第4話 宿屋の女の子は思春期

「こんにちはー」

「あ、お帰りなさい。初クエストはどうでした?」

「バッチリです!」


 お姉さんに採ってきた薬草三種類を見せた。


「確かに受け取りました。確認しますので少々お待ちください」

「はい。んじゃ、座って待ってるか」

「そうだね」


 十分ほど待ったところでお姉さんに呼ばれた。


「お待たせしました。確認の結果、クエストクリアです。それに、どれも高品質のものはがりで、すごいですよ」

「そうだったんですか?」

「ええ。なので、その分報酬も上乗せさせてもらいました。こちらが、クエスト報酬の三十九アイになります。」

「思っていたよりも多い」

「よかったね!」

「そして、こちらがクエスト報酬から六アイ引き、作成したお二人の冒険者証になります」

「おお! これが冒険者証!」

「そこには、クエスト実績やお名前や魔術などの情報が記録されているので、無くさないようお気を付けください」

「分かりました。では、ありがとうございました」

「いえいえ。では、また何かあればいらっしゃってください」


 お姉さんにお礼を言い、俺たちはギルドを後にした。

 よくやく手に入れたぞ冒険者証。なんだか、一気に異世界っぽくなってきた。


「作れてよかったね」

「ああ。これで、他の街に行こうと思えば行けるな。けど、まあ、当分はこの街でお金稼ぎだな」

「そうだね。まずは、お金だね」

「んじゃ、早速、手に入れたお金で何か夜ご飯を食べに行くか」

「うん。お腹空いた」


 思えば、異世界に来てから、今まで何も食べていない。いや、昼ご飯を食べる前に異世界に転移したから、朝食べてからになるな。

 道理で、いつもよりお腹空いているはずだ。


「何食べる?」

「うーん、何あるか分からないし、街を歩きながら探す? あきくんの食べたい物があるなら、私はそれでもいいよ?」

「いや、別にないし、歩きつつ探すか。ついでに今日泊まれる場所も探さないと」

「そうだね、野宿になっちゃっうね」


 森で野宿と言うのも、異世界ぽくていいが、お金があるならちゃんとした部屋で寝たいものだ。

 俺たちは宿や食べる物を探しながら街の中を歩いた。


♡ ♡ ♡


「ふぅー、食べた食べた」

「異世界のご飯も美味しかったね」

「美味かったかな」


 あれから街を歩き見つけた店は、安めで小さな店だ。

 入ってみると、客は数人ほどしかおらず、お世辞にもあまり流行っているようには見えなかった。

 最初、値段は安く、美味しくないのかと思ったが、来たご飯がまたこれが美味しかった。


 なんというのか、知っている味に近いのだが、俺が知ってる食べ物と一致しないそんか味だった。いや、これは、実際に食べてもらわないと分からないものだ。まあ、異世界に来ないと無理だけどね? ははは(殴っ。調子に乗りました、しゅみません……。


 値段は二人で十二アイだ。残り所持金二十七アイだ。これで、泊まれる宿がないかと探していると、『ペルー』という宿を見つけた。

 試しに中に入ってみると、俺たちよりニ、三歳ぐらい年下の女の子と小学生ぐらいの男の子がいた。


「えっと、お店の子かな?」

「はい、そうです! お泊りですか?」

「そうなんだけど、二人でいくらかな?」

「お二人様ですね。何泊泊まるかで値段は変わりますけど」

「あー、そっか。取り敢えず一泊でいいか?」

「うん、いいよ」

「じゃあ、取り敢えず一泊で」

「分かりました。お二人様、一泊で十アイになります」


 よかった、なんとか野宿は免れた。俺は、十アイ支払い、二人部屋に案内しもらい、現在ベッドで寛いでいる。


「いやー、泊まれてよかったな」

「私は、別にあきくんとなら、野宿でもよかったよ」

「いやいや、流石に女の子を外で寝泊まりさせられないって。もし、お金が足りなくて一人だけ泊まれるなら、優奈に泊まってもらうよ」

「あきくん……♡ ううん、もしそうなったら、私は何言われてもあきくんから離れないよ♡」

「そ、そうか。あの、わかったから、迫って来ないで」

「だって、やっと、落ち着いて二人っきりになれたから、沢山あきくんを感じたいの♡ ダメ?」

「ダ……メじゃないけど、下にあの姉弟がいるし、他にもお客さんが」

「大丈夫、私たち以外誰もいないよ。それに、この部屋から声は漏れないから」

「なんでそんなこと分かるんだよ」

「愛の力だよ」

「愛の力……」

「うん、愛の力♡ だから、いっぱいイチャイチャ♡ ラブラブ♡ しようね?♡」

「さ、先にシャワー浴びてからな! 森で走ったり、薬草採取したりして、汗掻いてるから!」


 そう言って逃れようとすると、より優奈は迫ってき、首や体や頭を嗅いでくる。


「すんすん、別に気にならないよ? それに、あきくんの汗なら全く汚くないよ? 舐めたいぐらいだよ?」

「いやいや! と、取り敢えずシャワー浴びてくる!」

「逃げちゃった。もう、汗なんて気にしなくていいのに。そんなに、気になるなら、私が全身舐めてキレイにしてあげるのに。全く、あきくんはいつまで経っても恥ずかしがり屋さんだね。私も一緒にシャワー浴びに行こっと」


 なんとか逃げられたと思い、服を脱いでいると、後ろからむにゅっと抱き着かれ、振り返ると優奈がいた。


「一緒に入ろ?」

「はぁー、うん、いいよ」

「やった! じゃあ、脱がしてあげるね」


 まあ、これは、いつものことだから、今更気にしない。俺は抵抗することなく、優奈に脱がされていく。

 Tシャツを脱がされ、ズボンを脱がされ、靴下を脱がされ、最後にパンツを脱がされる。


「あ、ちょっと大っきくなってる。興奮してるの?」

「そりゃ、するよ」

「ふふ、シャワー浴びたら、シてほしいこと何でもしてあげるね。ね、ね、私も、んっ」

「わかってるよ」


 俺も同じように、優奈の服を脱がしていく。

 服を脱がし、スカートを脱がし、靴下を脱がし、一旦が手が止まる。

 今の優奈の姿は、上下下着だけを纏った状態だ。薄ピンク色のセットの下着だ。


「えへへ、どう? かわいい?」

「超かわいい」

「えへへ、ありがとう」


 下着姿を堪能し、残りも脱がす。ブラを外すと、ご自慢のお胸がポヨンと、まるでよくやく解放されたと喜んでいるようだ。パンツも脱がしていき、シャワー室に入る。


「ふぅー、疲れが流れていく」


 対して疲れたと言うほど何もしていないけど。


「後でもっと疲れを癒やしてあげるからね」

「ありがとー」


 後ですることを考えたら、疲れを癒やすどころか、余計に疲れそうだけどな――良い意味で。


 そのころ、あの姉弟はと言うと。


「はわわ、やっぱりあのお客さんたち恋人さん同士なんだ。一緒にシャワー室に入って行っちゃった。あんな狭いシャワー室に男女二人っきり……なんだか、ドキドキしてきた」


 思春期真っ盛りの年らしく、何かの妄想をし、一人ドキドキしていた。勿論、俺はそんなことを知らない。


「お姉ちゃん? どうしたの?」

「え!? えーっと、な、なんでもないよ。ほら、行くよ。二人の邪魔をしちゃダメよ。きっと、今夜はお楽しみだから」


 その後、シャワーを浴びた俺たちは、部屋でイチャイチャラブラブした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る