第15話 エンカウント率低め

 

コメント

・……一時間が経過しましたね

・wwww

・いなさ過ぎては?

・ただ雑談しながら歩いてるだけっていうね

・なんの成果も!!得られませんでした!!

・草

・こんないないことって珍しいね

・わぁ……しんりんよくだぁ


「マジで出ないな……」


 思わず溜め息が出る。

迷宮ダンジョン探索を開始してから一時間。出会った魔物は一匹もいなく、ただただアルと雑談しながらこの樹海を歩くだけっていう。今はそんな状況だった。


コメント

・いやーほんと出ないなぁ

・まぁある意味仕方ない気がするけど

・一時間彷徨って一体も遭遇しないってこと、初めて見たわ


『仕方のないことだろう。我が言うのもなんだか、崩壊式で全ての魔物が死んだからな。ダンジョンが元に戻ったと言えど、それは見た目だけだ。元々いた魔物までは戻らないからな。まぁ、徐々に現れているし、現れるのは時間の問題だろうがな。』


「薄々そんな気がしてたけどやっぱりそうなのね。ま、仕方ないか。」


 アルが何故居ないのかっていうのを教えてくれるが、まぁそうだよねとしか言えない。

俺も薄々そうじゃないの?とは思ってたからあんまり驚きはないし、それが理由ならこちら側にも責任はあるからな。


コメント

・あー……ね?

・ですよねぇ……

・あぁやっぱり

・知ってた

・暫くは雑談配信になりそうすっね

・それもまた一興


「そうだなぁ……雑談配信にならなきゃいいけどね。だって迷宮ダンジョン攻略の配信見てるのに全然その要素がないってどうよ?」


 流石に悪いなとは思う。

雑談枠として配信してるなら分かるけど、そうじゃないのに雑談枠になってるのはちがうかなって。


コメント

・別にいいけどな笑

・これもまた一興だし

・珍しいけどこれもこれで楽しいしね

・雑談してくれる迷宮配信者って珍しいっちゃ珍しいしな

・視聴者としても質問にいちいち答えてくれるのは嬉しいんだよな

・↑全然答えてないやつもいるしなぁ


「そう言ってくれるとありがたいよ。ほんとにね。」


コメント

・ま、崩壊式を見れただけで満足なんで

・草

・せっかくのいい空気をさぁ

・まぁあながち間違えでないのがなんとも……

・崩壊式の満足度が高すぎる

・それな

・wwwww

・あーあー


「ま、満足してくれてるなら何よりだよ。」


 例え、どんな理由があろうとも楽しんでくれているならそれでいいかなぁって、そう思うわけよ。俺としてはね?


◇◆◇◆


コメント

・はい。

・二時間経過です笑笑

・これは意図せずの雑談配信になるか?

・もうそろそろ出てもいいんじゃないと思うけど

・いい加減な

・さて、出てくるしょうか?

・ワクワク

・あれ?まだ魔物と遭遇してない感じか、お風呂入ってきても間に合ったとは

・草

・お風呂入ってきてる人がいるんですが


『まぁ、そろそろ来ることだと思うぞ?』


「出てくれればいいんだけどね。…………噂をすればなんとやってやつ?」


 無数の足音。

音的に、三体くらいか?どんどんこっちに近づいてきてるし、俺たちの存在に気づいてるのは確定か。


コメント

・おお!!

・きたか!!

・勝ったな風呂食べてくる!!

・草

・やっと出てきた……

・魔物と遭遇できてこんなに喜んだこと初めてだわ

・だーれだ?

・↑フォレストウルフー!!


 現れたのは二体の深林狼フォレストウルフ。三体かと思ってたけど違ったか?


「ようやくお出ましか、魔物ども!!」


 二体の深林狼フォレストウルフは俺を警戒しながら、少しづつだがこちらに寄ってくる。さぁ、どうする?


「aoooooooooo!!」


 一体が吠える。

すると、もう一体の方も咆哮に合わせるように動き出す。


 二体同時に俺へと向かって挟み込むように突撃してくる。


 一体は、剣で受け止め、もう一体の攻撃を避けて蹴飛ばす。


 剣で受け止めた方は、受け止められると瞬時にその場から離脱。蹴飛ばされ、倒れ込んでるやつの前へと守るように移動した。


 守ろうってか?そんくらいならわざわざ挑んでくるなっての。


 二体の狼に向かって駆け出す。

目標は倒れ込んでるやつ。


 やらせないと、もう一体の方が攻撃してくる。それを後ろに下り避ける。


「そうくるよなぁ!!」


 愚直に攻撃してくるだろうとは思ってた。

だから、最初っから目標はお前だよ。


 避け、足が地面につくと同時に駆け出す。

そして、一閃。


 深林狼フォレストウルフを両断する。


 残りは一体。

残りの方を見ると今まさに立ち上がっていた。


「まっ、これで終わりだ。」


 すぐさま残りの方へと駆け寄り、剣を振り下ろ───す、直前で上の方で葉が揺れる。

 

「上か!!」


 やっぱり、もう一体いた。

振り下ろそうとはしていた剣の軌道を上へと変え、上から攻撃しようとしていたやつを斬る。


 あとはもう簡単だ。

残った一体の深林狼フォレストウルフを倒し、終わり。


 この迷宮ダンジョンの初戦闘は終わった。


コメント

・お疲れ様!!!

・よく最後気づいたな

・最後の不意打ちはビビった

・ナイス対処

・こんくらいは楽勝か笑笑


「ま、最後のやつは元々、足音的に三体いるかと思ってたからな。あとは直前で葉が揺れる音したしね。」


コメント

・はぇ……(なんも分かってない顔)

・足音だけで分かるんだ



──────────

あとがき

戦闘描写むずい

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