第16話 メタルスライムがあらわれた!!

 二時間の末やっと出てきた深林狼フォレストウルフ三体を倒し、ひと休憩。これでこのまま二時間に数体のペースだとキツイ。というかつまらなくない?配信映えもしないしな。


コメント

・二時間かけて三体?

・うーん草

・果てしないですねぇ

・エンカウント率低すぎんよ

・崩壊式の弊害が想像よりも重かった


「ま、そのうち出会う率も高くなってくるだろ。なぁ、アル?」


『何故我に聞く……だんだんと出現しているからな、元に戻るのも時間の問題だろう。今日中には無理だろうが……』


 アルに聞いてみた。

まぁ、やっぱり元に戻るみたい。今すぐにではないみたいだけど。うーん?あと居ても五時間くらいかなぁ。


コメント

・やっぱり出現してるのね

・個人的にはこんな感じのも楽しいんだが

・↑同意

・まぁ、魔物と沢山戦うってのがいいってもの分かるけどね

・さて、またエンカウントするのにあとどれぐらいかかるかな?

・これでまた数時間とかかかったら笑う


◇◆◇◆


 一時間後……


 5体の黒死犬バーゲストが現れた。

角の生えた、赤黒く毛深い犬であり、その体躯はとても犬とは思えないくらいに巨大。燃えたぎるような赤い目で俺を睨んでいた。

 

黒死犬バーゲストのお出ましか……」


コメント

・やっときた!!

・結局また一時間くらいかかりましたね

・やはりエンカウント率は低かった模様

・あーバーゲストか

・バーゲスト戦始まり始まり

・美味しそう!!

・バーゲストがあらわれた!!

・美味しそう!?死霊系の魔物なんですが?

・草


 黒死犬バーゲストは闇魔法を使う魔物だ。その他には特筆すべきものはないが、しっかりと事前情報を得てなければ苦戦しやすいと言われている魔物だ。だから、俺にとっては障害でもなんでもなかった。


──────


 最後の一体が塵と化して消える。


コメント

・はい

・楽勝でしたね

・まぁ、知ってた

・流石に対策はしてたか

・ナイスぅ!!

・バーゲストはたおれた!!


「ここの迷宮ダンジョンの情報は集めといたからな。」


コメント

・おっと、これはこないだの反省か?

・名も出したくないアイツのせいか笑

・wwww

・ちゃんと過去の経験を活かしてるね

・過去の失敗は乗り越える男

・あれは地獄だったかな笑笑


 はい。その通りですよ!!

あの迷宮ダンジョンでは情報を疎かにして苦汁を飲んだからな。



◇◆◇◆


 黒死犬バーゲストを倒してから30分くらいが経過した。


 目の前に銀色に光る粘魔スライムがいた。


「お!!金属粘魔メタルスライム!!」


金属粘魔メタルスライムはその名の通り身体が金属でできた粘魔スライムだ。


コメント

・きたぁ!!

・メタルスライムがあらわれた!!

・激レアじゃん

・お、一攫千金チャンス

・出るといいね


 金属粘魔メタルスライムは特殊な魔物だ。フィールド型迷宮ダンジョンにしか出現しないスライムであり、出会う確率も他の粘魔スライムと比べて低い。

 そして何よりも、こいつが落とす物に価値がある。


 金属粘魔メタルスライムはある特殊な金属を落とすのだ。それは幻想金属ファンタジアメタルと呼ばれ、既存の金属とは異なった性質を持ち、武器を作る際にとても重宝され、迷宮ダンジョン産の武器にも劣らない力を発揮する。


 故に、幻想金属ファンタジアメタルと呼ばれる種の金属はとても高価で取引をされるため、探索者の中でも求める人は数多くいる。


「出たはいいけど……倒せるかが問題か」


 メタルスライムこいつは強い、と言うか手強いのだ。


 なんせ、こいつは物理、魔法、共に耐性が高い。その上、粘魔スライム共通である、身体の中心部にある魔核を砕かなければ再生するという再生能力と、素早さがある。だからまず当てることも難しいし、当てたとしても魔核をどうにかしなければ倒せないというね。


 はっきり言えば、まず初心者じゃ勝てない。なんなら中級者とかでも火力不足だったら倒せない。


 そして、多分俺も倒すことは出来ないだろうなと思う。正直、攻撃を当てることはできる。だが、火力が足らなすぎるのだ。


 アルなら、瞬殺できるだけろうけど、それは却下。なんでも頼り過ぎるのは良くないし。あと、今の実力でどんくらい善戦出来るか知りたいのもあった。


コメント

・さて、勝てるかな?

・メタスラって、普通に強モンスだからなぁ

・というか戦えてても逃げられるっていう笑

・どっかのゲームでも参考にしてんのかって話よ笑

・アルちゃんならともかく龍樹くんが倒せたら普通に凄いんだよな


 

 先に動いたのは俺の方。

大きく足を踏み出して、金属粘魔メタルスライムの目の前へ、すぐさま剣を振るう。


 だが、やつは凄まじい速度でその一太刀を回避する。


コメント

・やっぱ、早いね

・ミス!!メタルスライムにこうげきは当たらなかった!!

・草

・後ろ!!


「っ!?おっと!!」


 そのままやつは俺の背後を取ると、身体を少し変形させ、先を尖らせた自身の身体で突いてくる。


 ぎりぎりその突きを回避して、更に一閃。


 キィーン!!と、金属音が鳴り響く。


コメント

・うわ

・メタルスライムのこうげき!!あたらなかった!!

・やっぱり硬いな

・あの剣でも斬れないのか

・りゅうきのこうげき!!メタルスライムはきずひとつおってない!!

・↑いや、草


 攻撃は当たった。だが、傷一つとして付いていなかった。


「やっぱ、火力足りないか……」


 傷一つ付いていないとなれば、正直言って、勝てる気はしない。まだ厳しかったか。


「……あ。」


 少し気を離した内に、金属粘魔メタルスライムは樹海の中へと消え去ってしまった。


コメント

・あ

・逃げるのはや!!

・メタルスライムはにげたした!!

・なんか変なのいて笑

・流石に厳しかったか

・やっぱりに逃げ足あいつ異常だよな

・ほんとシュンって消えるからな


『あーあ……最初から我に任せておけば倒せていたのにな』


コメント

・正論

・それはそう

・相手にならんだろ

・アルちゃん拗ねた?

・あーあ


───────────

あとがき

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