寝癖

ヒナを待たせるのも悪いから最早、適当にジャケットを羽織った。んでもって、寝癖隠しに帽子も被った。


「これでいいか…」


5分後


「お待たせ、ヒナ。よし行こうか」


「わーい!」


ヒナを車に乗せ、20分も走らせたらお目当ての遊園地だった。


「大人一枚とあと、子供一枚…」


「2400円になります」


入場料を支払い中に入る。


「ヒナ、何乗りたい?」


「うーん、ヒナまだ小さいから、ほんとはジェットンコースター乗りたいけど、乗れないしなぁ」


「ジェットコースターな」


「そうそうジェットトースター」


「ジェットコースターな」


「メリーゴーランド!!」


「あれか…

大人が乗ると恥ずかしいやつだが、

俺も乗った方がいいか…?」


「うん!」


嫌だが致し方あるまい。


疲れている最中にぐるぐる回るやつはちょいと過酷だが、なんとか乗った。


「楽しかったー」


「ね、ねぇ、あれ!!!」


「ん?」


「なんか、綺麗なおねーさんが困っている感じだよ!!」


「え」


ヒナが指差した方を見たら

女が1人何人かの男に囲まれて何やら揉めてた。


「しつこいわね!

いい加減にしてよ。

こっちは妹と遊びに来てんの!

あんたたちと遊ぶ暇なんてないんだからね!!!」


なんか、ナンパでもされているんだろうな。


ヒナが、たたたっと駆け寄ってしまったので、

俺も近付く羽目になった。



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