケにかんしては、な。お前は強い」俺は肩で息をした。この体力お化けが。

「何を今さら」

「それがわかった以上、お前をバスケから遠ざけるわけにはいかなくなった」

「あんた、さっきの私の話聞いてた!?」

「お前はバスケ部のみんなから頼られてる。だったら、期待にこたえろよ」

「今はそんなことしてる場合じゃない!」

「だから、お前も俺たちを……俺と三上さんを頼れよ! こたえてやるから! 全部、自分のせいだなんて思うな!」酸欠で頭がくらくらし、俺は地面に座りこんだ。「自分がやらないととか、思うな。それを思いあがりっていうんだ」

「なっ……」

「そもそも、責任があるとするなら、俺にもある。俺がお前をとめてれば……」こんな事態にはならなかった、とは言えなかった。「とにかく、お前はバスケ部に頼られてる。ならこたえてやれ。お前は俺たちを頼れ。ちゃんとこたえてやるから」

 西条はこたえない。突っ立ったまま、うつむいている。

 その目から、涙がこぼれ、地面に落ちた。

「私だって、私だって、バスケしたいよ! 夏の大会はおっきな目標だったんだから! でも、でも、私の責任だから」

「そんなもん、お前が負う必要はないんだよ」

 俺は西条に近づいた。背は西条の方が高いが、うつむいているおかげで、俺の目の前に頭がある。

 その頭を、俺はなでた。

「お前のせいじゃない。全部背負おうとするな」

 西条は声をあげて泣きはじめた。両手で何度も目をぬぐうが、涙があふれてとまらず、手がぐっしょりと濡れるほどだった。

 西条の母親が飛びだしてきたので、俺は弁解をするはめになった。「理由はわからないけど喧嘩するんじゃない」と、二人そろって怒られてしまった。

 俺と西条は縁側に座った。日が西にかなり傾いている。バスケのゴールが長い影を落とす。

「明日、バスケ部のみんなに謝るよ」

「それがいい」

「長山の言うとおりだ。変なところで思いあがってたんだね。自分の責任だ、自分が何とかしないとって。長山や三上さんのことも忘れて」西条は言った。「二人のこと、頼るよ。チャート作るのは、きっと三上さんの方がうまい」

「そうだな。あんな綿密に調査してRTAやるんだもんな」そう言って、俺は買ってきた雑誌のことを思いだした。「ソフトを当日に買えるかわからないから、代わりにゲーム雑誌をあるだけ買ってきた。役に立つかどうかわからんが」

「半分、もらうよ。目を通しておく」雑誌の束を受けとって、西条は目をまるくした。「こんなに? よくお金あったね」

「あとで請求する」

「そうして。世界が救われてもあんたが破産したらどうにもならない」

 西条は屈託のない笑顔で笑った。

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