第14話 巣を守る雛鳥

 ある国に、孤児院が造られていたらしい。

 特に目立つ国ではなかったそこへは、魔王軍も攻め込まなかったという。


 もちろん私たち勇者パーティーは、しらみつぶしに魔物を倒していたから少し寄ったけど。


 その国の孤児院には、魔王軍の進行の時、誰かが手を回して孤児や奴隷の子供たちを送っていたそうだ。

 そして戦いが終わって数日後、子供たちは全員、とてつもない魔力を手にしたという。


 誰かが与えたのだ。この手のことができるのは、相手のポケットや体の中から何かを盗んだり、もしくは毒などを入れて殺したりする盗人だけだ。


 私はアインヘルムで勲章をもらってからその国に赴いた。

 孤児院の建設は進んでおり、子供たちも有用と判断され、未来への希望だとして育てられるそうだ。


 魔王を倒した勇者パーティーの一人として、私もアインヘルムから貰ったお金をいくらか寄付した。

 完成した後には、子供の面倒も見るという契約も結んだ。


「はぁー」


 すべて、ライアの思う通りになった。

 ここまで計算ずくだったの? と聞きたいけれど、まだ帰ってこない。

 どこかの空を飛んでいるのだろう。


 私はここで待とう。懐かしい約束の通り、黒い翼の盗人が、巣に戻ってくるその時まで。


――

これにて完結です! 予想以上にたくさんの方が最後まで読んでくださり、感謝の極みです。

 さらにこの作品を通して、たくさんの学びを得ることができました。重ね重ね、読者の皆様にお礼申し上げます。

 現在、この作品のIFのストーリーや後日談なども考えています。どちらも書くつもりなので、フォローや★での応援をよろしくお願いいたします!

 改めまして、ご愛読本当にありがとうございました! 

 また違う作品でもよろしくお願いします!

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【完結保障】勇者パーティーを追放されるよう仕組んだ盗人~弱いジョブだからって馬鹿にされてたまるか! これからは魔王の味方をさせてもらうことにする~ 鬼柳シン @asukaga

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