第23話 理論的に考えて…まあ私は包括的というか、そういった議論がしたくてですね。異世界と言ってもそういった心構えは捨てちゃいけないなと。


「こ、この森に怪物なんて出ないよ〜!優しい聖なる森よ」

 皮膚の額から汗が流れる。

 この皮膚は本当の少女を殺した後、剥ぎ取って被ったものだ。


 あまり汗をかくと中が蒸して息苦しいが、バレるワケにはいかない。


「おじさん今日仕事無いんでしょう?よかったら、わたしの家でお茶してかない?」

 赤ずきんの格好をした人狼は言った。


「いいんですか?お嬢さん」


「いいよ!今暇だし」

『獲物狩ってる真っ最中なんだがヨォ』


 人狼の誘いにショーンKは快諾する。

「いやあこんな可愛らしいお嬢さんに誘われたら断れないね。ははは」


ショーンKは少女の正体に気付かぬまま、一緒に人狼の住処すみかに向かったのだった。


『コイツは脂が乗っていて美味そうだゼェ…グヘヘヘ』

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