014

「それで話というのは」


 ミミララレイアさんに案内され、応接室の上等な椅子に座る。これだけの椅子に座ることはおそらくもう二度とないだろう。


「我々孤児院が売る野菜についてです。現状、我々孤児たちが当番を決めて売っています。ですが、最近の政治のおかげか、我々孤児はその数を減少させつつあります。収穫出来る量は依然変わりませんが、問題は売る時の話。現在孤児院には私ともう一人しかまともに売買出来るモノがいません。それゆえにご相談が」


「…………話の流れで言いたい事は理解出来ます。直接ワタシに野菜を買い取れとそういうことでしょう。えぇ理解出来ます」


「孤児院で収穫される野菜たちは皆品質が良い。孤児たちの健康に気づかい農薬を使わずに育成しているためです。孤児には病気の者も居るため、彼らに配慮するには無農薬にならざるを得ない。……それによって品質が上がるのは怪我の功名と言えます。そこで、我々が直売するのではなくあなたに買い取ってもらいたい」


「……先に言ったのに全部言い直しましたね。いえ、構わないのですが……確かに貴方方の作る野菜はどの商店にも負けない程美味で新鮮です。それに嘘偽りはありませんね。……確かにワタシが買い取りワタシが捌いた方が利益は出ます。ですが、貴方方の利益が多少なりとも下がる事になります。それについてはご理解していますか?」


「理解しています。俺も孤児院を卒業し、居なくなる者ですが、それ以上に入ってくる者も少ない。今まで通りの金額よりも多少減ろうが問題はありません。彼らに直接売ってもらい経験を積むのは確かに良いのですが、事実として孤児から商人になるのは不可能です。難しいのではなく不可能。なので貴方に直接購入していただく方が助かるのです」


「…………………………孤児院長、および神子様と要相談ですね。貴方にこれを決める権限も、ワタシに勝手に決める権限もありません。とは言えあの甘ったるい神子様であれば許可も出るでしょうが……解りました。後日文を送るので神子様の返答をお待ちください。ワタシも孤児院の為に何かしてやりたいと感じておりました。込み入った話はまた後日。ワタシの方から孤児院に出向きましょう」


「…………わかりました」


 思ったより早く事が進んでしまった。


「残りの切り札は仕舞っておいてください。それを使うにはまだ早い」


「…………っ。筒抜けか……」


 いくつか用意はあったが、必要にならなかったのならそれでいい。そうであればそれで良いんだ。切り札は最後まで取っておくモノ。使わないのなら使わないだけ良い。


「ではまた。貴方は貴方にしか出来ない事を。努々忘れることなきよう」


「………………………………………………………………」


 何が見えている。このヒトには何が。そもそも切り札だって何故バレた? 誰にも話したことは無いはずだぞ。それを何故。未来視だとかそんなモンある訳がない。こいつは『魔女』じゃない。俺には魔力も無ければ知識も無いから何も無いと思ってしまうだけなのかもしれないが、それでも、そういうのなら多少なりとも感知出来る。それが出来るから騎士になれたんだ。


 こいつはなんだ? …………いや良い。どうせ忘れる。この取引さえ成立すれば俺はミミララレイアとは関わらない。なら深入りする事は無い。


 ミミララレイアは軽く腰を曲げて礼をすると部屋を出て行ってしまった。商人とは皆あぁなのか? だとしたら本当に俺には向いていないな。つまるところ商人は物を売るだけでは成りえない。心理戦だろ、あんなの。だったら無理だ。感知しか出来ない俺には向いていない。


 上質な椅子から立ち上がる。正直一生分たっぷり座り心地を味わいたいが、そうもいくまい。待たせているヒトは居ないが、そろそろ帰って鍛錬の続きをしなければならない。師匠に怒られてしまう。大事な用だったのだから多少の遅れは仕方ない。休憩を三分縮めよう。いや、それも怒られるな。仕方ない遅れた部分はどこかで取り戻すとしよう。


 ドアを開き、長い廊下に出る。素朴な観葉植物が曲がり角に置かれている。……ミミララレイアの趣味か。あぁ、いや、なるほど、『誰か』かを識別するタグ付けか。律儀に観葉植物で隠しているが……マナーか。


 角を曲がり地味なデザインの扉を開く。スタッフオンリーと書かれた板が打ち付けられた扉から出ると、眼前をヒトの流れが攫って行く。流れというより波の様なモノだろう。まぁ、海なんてモノは見たコトが無いのだから、波と言われてもどのようなモノか上手く説明出来ないのだが、直感でそう思った。実際孤児院に置かれている本にも波の事は書かれていたから、説明は出来ないけど想像は出来るはずだ。


 ここは二階。特に変わった様子は無い。相変わらずヒトが多いだなんてそんな事を思うくらいで、これと言った異変も無ければ異常もない。これぞ日常とでも言うようだ。


 客がファブナーリンドからだけじゃないのも相まって本当に凄い数のヒトだ。それ相応に店も儲かるだろう。夕方には売り切れてしまうのも納得が出来る。俺達が売っていた野菜だって結局一時間程で売り切れてしまった。ミミララレイアの奴はその日の売り上げを全て計算しているとは言っていたが……何故俺達に場所を貸してくれるのかは聞いた事が無い。どうせアリシア様関連だろうから深堀りする気もサラサラないが、全く、ミミララレイアがそうせざるを得ないという状況は、なんというか異常だ。神子様の要請だって断るタマの座った女の癖に、アリシア様には逆らえないなんて事は無いだろう。


 階段を下りる。ここにはもう用は無い。本来孤児たちに土産の一つや二つ勝手やるのが最年長としての務めなのだろうが、残念ながら今日は財布を忘れた。孤児院の売り上げ? 馬鹿言え。手ぇ出すわけねぇだろ。


 大きく息を吐く。────交渉は上手くいった。これ以上無い程に、だ。奇跡的にミミララレイアが快諾してくれただけだが、こうまですんなり行くとなんだか裏があるのではと勘ぐってしまう。実際もっとちゃんとした交渉も出来ただろう。俺の頭じゃあれが限界だ。交渉の上手さで言えばそれこそシグルゼの方が上だ。事実、今日の売り上げは殆どシグルゼが勝ち取っている。


 一体誰に似たのやら。将来が心配だ。星読み……か。実感がない。ファブナーリンドの星読みと言えばアニマ家。シグルゼの家系だ。だが、両親が死んでから星読みは存在しない。占星術紛いの事しか出来ない魔法使いがなんとか場を繋いでいるに過ぎない。俺は魔法が使えないから星読みの事にも詳しくは無い。というか俺は馬鹿だからその辺の話をしっかり聞いた所で理解出来ないだろう。


 階段を下り切るとそのまま出口へと向かう。天井に吊るされた瓶状のガラスの様なモノに詰められたアグニの明かりでは無く、太陽の明かりが床を照らし始める。正午は過ぎた。それ故に陽射しが差し込み始めている。特に何も無くデパートを出ると、孤児院の方へと迷わず足を進める。.


 しかし、ミーシャにはなんだか説教臭い事をしてしまった。孤児である俺が言えた事じゃないのになんとなく見てられなかった。


「はぁ……」


 嫌われてないと良いが……未来の上司だろ? あれ。嫌われていたら最悪だ。柄にもない事するんじゃなかった。嫌だよ俺、上司に過去の事でねちねちされるの。


 それとこれとは別で、俺には彼女が神子になる未来が視えない。直感が働かない。アリシア様達が選んだのなら確実に才能はあるのだろう。だけど、あれが磨かれるとは思えない。長々と説教臭い事をした癖にその未来を直感できない。


 ただ漠然と、この子はこのままではいけない。とそう思ったんだ。何故──だろうな。解らない。何せ俺はただの孤児。両親を失って早十二年だ。死に対しては身近だと解っている。死は思っているよりも常に隣に居やがる。直感なんて関係ない。そんなモノが働く内は幸運なだけ。運が良いだけだ。


 だからどうしたって話に思われるだろうが、あの子はなんというか、自分自身を呪っている様に見える。あの子が纏う空気には常に死が漂っていた。自殺願望……ではない。純粋に一度は死を経験しているような……。チっ、要らん情報しか寄越さないなこの眼は。戦いにしか役に立たん。


 嘆いても仕方ないが、こういうのは厭になる。見たくないモノを見るというのは存外にしんどいモノだ。厭世とまでは行かないが、なんというか溜息が多くなる人生だ。


「直感だけなら良かったんだけどな」


 視界に写る黒い靄に吐き捨てるように呟く。魔眼でも無ければ魔力回路の不調でも無い。備え付けの能力でも無ければ外部接続でも無い。端的に言えば正体不明のクソッたれな能力。不思議だろ? 俺にもわからん。


 解明しようにも宛てが無い。どう説明すれば良いのかもわからん。さっきまでのは全部感覚での話、きちんと説明するのは難しい。俺にとっては当たり前の光景で、他のヒトには何が見えていて何が見えていないのかもわからない。だから説明が難しい。


 アリシア様に聞こうにもその機会にも恵まれない。直感のみを使えば便利なのだが……。死期が見える……ということでも無さそうだし。だったら直感が見える意味が解らない。


 しかも死の概念が見えるという訳でも無ければ、弱点が見える訳でもない。基本的に直感が主体な能力……になんか色々付随してそうなそんな感じ。魔眼であれば、それを相殺するアイテムも存在する。が試着しても効果は無かった。だからこれは魔眼ではない。単純すぎる判断だが、今の俺にはそれくらいしか判断材料がない。


 俺が魔法が使えない理由がこいつならば、本当に邪魔だから消え失せて欲しい。他人の死とかどうでも良いし、役立つ事なんて直感のみ。視界にチラチラ映って鬱陶しい。何のためにあるのこれ。


 ……意味の無い話はやめだ。そういうのもあるのだと飲み込むくらいしか俺に出来る事は無い。神様の理不尽な悪戯という奴なのだろう。不死身を貰ってないだけマシさ。御伽噺でもあるまいし。


 そんなこんなで孤児院に着く。子供達が使っていた木人は片付けられていない。遊んだらそのまま遊びっぱなし。別に構わないし俺が使うから都合が良いのだが、そろそろ後片付けというモノを教える年頃だろう。院長には話を通しておこう。院長というか神子様だけど。そういうのは俺の仕事ではなく、もう一人の成人に近い奴の仕事なんだが……。いや、良い。たまには俺もそれらしいことをしよう。


 落ちていた木剣を拾う。木剣だって魔力を流せば鉄並みには硬くなるし切れ味も上がる。補正だ補正。キャスター……魔法使いが本気で剣を握れば鉄くらいは切れるだろう。まああいつらの使う剣術、体術、槍術、弓術、鎌術は異常だ。体内魔力による身体のブースト関係無しに魔力のっけてぶった切ってくる。それに対応するのはやや難しいらしい。


 残念ながらキャスター相手に剣術を習った事は無い。それはおいおい騎士に入ってから嫌となる程経験させるから大丈夫だと師匠は言っていたが、アリシア様とかに頼めば良かっただろうか。……馬鹿、そんな事考えるな。命は大切だろ、俺。直接見たことはないが、彼女達の魔法の腕は知っている。何せ、城壁に並べられた十三基の砲台も彼女達が製作したモノだ。あれはヒトの域に収まるモノじゃない。一基に触れただけで全ての魔力が消し飛ぶ程の威力。文字通り、アリシア様専用のファブナーリンドという名の兵器だ。というかあんな危険物野風に晒して平気なのかよ。


 木剣を構える。仮想敵を配置して、剣を振るのであれば的は欲しい。木人は丁度良い練習相手だ。オヴィレスタフォーレ製の針葉樹を用いた木人は魔力伝導率並びに吸収率が高いという特異性を持っている。堅いのにしなやかみたいな感じだ。或いはねばらかとでもいうべきか。


「────────────」


 炉心を燃やす。魔力はエーテルを変換し得た魔素を更に変換して作られる謎の物質だ。どんな形にも変化し、どんな事象にも耐えうる未知の物質。ヒトが制御出来る理由が何一つ解らない意味不明の身元不明の物質。体内に炉心という仮想器官が存在するのも、魔力回路なんてモノが存在するのも謎。始まりの魔法はなんであったか……。何故ヒトはエーテルを直接使わずに魔素に変換し、更に魔力に変換する必要があったのか。魔法使いではない俺にはあまり関係ない話だと思われがちだが、実際は違う。


 魔法使いではない俺だって身体能力を魔力によって強化する事は多々ある。というか騎士の基本だ。それに、魔物が魔法を使ってきたとき、それが感知出来ないのでは、何の対策も無く死ぬ事になる。それくらいは知識として、経験として持っておかなければ戦闘とは言えない。言葉を選ばずに言えば自殺だ。


 魔法とは学問。戦いの術じゃない。神話だとか御伽とか寓話とかそんなん全部ひっくるめて魔法の領域なんて馬鹿げた事を言ったヒトが居るが、実際そうなのかもしれない。残念ながら孤児院にある本は全て読破したが、数は少なく多くの知識を得るには適さなかった。それでも軽く読んで分かったのは、空白の三千年前だ。どの本であろうと、どんな話であろうと、三千年以上前の話は存在しない。全て麗愛の話だとか、三千年以内に起きた神話、宗教の話だ。故に、ヒトは三千年前、急に現れた存在である、と。そう言いざるを得ない。


「フゥ────────────」


 息を吐く。炉心の熱を治め、魔力回路へ魔力を丁寧に流す。準備運動だ。激しく運動する場合、準備運動というのは大事だろう? 泳ぐにしたって走るにしたってヒトはいきなりじゃ本領は発揮できない。魔力回路だって同じさ。深呼吸の様なモノと思ってくれて構わない。


 体が少し熱を持つ。魔力が全身に流れていく関係で全体の熱が上がる。騎士はこれを感知して事前に魔法を予知する。ま、それが通用するのは半人前くらいなモノらしいが。


「──────────────────ッ、」


 足に魔力を回す。同時に地を蹴り上げて木人へと飛び抱える。振り上げた剣を振り下ろしてた叩き切る。木人には傷一つ付かない。刃に魔力を込めていないとはいえ、硬すぎだろ。訓練としては助かるが、樹木としてはどうなんだよ。距離を詰めた。実際は魔導士による援護がある為にそうそうに後退する必要もない。体内の魔力を回して次の剣戟に備えるべきだ。残念ながら俺は三流どころか四流。魔力回路の扱いなんて下手中の下手。というか騎士で魔力回路の扱いが上手い奴なんて早々存在しない。噂に聞くネドアの騎士くらいだろう。


 なので、基本的に一度魔力によって身体能力をブーストしたのであればリキャストが発生する。一々炉心を燃やすってわけじゃないが、魔力回路を三分割するとかいう頭のおかしい芸当は出来ないので、一々全ての魔力回路の挙動が終わるまで魔力が流せないのだ。鼻で息を吸いながら、口で吐くような器用な芸当は出来ない。


 大きく踏み込んで剣を下から突き上げる様に振り上げる。仮想敵に対して出来るのは己の剣術をどのようにして使うかを調べる事のみ。己の魔力回路の回復速度を読んでリキャストが終わる一瞬前に一歩先を歩く。リキャストが終わると同時に魔力を流してブーストするというのが、一般的な騎士の戦い方。これにエンチャントだとかそういう魔導士達の援護が付いてくるので、剣自体の威力はとんでもないモンになる。


 まぁそれでもグラーヌスぶっ放す魔法使いには敵わないのだが……。詠唱があるとは言え、ずるいよな、あれ。適材適所と言われればそれまでだ。対人であれば、残念ながら魔法は殆ど役に立たない。殺してしまうためだ。だったら弓で良くね? おう、返す言葉も無いぜ。


 魔力回路は個人によってその太さ、長さが違う。炉心もその規模が異なる。数値で表す場合、教会魔導士を百と数えるとすれば、俺は十、アリシア様、セニオリス様は測定不能、ミーシャが二百、シグルゼは……測定不可能。あんま参考にならないなこれ。やめだやめ。もっと例えやすい人物が居ればいいのだが、規格外しか居ねぇ。どうなってんだ俺の交友関係。


 魔力を込めて剣を放つ。これに関しては確かに高い威力を誇る。オヴィレスタフォーレに棲む魔物なら、大抵は倒せるだろう。経験はないが、師匠が言っていた。一度くらいは経験を積みたいモノだが、孤児が国外に出るのは硬く禁じられていたし、そんな機会も無かった。騎士になれば嫌でも外に出ると言われているが……。


 魔力を込めて剣を放つというのは、いわば魔法剣とも呼ばれる。残念ながら俺には出来ないし、出来る奴は貴重だ。師匠でも出来ないと言っていた。そもそもそれが出来る奴は魔法が使えるのに剣を選ぶ変人だ。そんな奴と関わっては命が何個あっても足りない。


 大抵は俺がしているように魔力でブーストした筋力で叩き切るのが主流だ。魔法を剣に纏わせるぅ? 確かにロマンはあるしアリシア様が好きそうな題材だが、鉄の剣でやる意味は無いし、比較的魔力伝導率の高い魔鉄鋼でも効率が悪い。魔法剣とかほんとに名前だけの存在だ。もし使いこなせるヒトが居るのなら一度で良いから会ってみたい。打ち合うのは勘弁願いたいが。


 ついでに流派の話もしてしまおうか。剣術にも作法がある。握り方、呼吸の取り方、足の差し方、武器自体の動き、魔力によるブーストのタイミング、そして何より心構え。魔を絶つ意思、ヒトを斬る覚悟、そもそもこの武器は何のために使われるのか。それらを全てひっくるめて流派と呼ぶ。細かく言えばもっと分岐するが、一旦置いといて、俺が扱う流派は……なんだっけ。一番最初に師匠が言っていた様な気もするが、忘れた。名乗る事なんて無いし、例え冒険者になった所でギルドカードに登録するわけでも無い。己の矜持、プライドの為に名乗るのであれば、そんなモノの為に流派の名を使いたくはない。


 まああれだ、師匠の名にあやかって、レギドヴレイとでも呼んでおこう。大事なのは名前ではなく、何の為に武器を振るうか、にある。それに背いた奴は外道だとか、意気地なしとか、罵詈雑言が飛んでくる。とは言え、俺には同じような兄弟子も弟弟子も居ない。破って襲い掛かってくるのは師匠の痛いげんこつだ。それは勘弁願いたい。


 何度か木人に切りかかって大体の回し方を叩きこむ。一つの技を極める。究極の一は否王にして最強だとかそういう世界であれば良いのだが、残念ながらそういうわけにもいかない。属性は古い考えであり、今や適応されるモノではないが、耐性は根強く残っている。スライムを幾ら斬った所で分裂するだけだ。あれは細胞の塊に奇跡的に魔素が溢れ生物となったモノ。植物性であり動物性であり無機物であり、かつ有機物である、魔法と同じくらい不思議な生物なのだ。あれを斬っても意味はない事は解るだろう。


「は、あぁ────────────」


 木剣を下げる。一通りの確認は終わった。次はこいつら片付けて走り込みと筋トレだ。


「…………、やっぱ一人でやるのは寂しいモンだな」

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