邂逅

「うっ…」


近付くとよくわかる、女の顔。


知った女だった。


かつての美人同級生。

高校のとき、同じクラスだった女子、

桧山カナデ。



正直、かかわりたくないです、俺。


蘇る嫌な記憶。

俺のこと散々、陰キャだの言って馬鹿にしてきた女子。隣の席になったときも罵倒三昧でした。今でも、

めちゃくちゃ距離を置きたい女。

確か、俺と同じ24歳なんだけど、現在はモデルになってるって、風の噂で聞いてた。

美貌は健在。相変わらずのスタイル。

そりゃーナンパされますわな。


ヒソヒソ…

ヒナが俺のジャケットの裾をつまむ。


「ねぇ、おにい助けてあげてよ」


「俺の女に手ェ出すんじゃねぇぞ、コラ」とか

言えばいーんじゃないの???」


「ヒナ…

おまえ、何かのドラマの見過ぎじゃないか、、

随分とマセ過ぎてて俺、たじたじなんだが」


「それとも、ヒナ、

あの、頭悪そうな、金髪男に頭突きアタックする???」


「…やめろ。

仕方ないから俺が止めに入るから、おまえは

ここにいろ」


「わかったー」



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る