第2章 再会  第2節 楽しい食事

6


 「二郎じろうってさ、筑波大学医学部に、

現役合格したんだよね。すごーい。」


 「なんとか、きっかり、

6年で卒業できたよ。」


 「確か…踏み込んだ話で

申し訳ないかもだけど…奨学金しょうがくきん…だったよね。」


 「うん。その制度があったから、

通うことができたんだけどね。」


 「あたりまえの話だけど、

卒業した今も、返していってるんだよね…

あのね、実はね…。」


 沙恵さえはそう言うと、

バッグから銀行の通帳を出して、

60億円の振り込みの記載があるページを開けて

二郎に見せた。


 「…!」


 数学が得意だった二郎は、

瞬時に正確に数値を読み取った。


 右手で口を押えながら絶句した。


 「何これ…60憶…どういうこと?」

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