第51話 閑話 真理愛のその後


 真理愛の独り言です。

 最後に大事なお知らせがあります。


―――――


 私、工藤真理愛。悠が渡米した。私は、予定通り帝都大に入った。将来は法律家になるつもり。


 お父さんとお兄さんの事件から一年。お母さんは私が東京で一人暮らしをすると言うと、元の街に一人で暮らすのは嫌だと言って私に付いてくると言ったけど、お父さんやお兄さんが帰って来た時の居場所が必要だよと説得して、お母さんだけ元の家にそのまま住む事になった。


 偶に実家に帰ると一年も待つと近所の人も事件の事が頭から風化したのか、普通に挨拶をしてくれる様になった。


 それどころか、大変だったわねとか言って来る人もいる。本音かどうか知らないけど前の様な態度を取られるよりいい。

 お母さんも大分明るくなっている。



 そうそう、友坂絵里さんは、私学でも有名な城智大学の英文に入ったと聞いている。あの人の頭ならこの帝都大位入れただろうと思うと、彼女の考えが分からなかった。



 悠と会えなくなってから、ちょっと体がきつくて…自分で処理をしても物足りない。お母さんに内緒でおもちゃとか買ったけど…やっぱり何か違う。どうしよう。



 一年と少し経った時、大学のゼミの先輩で、お世話になっている先輩から食事に誘われた。前だったら絶対に行かなかったけど、ゼミの流れでそうなってしまった。


 その先輩は、私と適度に距離を取りながら色々楽しい話をしてくれたりしていた。イケメンじゃないけど優しいからそれに変にべたついてこないからとその後も食事に誘われる都度、付き合った。


 それから少ししてその人のアパートに行った時、緩く本当に緩く優しく体を触られている内に、私の体が忘れていた事を思い出してしまって、…してしまった。最初の一回目は罪悪感が有ったけど、二回目からは私も積極的になってしまった。


 それから少しの間、付き合って何度も体を重ねている時、私の過去の事を話したら、その後から私に声を掛けてくれなくなった。



 それから少しして、悠が物理学の分野でノーベル賞を取った事をニュースで知った。その時、私の頭の中にもう一度しっかりと悠の事が蘇って来た。


「いけない。他の人ともうあんなことしちゃいけない。大学卒業したら悠の所に行くんだから」



 だから、それから半年位は、ひとりでして我慢した。でもゼミで知り合った、別の人から年齢的には飲めるようになったお酒を誘われて、その日の内に抱かれてしまった。いけないと分かっていても体が求めてしまう。

 その彼とは半年位付き合って、やはり私の過去を言うと去って行った。


「やっぱり過去を隠してないといけないのかな。悠には悪いけど、渡米するまでは精神安定の為にも…いいよね」



 三人目の人は大学のOBで、法律の事も随分教えてくれた。優しくてちょっとイケメンで、何度か食事に誘われている内に、やっぱり関係を持ってしまった。


 でも仕方ないよ。悠がいないんだもの。大学卒業したら、男の人との関係は絶って悠の所に行けばいい。


 そして、大学四年になった時、悠が二度目のノーベル賞を取った。今度の理論と証明は、前の受賞の時より更に世界中で称賛されている。


 私は、少しでも早く悠の所に行きたかったけど、法律家になる為には大学院にも行かないと国家試験がパスできるレベルで無い事が分かっていたし、悠も今は忙しいだろうからと我慢した。


 そして私が二十六になって国家試験もパスした時、お付き合いしていた人からプロポーズされた。勿論私の過去も知っての上で。

 もちろん断った。私は悠だけ。理由も言った。好きな人がいるからと。


 じゃあ、なんで俺と付き合ってくれていたんだと言われた時、上手く答えられなくて、その人は私の元を去って行った。



 もうアラサー。悠とは連絡が付かない。スタンフォード大に電話しても全然つなげてくれない。前のスマホも通じない。


 悠どうしているんだろう。


 そんな時だった。友坂絵里さんから連絡が有った。彼女とは大学は行ってからも何度か会っている。私に彼が居た事も知っている。


 その彼女が、信じられない事を言った。


「工藤さん、私、悠と結婚したの。今から渡米する。もう待っていても仕方ないわよ。さよなら」


 それだけ言うと一方的に切られた。多分空港からの電話だろう。でも何故かあまりショックを受けなかった。どうしてなんだろう?



 それから、半年位して、プロポーズをしてくれた人から、やはり私を諦めきれない。もう一度結婚を前提にお付き合いしてくれとお誘いを受けた。




 そして、今は二人で法律事務所を開いている。夫婦で法律事務所って事が噂になって、私が可愛い事もあって?それはないか。


 結構忙しいんだ。

 悠とは結ばれなかったけどいい思い出にしている。夫には一生話さないけど。

 

―――――


 好き勝手に書いてみました。でも真理愛はこんな感じでしょうね。


 最後にお願いです。またですが…。

閑話でも面白かったと思う方、よう書いたと思う方、まあこんなものだろうと思う方、次回もなんか書けと思っている方、ぜひご評価★★★頂けると新作への意欲が沸きます。

感想や、誤字脱字のご指摘待っています。




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俺の目的は復讐だ。お前達の様な可愛い子や美少女は他の奴と恋バナ咲かせてくれ! @kana_01

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