第十七話  今日はデパートでごはん食べましょう

 今日は京香ちゃんからのお誘いであった、デパートへ。改装したフードコートへ食べに行く、という日。

 ちょっと雨降ってる日だけど、デパートだから問題なしっ。別に土砂降りっていうわけでもないし。

「来ちゃったねぇゆっきーちゃーん!」

 デパートにとどろきしゆっきーちゃん。今日の京香ちゃんは、長そでのえり付き薄紫色のシャツ・ひざ上くらいまでのジーパンみたいなの・小型の赤色リュック装備。くまさんストラップみたいなのも付いてる。

 傘は黄色にはちさん。デパート入口に設置されている、差し込めば自動で包まれるビニールが装着されている。

 そこへさらに薄水色のベレー帽みたいなのも装備。京香ちゃんは帽子派っとメモメモ。

 僕は薄茶色の厚手の長そでシャツに、ジーパン。小型の黒色リュック装備。傘は紺色。もちろんビニール装着。結構装備似てるかも?

「早速食べるぅ?」

「もう?!」

「お昼時だと混んじゃうかもだよー?」

「む。なるほど。じゃあ行こう」

「よーっし!」

 フードコート改装したところなんだし、混み混みなんだろうか。


 このデパートは、僕たちの最寄りの駅から三駅、電車に乗ったところにある駅の前に、ででーんと建ってる。電車の会社がここも運営しているみたい。

 駐車場込みのでっかく六階建て。渡り廊下を使えば別館にも行ける。僕らの周りで、来たことない人はいないんじゃないかというくらい名物。

 僕らは今日みたいなときには電車で来るけど、家族と一緒に車で来る~っていう人が、多いんじゃないかな。


「うわぁ~!」

「おー変わってる~」

 席の数増えた!? なんていうか、曲線重視! みたいな? 窓から外を見ながら食べられる席が、増えている気がする。

 まだ十二時になってないけど、早速食べている人いっぱいだ。さすが京香ちゃんだぜ。

「どれ食べるどれ食べる~?」

「ん~」

 僕たちは案内板をじろじろ。この案内板もつやつや。

「……久々にカレーうどん!」

「いいですねぇ~。聞いたらあたしも食べたくなってきたぁ~」

 僕が催眠術を会得えとくしたら、京香ちゃん操れまくりかも?

「ここのカレーうどん、カレー多くていいんだよなー」

「わかるぅ~具も多いしー。ってもうカレーうどん以外食べられないよ! いこゆっきーちゃん!」

 なんだかうどん屋さんの回し者みたいになっちゃったけど、僕たちはうどん屋さんへ向かうことにした。


「へいよぉカレー大盛りお待ちぃ!」

「ありがとうございまーす」

 天かす乗せちゃえねぎ乗せちゃえへっへっへ。

「へいよぉこっちもカレー大盛りお待ちぃ!」

「わーい!」


「手を合わせましょう」

 ぺったん。

「いーたーだーきーまーす」

「いーたーだーきーまぁーす!」

 ゆくぞ! ちゅるちゅる。

「んまいっ」

「んいふぃー」

 白色のテーブル。銀色のフレームで、座るところは白いイス。京香ちゃんと向かい合わせに座って、お互いカレーうどん大盛りを食べる。さっきプラスチックのコップ二人分に水を入れてきたから、戦闘体勢ばっちりだっ。

 このとろっとあつあつで、いい感じの濃さに、京香ちゃんからもお褒めのお言葉があったように、具もいろいろあるし。なんで刻んだあげがこんなに似合うんだろう、カレーうどんって。


 ……一心不乱に? 僕たちはカレーうどんをすすり続け。

「……んぁ~。おいしかったー」

 余は満足じゃ!

「……ふはぁ~! 食べたぁ~!」

「手を合わせましょう」

 ぺったん。

「ごーちーそうーさーまーでーしーた」

「ごーちーそうーさまでしたあ~!」

 京香ちゃんも満足なご様子。よかたいよかたい。

「やっぱりゆっきーちゃんと来て正解だったよぉー。うどん屋さんのおいしさ、健在だねぇ!」

「たま~にむしょ~に食べたくなるんだよなぁ」


「んふ~」

「なんと!」

 京香ちゃんが追加ご注文なさったのは、チョコレートアイスが乗ったパフェだった!

「これが食べたかったのだ~」

「大盛りカレーうどん後のパフェ……強者つわものだなっ」

「デザートは別腹~」

 科学的にほんとらしいね、デザートは別腹って。

「いただきまぁ~すんむおいひ~」

 左手をほっぺたに当てながらおいひ~アピール。おめめ超輝いてる。

「はいゆっきーちゃん。あーん」

「んぁ?!」

 チョコレートアイスが長い銀色のスプーンの先にスタンバられ、僕に差し出されている?!

(こ、これ、いや、あの、きょ、京香ちゃん?!)

 だがここであたふたっていては怪しさ満点!

「いただき、まーす……」

 替えのスプーンなどもなく、そのままさっき京香ちゃんがいただきまーすしたスプーンのまま、僕もチョコレートアイスをいただきまーすさせていただきました……。

(か、感想感想……)

「濃くてよろしいかと」

「だよねぇ~! 改装と一緒に新しくできたんだよ! ついにここに来たーって感じぃ!」

 テレビテレビジョンとかでも見たことがある、話題のお店だけはあるなぁ。味が濃い感じ。主に女子勢力による、注文者が常に来ている感じだし。

(ってぇ京香ちゃあーん……)

 なにも感じないのか!? なにも感じないのかあっ?! 今も普通にパフェつついてますけどぉ?!

「きょ、京香ちゃんは、女子友達と一緒に来ないの?」

 なにか話題話題。

「来るよ?」

「おぅ」

 三文字で終わった。

「でもみんなカレーうどん選ばないなぁ。服汚れちゃうからかな?」

 見た感じ、京香ちゃんは服に被弾なく、カレーうどんを完食したっぽい。

「ここに来てカレーうどんが候補から除外とは……せぬ」

「おいしいのにね~」

「あのお店の他のうどんも食べたことあるけど、僕はカレーうどんがいちばんだっ」

「あたしもそうかも~!」

 フッ、気が合いますな。

「ゆっきーちゃんは、よく来るのー?」

「家族と来ることがほとんどかなー。友達と電車乗ってなんて、めったにないよ」

「学校から直通バスとか出ないかなー」

「超人気出そう」

 そのバス学生で混んでそうだ。

「はいブラウニー。あーん」

「んぉ!?」

 またあーん攻撃来た!

(ぬぇーい、ままよ!!)


「この前お姉ちゃんが、ゆっきーちゃん実験まとめるの上手だったって、言ってたよ?」

「そ、そうかなあ?」

 理科の授業のお話だな。

「結構僕のことを、家でしゃべることもあるの?」

「たまにあるよ? だから久しぶりにゆっきーちゃんと遊びたいって思ったー」

「な、なるほど」

 僕は姉ちゃんに、学校の話なんて、そんなにした覚えがないけどなぁ。歳ちょっと離れてるし。

 ちなみに、僕のおうちに結依ちゃんが来ているので、姉ちゃんとも会ったことがある。

「また一緒にごはん食べに来よ!」

 明るい表情の京香ちゃんから、またお誘いが。

「ああ、ぜひ。次は……ラーメンだな」

「いいねぇ~! 食べたくなってきたぁ」

「食べすぎ食べすぎ」

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