こじれた姉妹の仲直り?
第27話
「姉上は大学、どうするんですか?」
「あんたと同じ大学」
年が明けて春休み直前。
アタシと晴香は去年のクリスマス以降、ちょくちょくどこかへ出かけることが増えた。
「姉上ならどこの大学でも大丈夫なのでは?」
「晴香に言われると誇らしいね。まぁ決まったら早めに教えてよ」
結論から言って、アタシは負けた。
総合順位や全国基準で測ったら良い方なんだろうけど、それでも1学年下の者に負けて何も思わない程腑抜けてはいない。
その点差がたとえ1点でも負けは負け。まぁ、30点近く負けてるんですけど。
よく勝っても負けても遺恨なし、なんて言うが、悔しいものは悔しい。
ただ、不貞腐れて戦うこと自体を諦めていた頃より晴れやかなのは確かだった。
「大学生になったら、姉上といられる時間が今よりも増えるんですよね」
「聞くところによると授業と授業の間が数時間あるのも珍しくないとか」
「そんな感じなんですね……その間に姉上と遊べたら、もっと楽しくなりますね♪」
だからだろうか。
前よりも晴香の誉め言葉をまっすぐに受け止めることができるようになった。
前回の勝負は見事に負けてしまったから、想いはまだ伝えきることができないない。
「晴香」
「はい」
「いつか晴香を超えてから……その時まで待っててよ」
「はい!」
自分にも他人にも誇れる姉として、妹を愛する者として、堂々と横に並べるようになった時に、アタシから晴香を迎えたい。
その時こそが、真にアタシと晴香が仲直りをして結ばれる時なのだから。
こじれた姉妹仲の直し方 星乃森(旧:百合ノ森) @lily3
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