第4話「幻学園」

「えっと…もう1回聞きたいんですけど…俺と蒼祈さんが結婚って言いましたか…?」


俺はまた空耳かなと思い聞いた。

現実ならまず有り得ないからだ…


そう単なる現実逃避だ!!


「えっとそうです…私と龍くんは学校に龍くんが入学したと同時に結婚する予定です♡」


彼女はまたもや天使のような笑顔でそう言ってきた。

だが俺はある事を見逃さなかった、何故か彼女の瞳は普通の時は俺と同じ黒色だったのに一瞬だけ赤色になったような…きっと気の所為だと俺は決めつけて思考を放棄した。


俺はそれには気づかずに彼女を見ていた。


「あ、でも俺まだ15歳だから結婚なんて出来ないのにどうするの?」


そうなのだ、龍はまだ15歳結婚なんてあと5年早いのだ。


「大丈夫よ、この結婚は政府は認めているし何なら私も貴方と同い年よ?」


ん?あれ?いまなんて?同い年…?こんな大人びた

美人が同い年…?俺は言い間違いと思い聞いてみる


「え?じゃあもしかして15歳…?」


俺は高鳴る心臓を押え、緊張しながらもそう聞いた。


「うんそうだよ、何なら君より誕生日後だから年下って感じになるのかな…?」


衝撃事実すぎる…見た目はあてにならんと言うが本当に当てにならないな…だってこんな美人が同い年なんて誰も思うわけないじゃないか…!


「おっほん、まあそんな事よりも…息子は


父さんは話を戻し真面目にこう言った。


「ええ、それに分かってるんじゃないですか?


蒼祈は自信ありげにそう言った。


「はっはっは、母さんこれは任せても大丈夫そうだな?」


父さんは母さんに振り向きそう言った。


「ええそうね、心配ではあるけど…子を信じてなんぼですもの」


母さんはそう言って俺に振り向いてさっきから黙っていた母さんが真面目にこう言う。


「龍、、自分を信じて生きなさい何があろうとも私たちはあなたの味方よ、そしてきっと幾度の修羅場に遭遇するでしょう、そして生き残るのです。

それと私達の秘密も学校に行けば分かります頑張ってきなさい自慢の息子よ!」


母さんは自慢げに言って俺の背中を叩いてきた。

母さんの顔は今まで見た事が無いほど逞しくそして俺を信じている表情をしていた。

こんなの生まれて初めてだ…


そしてなぜこんなにも父さんと母さんは冷静で任せられるのだろうか…?そして秘密って…?人生でここまで謎なことはないだろう。


だってさ今まで一緒に居た父さんと母さんは何かしらを経験しており秘密も持っているというのだ。


「なんか分からんけど頑張るよ!」


俺は母さんの言葉を噛み締めそう言った。


この言葉を言うと同時に蒼天蒼祈は見た。


彼の

これは予想以上に秘密がありそうですね…と彼女は心の中でそう思った。


「それじゃあ同棲と結婚についてはよろしいのですね?」


彼女は俺ら家族にそう言ってきた。


「「ええ貴女になら任せられるわ」」


またもや父さんと母さんはハモった仲が良すぎるな…


「ここまで来たら俺も腹を括るよ、本当は行きたくないけどこんな美人さんと結婚出来るのはいいしそれに父さんと母さんの秘密を知ってみたい…」


俺は覚悟を決め彼女の目を見てそう言い放った。


「わかりました、それじゃあ龍くんが私の部屋に持っていきたいものを持ってきてちょうだい、服とかは後で学校から支給されるものを渡すから要らないわよ? 本当は学生寮だから全部居るんだけど、私の部屋だからね服以外は揃ってるわ、あ、でもエロ本とかは持ってきちゃダメよ?♡」


彼女は小悪魔的な顔をしてそう龍に言い放った。


「持っていかないよ! それに持ってないし! まあもういいや俺はスマホとパソコンさえあれば他は要らないかな…」


龍は顔を真っ赤にしながら蒼祈にそう言った、童貞感丸出しだ。


「ふふ可愛らしい♡ それじゃあパソコンはそこにあるしスマホはポッケを見た感じ持ってるから早速行こうか龍くん♡」


この人清楚で天使かと思ったが…全然違う…小悪魔だ…龍はそう心に刻んだ。


龍はあれから車に乗ってから少し時間が経つと人気の無い山道を通っている。


俺が外を見て黄昏ていたらふいに蒼祈さんが話しかけてきた。


「龍くんまずね? 今から学校の説明をするのだけど、まずは名前から教えるわね」


ごくりと唾を飲み込む。


「学校の名前はファントム学園っていうわ、この学校はね。

一般人じゃあ絶対に知りえないのよ?

後で説明するけどこの現代にも魔法があってねそれで見えなくしてるのよ。

だから絶対に一般人じゃあ見えないし、触れない普通の人はただの道や場所に見えるわ、それで一般人

じゃあない、暗殺を得意とする一家に生まれたら子達は訓練を2歳から始め、そして15歳までに暗殺者としての体を作らされ、そして一般的な勉強は5歳までには終わらせてるわ。

そして一般人枠じゃなく暗殺者の枠での所で勉強と実践練習そして魔法を学ぶのよここまでは良い?

あ、でも特別に15歳以下から入学する子もいるわそれが私なんだけどね♪」


彼女は最後自慢を挟んだが…ちゃんと説明してくれてるようだ。


「えっとまあはいそこまでなら何となくわかりました」


俺は一般人枠で入学するということだろう、そして今から多分体を鍛えて実践練習をして魔法とやらを覚えるんじゃないかな…?あ、あと暗殺者の勉強かな…?


「覚えがやっぱりいいわね♪ さすが天才君♪

それで一般人枠で選ばれる人達は何かしらの才能を認められた人たちよ。

例えば魔法って出てきたわよね?

その素質があったりそれと今後暗殺者にとって才能があったりとねそれでその者を見定めた人が

学園側に提案しそれが認められれば兼ねて入学できるってわけ、でも


時々出る子の小悪魔的な彼女は正直心臓に悪いな…


「なるほど…」


俺は少し現実逃避をしたくて窓を見た。


この話を聞いて正直現実味が無いのが俺の感想だが、母さんと父さんを見る限り事実であるのは確実だ…現実逃避をしていても意味は無いならば頑張るしかない待ってろよ幻学園!


俺は真っ青な青空を見ながら決意した。


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