777文字ピッタリに整えられたMACKさんの手腕が光る今作。気軽に読めるだけでなく、お題の「本屋」を使ったギミックと練り上げられた設定が本当に面白いです!短い文面の中で交わされるお嬢様と執事の会話、気心知れた二人の会話は何気ない日常の一幕……の、はずなのに、そこに込められた甘く熱した思いを感じました。777文字の縛りで詳細に書けないからこそ味わえる物語への考察。彼女の想いは、彼の真意は、物語の続きを想像してしまう話作りには圧巻です。すぐに読めて、温かい読了感を味わえるおススメの短編です♪
お嬢様と執事。と聞いてこれはと前のめりになってしまう方、間違いありません。五人の殿方の求婚に「本屋を用意して」とまるでかぐや姫の如く難題を出しますが、一見我儘に見えてその意図は……?届いて欲しいお嬢様。切なさぎゅいんと感じる777字の恋の草子です。
するすると読み終えて、『え!嘘、もうおしまい?』となること間違いなしのお話です。お嬢様と執事の会話のみで綴られていく物語。お嬢様の思いは、そしてそれを聞いている執事の言葉は?短い話だからこそ、浮かび上がってくるのは彼ら二人の言葉の意味を思い、行間を楽しむ事。果たして彼女の願いは、大変に気の利く執事の思いは?余韻と想像力を大いにくすぐられる素敵な作品です。ぜひ皆様にもご堪能いただきたく思います。
KACのお題である「本屋」を効果的に使ったお話でした。ここで綴られているのはほんの一場面だけですが、そこからでもお嬢様の境遇と幼い頃から一緒にいる執事との関係性が見えてきます。短編ですが、語られない空白にも想像力が掻き立てられるお話でした。しかもこちらの作品、なんと規定に沿った777字ぴったり! 仕掛けに驚き、物語の密度に驚き、そして規定の通りにまとめあげる技量にも驚いたお話でした。物語の余白に、あれこれ想像を張り巡らしたい方におすすめの短編です。
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