017-Turning Point
ターニングポイントだ。後ろめたい話も多いが、これで一旦序章は終わり。疑問も多いだろう。まぁ、多いよな。そりゃそうだ。重要な事を喋りたがらない奴が多いからな。それは仕方ない。その最たる例は大人組。
自分が話している事を相手が理解しているという前提の下話している。それを理解する事なんて出来るわけがない。理解出来たヒトにはボーナスをくれてやる。
麗愛の戦争とは、千年前の勇者と魔王、その戦争の後に起きたたった一か月程の話だ。つまりはおまけ。エピローグみたいな話。見下ろしていたからその結末は知っている。勇者と魔王の話を麗愛だと呼称する輩が居るが、違う。そのままの認識ならば、永帝が魔王に対する特攻であると思い込んでいる愚かな者共の様に勘違いしいつか痛い目を見る。
たった一か月。その一か月の中で起きた出来事。ルールの改変。何故千年間勇者も魔王も生まれ出でなかったか。何故、麗愛と呼称されるのか。
殺戮と淘汰。殲滅と迫害。眠る脅威と大地の終わり。その延長戦。見下ろした一部始終でもそれは悲惨な物語であるとはっきり言える。場合によっては麗涙よりも過酷。
とは言え、勘違いするのも仕方ない。当の本人が、勇者と魔王の戦争を含めて麗愛と呼んでいる。定義したのは自分たちの癖に適当にも程がある。
まあいい。名称は大事だが、ここでは重要じゃない。という事で、だ。物語に対して本腰を入れる必要がある。シグルゼ達がこうやって生きていく以上、私は読み進めなければならない。関わる事はしない。これはあくまで彼らの話。最早過去になった私なぞ関わるべきではない。
元より関わっていないのだから、まあ、こうして意味ありげに語るのも結局は意味の無い事だろう。意味を持てば、価値が生まれる。それじゃダメだ。
麗涙、麗魂、麗愛、三つの内二つ。今回重要なのはそれだけだ。ヴィレドレーナの姫の話については今回目を瞑って、麗涙と麗愛だけを注目して欲しい。そもそもヴィレドレーナは大陸が違うから、まあいいだろ。と、いうか、多分枝も違うだろうしな。
麗涙の戦争。ヒトがヒトたらしめる理由。その戦争。異界武装が世界に流出した原初の戦争。アグレシオンとネドア。その二つの話。
麗愛の戦争。二人の少女が愛を取り戻す、その戦争。当の本人が言うように全てを含め麗愛と呼ぶのなら、麗涙の尻拭いでもある。
何、両方とも単純な話。ヒトがヒトを殺すだけの話。あぁ、いや、麗涙は少し違ったな。……あれは龍、だったか。
信仰は毒となる。ヒトは神を信じ、神に縋る。原初の宗教は統一王、そのヒト。アグレシオンの王座に座った大いなる者。次に龍神である。
………………シグルゼは知らない。何も知らない。空を見上げ星を眺め観測する。それが彼。だから何も知らなくていい。星を眺め精霊を観測し、己の役目を全うすればいい。だって、それが彼にとっての命題だろう?
ミーシャはよくやっている。緊張しいでも、だいぶマシにはなっている。この短期間でここまで成長しているのなら学校に行ってもなんら問題は無いだろう。恐らく、実感も無ければ、周りから見てもあまり変わってないように思うだろう。
知らない単語ばかりが並んでいただろう。そもそも魔法の理論さえもきちんと話していない。エーテルから魔素に変換、更に魔素から魔力に変換とかそういうどうでも良い事しか説明されていない。まあ慌てなくていい。ほら、丁度ミーシャが学校に行くだろう。そこできっとわかるとも。
では、何がターニングポイントなのか。シグルゼが八歳を迎えたからか。まぁそれもある。正直な話、どこがターニングポイントでも成り立つ。大きく物語が進む、転機を迎える。そういう意味で捉えてもらっても構わない。ま、ターニングポイントってそういう意味だしな?
……どんな物語であろうと意味があると語ったのは誰だったか。……まぁ思い出せないならそこまで重要じゃないんだろう。一番重要な言葉は、そう。感情は前に進むための足枷だ。というモノ。私が一番嫌いで、意味が解らない言葉だ。私には到底理解出来ない。本来その機能が欠落している為だ。
……あぁ、クソ、どう言うべきか。関わっていない所為で説明が難しい。
まあ良いか。ターニングポイントの話に戻ろう。物語が大きく進展する。というより視点が大きく変わる。そういう意味でのターニングポイント。まぁ要は分岐点だ。選択と選択。正解を選ばなければ決定的に崩落する。そうだろ? アリシアが視ている未来。アインセルの魔女。大きく変わる、か。そうだと良い。そうであると信じなければならない。その為にアインセルは呪った。その為にアリシアは呪われた。
間違えたのならそれまで
正解だったのなら万々歳
な? 簡単な話だろ?
…………まあいい。そろそろ良いだろ。語るべきことはまだあるが、それはおいおい。どうせまたターニングポイントはやってくる。人生とはそんなモノだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます