第4章 デート 第1節 第一関門突破

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 先週、23日、駅から自宅への帰宅途中、

沙恵さえ二郎じろうとばったり再会した。


 初めて2人で、近所の焼き肉屋で食事をした。


 大人になってから、初めて2人で喋った。 


 その時以来、沙恵は二郎のことを、

単なる幼馴染とは思えなくなっていた。

 


 「また会って、会話してみよう。

 そして、

二郎への自分の気持ちを確かめたい。」

 


 9月30日金曜日。


 沙恵は最寄りの渋沢駅で、

偶然を装って待ち伏せすることにした。


 先週、二郎と会ったのと同じ時間に

同じ場所に着くタイミングで

家を出ることにした。


 金曜日は、

塾講師のアルバイトが休みなので、

ボランティア先の『ひばりの家』から

まっすぐ家に帰ってくるはずだ。



 天気予報では降水確率が

0%だったにもかかわらず、

”山の天気”で、

いきなり雲行きが怪しくなってきた。


 沙恵は折り畳み傘を

常備しているにもかかわらず、

折り畳みではない、

大きい水色の傘も持って駅に向かった。

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