第4章 デート 第1節 第一関門突破

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 先週出会った時間よりも早く、

沙恵さえは駅に着いてしまった。


 すると、改札辺りに人が溢れかえり、

ザワザワしていた。


 (何かあったのかしら?)


 電光掲示板を見てみた。


 小田急線は、信号機の点検のため、

約12分の遅れが出ている、とのことだ。


 南口のバスターミナルを眺めていると、

雨が降って路面が濡れだしていた。


 (雨だ!勘が当たった!)



 次の電車の到着予定時刻まであと2分だった。


 改札でキョロキョロして、

二郎じろうを見つけるなり手を挙げたりしたら、

 二郎を待ち構えていたことがバレてしまう。



 偶然を装う必要がある。



 改札付近から階段を降りて、

駅に近い弁当屋辺りの

細い路地で隠れて待って、

歩いてきたら声を掛けることにした。

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