第十八話 って、つい先日デパートに行ったけれども
「や、やあ」
「おはよう」
「お、おはー」
今日は若稲とデパートへ行く日なのである。駅前で待ち合わせ。
若稲は赤中心のチェック柄長そでシャツ。白い長ズボン装備だ。そういえば若稲の私服って、全然見たことないなぁ。宿泊学習とかであったくらい?
そして腰にピンク色のポシェット装備。肩や腕が自由なのは、いつでもバトルポジションを取れるからとか……? 髪がたなびいていて、いつもよりかっこよさが上昇している。いや普段から常に高い数値だけど。
僕は水色の厚手の長そでシャツに、黒の綿パン。この前と同じ黒色の小型リュック。似たようなのばっかりだけど、まぁいいじゃん。
「行こうか」
「おぅっ」
……なんか。勢いで若稲と遊ぶことになったけど……若稲って、男子とよく遊ぶのだろうか?
電車の席に座った僕たち。今回の座席は、普通の横に長~いタイプ。赤色でふかふか。
日曜日だけど、それなりに乗客がいる感じ。座るのは余裕だったけど。
「若稲って、男子と遊ぶこと……多い?」
気になるので聞いてみた。
「六場と遊んだのが、小学生以来だ」
「ぇ、中学初めて男子と遊んだのが、あれ?」
「そうだ」
なんとまぁ。そんなレア瞬間を、僕が作ってしまったとはっ。
「ど、どうだった? てか何した?」
「ビリヤードというのをしに行った」
「よ、よりによってビリヤードぉ~?!」
説明しよう! ビリヤードとは、白い手玉を
初心者さんは、ピンチになったら、ぜひ
でも上級者さんが使うとかっこいいんだぞ!
「なかなか玉に棒が当たらない。当たっても浮く。六場もよく失敗していた」
(な、なんでビリヤードにしたんだろう……)
僕も別に、六場がビリヤード得意です情報なんて、聞いたことないし……。
「他には?」
「ケーキ屋に行った」
六場、いろいろ策を練っていたんだな。
「そこではどうだった?」
「すぐにケーキを倒していた」
あ、味は一緒だし! うん!
「他は?」
「それだけだ。また次も遊ぶことになった」
うむ、充分の戦果である!
「道森は、女子とよく遊ぶのか?」
あ、今度は逆パターン。
「……んまぁ。それなりには?」
「だれとよく遊ぶのだ?」
(結依ちゃんです!!)
って、ここで答えるべきなのかどうか……って、そんな別に、隠すようなほどでもないような……せっかく若稲が聞いてきているんだし。
「結依ちゃん~……かな」
「そうか」
なんでそこでちょっと表情和らいでんですか若稲さん。
「今日は呼ばなかったのか?」
「……ん?」
ちょっとだけウェイト。
「よく遊んでいるのだろう?」
「まあ、う、うん」
もうちょっとだけウェイト。
「呼ぼうか? 私も会ってみたい」
お? なんか急展開?!
「じゃあ~……駅着いたら電話してみよっか」
「ん」
若稲の、んが本日も展開。
さあ、デパートが改札を出るところからすでに見えている、こちらの駅へやってきたぞっ。
僕らの最寄り駅よりも大きい。駅の出口がふたつある。
「よし、電話だ」
テレホンカード出してっと……え、電話番号はって? とうの昔に暗記したぜ。しゅぱぱぱっと。
呼び出し音が鳴り~……
『はい。早苗です』
「俺だ俺俺俺だったら俺俺あ僕ですいつもの僕です」
よし。本日も先制で笑わせることができたぜ。
『なに?』
「実は今、デパートの前に若稲と二人でいるんだ。若稲も結依ちゃんと遊んでみたいって話になったから、もしよかったらどうかな~、なんて」
六場の話から始まって、まさかこんな展開が待ち受けていようとはっ。果たして結依ちゃん本日大丈夫なのかっ?
『うん、行く』
キタァー!
「じゃ、じゃあ~……そうだなぁ~……」
この前京香ちゃんと行ったときのことを思い出して~……
「フードコートで、真ん中らへんに冷水機があって、その近くに~……十一時半以降に座ってるから、それでどう?」
一瞬、フードコートが改装されたことを結依ちゃんが知っているのかどうかと思ったけど、もう言っちゃった。
『うん。フードコートに行く』
「それじゃ~……そんな感じで」
『うん』
いつまで~も結依ちゃんのうんは聴けるけど。
「あ~トンネル入る~電話切れそうだ~プツッツーツーツー」
僕は受話器を下ろした。たぶん結依ちゃんは笑ってくれているはず。
「記憶力、いいのだな」
「ま、まあね」
ということで、僕と若稲はデパートへ向かって歩き出した。今日は雨降ってない。
「若稲はここ、よく来る?」
「ほとんど来ない」
「家族とかとも?」
「父さんは遠くへ出かけることが好きだ。もっと遠いデパートに行くことならある」
「へー」
「そこなら、大きいサイズの服も置いてある」
「な、なるほど。あーでもたしか、このデパートにもあった気がする。大きい人向けの服屋さん」
「本当か?」
「ああ、えっとー……ほらここ。三階だ」
入口近くにある案内板をチェック。
「行ってもいいか?」
「ここまで来て行くなって選択肢ないない」
ということで、僕がデパート店内へと歩き出すと、若稲もついてきた。
大きい服屋さんまでやってくると、おお店員さんもなかなかに大きい。
「こ、ここは……」
おおっと若稲、口を開いている!
僕は大きいサイズのことには詳しくないけど、ここは特に大きいサイズの女子用の服を扱うところらしい。いろんな柄のとか、フリフリヒラヒラしたのとかもある。
ちなみに隣のお店は大きいサイズスポーツ用品店。さらに隣は大きいサイズ用アウトドア用品店。さらにさらに大きい靴屋さんもあるしで、ここらへん大きいストリートである。
「見る」
「どうぞどうぞ」
まだ着いたばかりなので、集合時刻はまだまだ先。
若稲のおめめが輝いている気がする。
なんだか店員さんとも盛り上がっている若稲!
店員さんのセリフから「わかりますぅ~おでこぶつけちゃいますよねぇ~」とか「猫背は永遠の悩みですよねぇ~」とかとかで盛り上がっている模様。別に若稲姿勢悪くは見えないんだけどなぁ。
「ありがとうございましたぁ~!」
ぶっ。若稲ちょっとにやついてるっ。お店の名前がプリントされた紙袋を持って、外に出てきた。
あ、ちなみに僕も少し中をのぞいていた。見たことない文字列のサイズ表記があった。
「若稲が行ってた、遠いデパートの服屋さんも、こんな感じ?」
あ、首を横に振っている。髪もお元気。
「いい感じ……だったようだね」
今度はうなずいてる。
「連れてきてくれて、ありがとう」
ぐはっ。若稲のド直球お礼……効くぅ……!
「お、お役に立てられて、これ幸い……」
「後で靴も見ていいか?」
「もちろん。結依ちゃん合流して、ごはん食べたら行こうか」
「楽しみだ」
うきうきしている若稲。今日はなんだかいい日ですなぁ。
ちょっとだけぶらっとして、集合時間が近づいてきていたので、フードコートにやってきた。
相変わらず十二時前でもこの人気っ。お、よしよし冷水機近く空いてた空いてた。
「水、飲むか?」
「いただきまーす」
若稲がプラスチックコップに、水を入れてきてくれるようだ。
う~ん。改めて見てみても、別に猫背なんてないけどなぁ。
「ん」
「いただきまーすんぐんぐうまい」
水を持ってきてくれて、向かいの席に座った若稲。あんまり給食の席でも、向かい合わせになった記憶ないなぁ。
「あんないいところがあったとは」
「若稲がここ全然来てないことが、意外だったよ」
よほど気に入ったようである、大きいサイズのお店。
「父さんに、たまにはこっちにも来るよう言っておく」
「ぜひぜひ」
水うま。
「なるほどなぁ。向こうの店は、ここほどデザインが豊富じゃないのかー」
「色と合うサイズはあるが、柄は多くない」
「今着てるそれも、そこで買ったやつ?」
「いや、別のところだ」
「結構いろんなとこ行」
「だーれだ」
「ひょほうひょおひょわーーー!!」
突如視界がまっくらに! でもこの細い指さんたちは! てか僕に直接攻撃を仕掛けてくる細い指さんの持ち主といえば! てかてか直接攻撃仕掛けてきてんのぉー?!
「ゆゆゆ結依ちゃんに一票投じておきまーす!」
視界確保ー!
「こんにちは」
「ぜーはーぜーはー」
「こんにちは」
振り返ると、そこには白い長そでブラウスに、薄ピンクのベスト・薄茶色なスカート・よく見る赤い小型のカバン装備の結依ちゃんがいたっ。
そして僕の右隣の席へ座る結依ちゃん。ああ僕はリュックを自分のイスに掛けていたけど、若稲は買った服を隣の席に置いてたもんね?
「てか僕の後ろに立ってたなら、若稲見えていただろう?!」
「教えるなと、指で合図があった」
「ぐぬぬ結依ちゃんめぇ~!」
うわ~結依ちゃんめっちゃ笑ってるから超許すー!
「乃和ちゃん、買ったの?」
お、笑いが収まってきた結依ちゃんが、早速紙袋をロックオン!
「服」
じわっと顔ほころばせる若稲。
「大きい服屋さん、あるもんね」
「でも若稲、今日まで知らなかったってさ」
「そうなの? ここにできて、結構経っているよ?」
「父さん、連れてこなかった」
「そうなんだぁ。大きい靴屋さんもあるから、これから来られるといいよね」
さすが結依ちゃん。デパート事情にお詳しい。
「結依ちゃん、ごはん食べた?」
……今思えば近いな結依ちゃん!
「ううん、急いで来た」
「よし。腹が減っては
「うん。乃和ちゃんは、食べたいの決まっているの?」
今さらだけど、乃和ちゃん呼びなんだな。女子同士は、下の名前同士で呼び合うのが多そうだ。
「どれもおいしそうだ」
くいしんぼ乃和ちゃん。
「雪忠くんは?」
「この前カレーうどん食べたし、その時今度ラーメンだなって言ったし……ならばと今日は……」
僕は知っている。うどん屋さんの横に……
「そばだっ!」
そば屋さんがあることをね!
「じゃあ私も、そば食べる」
「気が合いますなぁ」
「私もそうしよう」
「気が合いますなぁPART2」
「へいお待ちぃ! カレーそば大盛りね!」
「いただきまーす」
カレーうどんに対してカレーそばってあるのかって? あるんだなあこれがっ。
ほんと、カレーうどんのカレーにそばが入ってる物。もちろん隣とはお店が違うので、こっちのカレーもまたよいのだようんうん。あ、もちろん天かすとねぎ入れちゃうよ。
「へいお待ちぃ! カレーそばね!」
「ありがとうございます」
僕がカレーそばを選んだら、結依ちゃんも選んだ!
「カレーそば、食べたことある?」
「ううん、初めて」
なんだかにこにこしております。
「へいお待ちぃ! カレーそば大盛りね!」
と来たら若稲もぉ!
「てーをーあーわーせーまーしょう」
ぺったん。
「いーたーだーきーまーす」
「いただきますっ」
「いただきます」
ちゅるちゅる。
「んまい! カレーうどんもいいがカレーそばも外せねぇぜぇ!」
「おいしい~」
お。わかっていただけましたか結依さんよ。
「おいしい」
わかっていただけましたか若稲さんよ。
うどん屋さんのカレーとは、またちょっと違うんだよな。少ぉーしこっちの方がからいかもしれない。そこに合わさるそばとのコラボレーション……いい。実にいい。
学校の給食って、なんでそば出ないんだろう。あ、アレルギーとかそういうの?
「京香ちゃんによると、周りの友達はカレー被弾するの気にするのかも~、とか言ってたけど、二人はカレーうどんとか平気なタイプ?」
って聞きながら、二人めっちゃちゅるってますけどね。
「私は気にしないかな。おいしいの食べたい」
「さすが結依ちゃん」
いつもおいしそーにごはん食べるもんね。
「私も気にしない」
「さすが若稲」
若稲大盛りとは、実によろしい。
「雪忠くんは、気にしなさそう」
「漢は食べてなんぼのもの!」
んまいわぁ~。
「乃和ちゃん、いつもいっぱい食べるの?」
「食べないとやっていけない。特に朝はよく食べる」
「私は朝、あんまりたくさんは食べられないなぁ」
……思ったんだけど。結依ちゃん、女子同士だと、結構しゃべる派?
「よく食べるって、朝はどんなの食べてるんだ?」
「納豆は必ず
「ええっ?」
「
「これと同じくらいのそばを食べる日もある」
「あ、朝から?」
「果物もあれば食べる。ヨーグルトもあれば食べる」
「ひぇー」
若稲の知られざる一面がっ。
「給食、足りなくないか?」
「足りない。だから朝たくさん食べる」
「そ、そういうことかぁ……」
そりゃ腕相撲強いかもねウッウッ。
「んで出たよパフェ!」
カレーそばを食べ終えた僕たちは、ごちそうさまをしたんだけど、やっぱり女子勢力は、奥義デザートは別腹を発動。
結依ちゃんは、プリンアラモードというものらしい。
じゃパフェはだれかって? 僕の向かいに座っている若稲さんですね。うわ~アイスクリームがいちにーさん、みっつ乗ってる? バニラとチョコとストロベリー?
他にもいろいろ乗ったり突き刺さったりしている。
「乃和ちゃん、デザートもいっぱい食べるの?」
「アイスクリームはめったに食べない。家にない。今日は特別だ」
「い、家にない、だと……? これから夏が始まるけど?」
「外で食べるときには食べていいけど、家には置いていない」
「……聞きましたか早苗さん? 夏なのにおうちにアイスないらしいですよ?」
「私だったら、お父さんとお母さんにお願いしちゃうかも」
結依ちゃんのお願いならいっぱい聞いてあげる!
「家ではあまり食べたいと思わない。こういうところだから特別おいしい」
今の音声録音して、そこのお店の社長さんに聴かせてあげよう。きっと喜んでくれるよ。
「雪忠くん。食べる?」
む!? その提案はまさか?!
(結依ちゃんのお誘いを断ることなんて、僕にはできない! ……がっ! しかし!)
「あ、う、うん」
「はい」
他にスプーンなんぞあるわけなく……!
「い、いただきます……」
すっと差し出してくれた、ガラスの器に盛られしプリンアラモード……。
大きなプリン。多数の生クリーム。さくらんぼ。下には……ブラウニーっていうやつだっけ……? ただのスポンジケーキ? よくわかんないけど、そんな感じ。特にクリーム盛り盛り。
結依ちゃんがすでにぱくぱくしていたけど……じゃあ、この反対側の辺りを……
(……本当にこのスプーンでよろしいのでしょうか?!)
って結依ちゃん見てる見てる。早く食べなくては。
(ぬえぇーい! ままよままよー!!)
僕はプリンと一緒に生クリームも、銀色のスプーンですくって、た、食べた。
「うま」
結依ちゃんにこにこしてる。
「ありがとう、ございました……」
僕からも、すっと結依ちゃんにお返しした。
「おいしいね」
「う、む」
そして結依ちゃん。そのスプーンで食べる。
「これも食べるか?」
「ひょ!」
若稲からも提案がっ!
「アイスクリーム、おいしいぞ」
「あ、お、おぅ」
(女子とここに来ると……やばい)
今のところ、フードコート改装後に来てから、女子とのシェア率100%なのですけれども……。
ぼ、僕だけが緊張しているのか?! 女子は別に男子と同じスプーン使うことに緊張することねぇのか!? 僕だけなのかぁーっ?!
「おいしかった。ごちそうさまでした」
パフェに比べたら小さい器だった結依ちゃんが、プリンアラモードを食べきった模様。
若稲はパフェとの戦闘続行中。なんとまぁおめめが輝いていることか。
「デザートは別腹?」
「うん」
やはりその理論は、万国共通な模様。
「結依ちゃんは、よく食べる人?」
「中学生になったくらいから、もっと食べるようになったかも。昔はあんまり食べられなかったよ」
「成長期~っていうやつ?」
「かもしれないね」
結依ちゃんとは、おうちで会うことがほとんどだけど、やっぱ外もいいな。
「雪忠くんは、昔から大盛りだったよね」
「漢は食べてなんぼだぜっ」
結依ちゃんと同じく、特に中学生になってからは、もっと食べられるようになったかな。
「おいしかった。ごちそうさま」
コーンフレーク一粒も残ってねぇ……まさに文字どおりのぺろり。
「お腹いっぱい?」
「いっぱいではないけど、満足だ」
「いっぱいちゃうんかいっ」
でも本人が満足というのならばよし!
その後僕たちは、話にあったとおり、大きなサイズの靴屋さんへ行った。
ここは男子物女子物どっちもありって感じっぽい。おめめ輝かせていた若稲はもちろん、結依ちゃんもわーわー言ってた。
僕と結依ちゃんは「おっきいねー」「そだねー」といった感想をよく言っていた。
靴も一足、入手したらしい若稲。さらについでに、大きなアウトドア用品店というのも見てみることに。
中でも、キャンプに使うらしいイスを試しに座ってみた若稲の感想、「このイス疲れない!」が印象的。
若稲でも余裕すぎる高さのテントまであった。もはや要塞。
ひょっとしたら、若稲の新しい趣味がここに誕生……?
大きいストリートにもっと入り浸っていてもよかったんだけど、結依ちゃんサイズも見るということになった。
いわゆる普通の女子向け服屋さんだけど、サイズ大きめのを少し取り扱っているコーナーを発見するや、早速手に取ってみていた若稲だった。
結構大きめサイズのデザイン重視な服って、あるものなんだなぁ。若稲は探すのに苦労する話をしていたけど。「特に私の場合は肩幅」って言ってた。
「また行こう」
「またね」
「じゃなっ」
若稲は晴れやかな表情で去っていった。
僕らの最寄り駅にまで帰ってきたところで、若稲とは別れた。駅前はこっちだってにぎやかなんだぞっ。
では結依ちゃんは~。
「……じゃあ、行こっか」
「うん」
一緒に帰ります。
「初めて若稲と遊んだけど、今日だけでいろいろ若稲の謎が解明されたなぁ~」
「乃和ちゃん、楽しそうだったね」
「よっぽどあの大きいストリートが、お気に召したようだっ」
右隣に結依ちゃん。デパートでは若稲を交えてのテンション高めだったから、なんだか今、ゆったり感がやってきている。
駅前からちょっと歩くと、辺りも少し静かになって。そこでさらに結依ちゃんなんだから、もうゆったり感がほらほら。
「雪忠くんも、楽しそうだった」
「そりゃ二人が楽しそうだったら、釣られて僕も、さ?」
ああ笑顔の結依ちゃん。いい。
「私は、雪忠くんと一緒だったら……いつでも楽しい」
ああ……いい。よすぎる。ほんといい子ですねあなたは。
「も、もちろん僕も。結依ちゃんと一緒なら、楽しすぎ」
この世界に結依ちゃん誕生してくれて、ありがとうございます。
「そういえば……乃和ちゃん、どうして雪忠くんと一緒だったの?」
「ん? んぇーっと、六場が若稲と遊ぶことになって、僕とは別に日に遊ぼうってなって、今日一緒に電車乗ったけど、結依ちゃんと遊んでるって話をしたら、若稲から召喚の儀を提案されて……ああなった感じ?」
うん。そのまばたきなるよね、この説明だと。でもこういう流れなんだよぉ。
「……私も雪忠くんと、電車に乗って、お出かけ……したいな」
「今日すでに……?」
ちょっと笑った結依ちゃん。
「デパートも、また一緒に行きたい」
「も、もちろん、喜んで」
ということで、結依ちゃんともまた行く日がやってきそうである。
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