エピソード35 HOPPER VS EAGLE攻防戦二十
お互いの最後の切り札を放つキメラ生命体【クロウ】と人工戦士リヒト。
互いの思惑を乗せた最後の技は衝突し合う。
どちらも相手を倒す為に一歩も押し込みが引かない。
「私がこの一撃で勝つ貴様に!」
「俺はまだ俺自身の為にもここまでやってくれた仲間達にも仕留めるここで!」
精一杯残った己の絞り出す二人。
「はぁあああ!!」
「うぅうりゃああああ!!」
と放って押されたのは…
クロウだった。
そのままの勢いでリヒトは己の奥義をブーストで加速させてクロウの技デス・クリムゾンを貫いてクロウ自身に一撃を浴びせる。
もう抗う術が残っていないクロウはリヒトの技を体に浴びた。
「うっうああああ…」
と絶叫するクロウそれを当てた勢いで後ろで着地したリヒトが眺める。
致命傷を浴びたので、幹部の力が解け、本来の姿に戻り消え始めるクロウ。
その姿を見てやっと致命傷を与えられたと少しホッとする。
しがらみが取れ一人の戦士として素直に最後になれたクロウがリヒトにこう告げた。
「見事だ!リヒト。私の負けだ。」
「クロウ。お前も凄かったよ。」
「そうか。あっそうだ最後に貴様に教えてやろう。」
「何をだ。」
「貴様を何故誘拐したかと貴様の父について。まず貴様を誘拐したのは我々のボス直々に貴様を欲していたからという事と貴様の父小野寺武志は元々は我々組織の一員研究所のトップだ。まぁ、裏切ってボスの大事にしていたある物を持ち逃げしたがな…」
「な、なんだと…」
「まぁ、これからもせいぜい頑張れ…他の幹部は私より実力では強いのは沢山いるからな…」
と言い捨ててすぐに完全に消滅した。
「ようやく終わったか…でもなんだかスッキリしねぇことになっちまったな。でも今は、やっと、肩の力を抜ける…」
と言うとその場に膝を付けて座り込んだ。
それから暫く休憩して桜一文字に連絡する。
連絡を受けて暫くしてから合流する。
合流してから他の仲間達の現状とこれから自分がやる事を桜一文字から聞きHOPPERTHEVEHICLEに乗って幹部室に行ってリヒトとHOPPERTHEVEHICLEのターゲット撃退モードにした状態で同時に攻撃を仕掛ければ組織の基地の柱も壊れ倒壊するその後はHOPPERTHEVEHICLEの緊急避難モードで急いで脱出する。
と言う内容だ。
その内容をしっかり理解してからHOPPERTHEVEHICLEに乗り込み幹部室へ向かう。
その後は手はず通りに何にも妨害されずに柱を破壊できたので巻き込まれないように急いでその場から脱出したリヒトと桜一文字。
その後、先に避難していた仲間達と合流したリヒトと桜一文字。
その場にいたHOPPERメンバーの顔を見てやっと気持ちを安堵させるリヒト。
溜まらず皆に対してこう告げた。
「ここにいるみんなが生き延びてくれて助けられてよかった。それに亡くなってしまった人達の死を無駄な死ではなく意義のあった死に出来て良かった何より皆の想いのお陰でここまでやり切れた。本当にありがとう!」
それを聞いてHOPPERメンバー達が泣いた。
その涙は様々な思いを込めて
自分の力不足で仲間を失ったことを悲しむ者、工義のように安堵で涙が出るもの、生き延びられた事に喜びを覚えて涙を流す者など様々に…
この後、リヒトの姿を解いて桜一文字からの連絡によって隊員達を迎えに来たHOPPER基地に居た非戦闘員達。
重症者からタンカーで大型車に乗せる。
負傷者を全員HOPPERが所持する車に乗せるとHOPPER達に協力してくれている大型病院に司令官からのお願いで開けてもらった定員付きで。
その後に、EAGLE基地内で捕らえた敵の科学者や非戦闘員は捕虜としてただ拉致されて来ただけの一般人は口止めだけやっても元の生活へと返した。
EAGLE基地内で入手したこれからHOPPERにも利用出来そうなものも複数回収したのでそれらを技術班にHOPPER基地に帰ったら手渡すという事になった。
EAGLE基地後でやる事を済ませて病院に搬送されなかった者達はここまで来た乗り物で工義は桜一文字とHOPPERTHEVEHICLEに乗ってHOPPER基地に帰還した。
HOPPER基地にて
灯や光などが滑走路で待ち構えていた。
それを見て驚きながらも笑顔で迎えてくれる仲間達に手を振る工義。
無事に着陸しHOPPERTHEVEHICLEから降りて工義が迎えに出てくれた仲間達に話しかける。
「皆、出迎えて来てくれてありがとう。任務を達成してリヒト…いや、小野寺工義ただいま帰りました。」
と言うとHOPPERのメンバー達が歓声を上げるそんな中メンバーを代表して灯と光が前に出て来て工義に話しかける。
「工義。良くやってくれた!これでEAGLE達の悪事で理不尽に犠牲になる一般市民の数が減る。それに初の快挙だ。それと、良く勝って生きて戻って来てくれたな工義。おかえり。」
「と灯指揮官様~のお代表挨拶と個人的な感想を言い終わったところで次は私ね。」
「おい、光私の事からからかってるだろ?」
「そんな事無いよぉ~多分…」
「おい、今、小声で何か言っただ…」
「はいはいー!そんな細かい事を気にしゃう真面目ちゃんは置いといて。良くあの短期間でものにしただけでなく、まさか幹部を倒して帰って来ると。君を信じて助け出してこのベルトを君に託して良かったよ。」
と光が工義に熱い握手を求めると工義も気持ちが高ぶって握手を返した。
感傷に浸りながら話し合うと互いにやる事が出来た時に持ち場に戻って行った。
体を休める為と特にする事も無くなったし自室に戻る工義。
自室に入り着替えてカギを閉めてここまであった事が多すぎて整理の為にも口に出す。
「いや~倒すまでもくたびれたけどその後も忙しかったなぁ~でもまさか病院の定員オーバーでまさか外されると思わなかったな…結構な大怪我なのに。まぁ、このHOPPERPOWERの効能で治していくか。それよりキメラ生命体【クロウ】が死に際に言っていた事がどうも引っかかる~。でも…まさか俺の親父がEAGLEの上の人間だったなんて…これはますます親父と会って事の真相を聞くしかない…例えどんな真実だったとしても…!それと俺を攫った理由がボスが指名したとか俺って一体何なんだよ…まぁ、今、考えてもしょうがないし疲れたし寝よ。」
と疲れた体を休めに入る。
作戦は無事達成された。
生き残って基地に帰りその疲れを癒す為に眠りにつく工義。
こうしてまだ謎は残りながらも今はまだ知る由も無いのであった…
続
人工戦士リヒト 赤嶺高真@超BIGなプリン @isekaiikitai1202
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