第38話

色々散々な夏休みが終わり、また学園に通わなくてはいけない憂鬱な感じで、トボトボとイーナと歩いて学園に向かった。


学園内に入り、教室に入ると俺の噂で持ちきりになっていた。


「ねえ、聞いた?あの子エリス様の婚約者をたぶらかすために、ミニスカのメイド服を着たって」


「え、まじ!?」


「後、あの子獣人に堕ちてたらしいよ」


「うわ〜あの子が触ったものとか触らないでおこ」


っと、生徒会の人しか知らない事が噂で広まっていた。


「変な噂が広まってるわね」


「そ、そうだね」


嘘では無いので、強く否定出来ない。


もう慣れたので、教室で荷物を置き一息つくと、俺の方に向かってくる短髪でまあまあイケメンの一人の男がやって来た。


「おい、お前がルッチだな?」


「そうだけど」


「俺の嫁になれ」


「嫌です」


急に俺の嫁になれと言われてビックリしたが、すぐに断った。しかし、俺の手を引っ張りどこかに連れて行こうとして来た。


「俺はダール公爵の貴族だぞ!!お前に拒否権はない。俺の言いなりになれることを光栄に思うがいいぞ


「や、やめろ!!」


抵抗をするのだが、力の差で俺の方が部が悪く、どこかに連れていかれそうになった。


「やめなさい!!この学園では皆平等が決まり。ルッチは嫌がっているんだから離しなさい!!さもなくば、私のお母さんに言って貴方を退学にしてもらうわよ!!」


「わ、分かった。」


イーナが止めに入って、公爵の手を解いてくれた。

公爵も学園を退学にされると、親に縁を切られ公爵の立場を無くなってしまうので、諦めてどこかに行ってくれたが、また来るのでは無いか少し怖いと思う。


「ありがとう、イーナ」


「うん、友達だからね」


そんな感じで、授業が終わり放課後になった。

イーナは部活に、俺は生徒会に行こうと歩いていると、後ろから誰かに着いてこられている気がする。


少し早歩きをすると、後ろの人も早歩きをある。


そんな感じで、生徒会に向かうと生徒会室前でエリスに出会った。


「あら、私の婚約者をたぶらかそうとした人ではないかしら。」


「な、なんですか」



急にいちゃもんをつけて来た。


「貴方、生徒会のお茶が無くなったのでお茶っ葉を取ってきてくれないかしら」


「まあ、それぐらいなら」


エリスに頼まれて、お茶っ葉がある生徒会が物置として使っている部屋に行き置お茶っ葉を取りに行こうとするとやはりまだ着いてくる。


少し走り逃げ切れるかやってみると、あっさり逃げ切れる事ができた。


お茶っ葉のある生徒会の物置部屋にも付き、さっさと生徒会室に帰ろうとお茶っ葉をとり戻ろうとすると、先ほど俺に嫁になれとかよく分からないことを言ったダールが出入り口を塞ぐように立っている。


「あの、どいてくれませんか?」


「お、お前が悪い!!公爵の俺を断り、恥をかかせた。ここで、お前に復讐をする!!」


「え、なに!?」


急にダールが俺の方に近寄り、俺を逃げられないように隅に追いやられてしまった。


「グ...なんなんですか!!」


「お前が悪い、お前が悪い」


何かバグったように同じ言葉しか発しなくなった。

手に持っていたお茶っ葉が入った入れ物をダールの頭にぶつけるのだが、全然止まる気配がない。


前にもこんな事があり、前の記憶がフィードバックして来た。怖くて声が出ない。


心の中で(怖い、助けて!!)っと叫んでいると、物置の入り口に誰かがいる。


「おい、お前!!俺の生生徒会委員に何を手を出そうとしている!!」


っと生徒会長が来てくれた。

生徒会長がダールを殴り飛ばし俺のことを助けてくれた。

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