最強クリーチャー委員長2

「お待たせー!待ったーー??」


「いや、待ってないけど」


「そっか!」


とりあえず最寄りの海老名駅の相鉄線前に集合した。

にしても今日は危なかった…


集合11時、起床10時50分。

本当は朝ごはんから何まで準備しないとだけど、朝ごはんは食べなくていいし目覚ましは自分に呪文唱えれば結構どうにでもなるし。

着替えは生成すれば一瞬で、移動は身体強化使えば疲れないし早い。

『異空間移動』は自分には打てないので、ちょっと不便である。


「よし!じゃあサイゼ行こ!!」


あ、今思い出した。

俺飯食わなくてもいいんじゃん!!

フツーに金使わなくても良い体なのにめっちゃ節約できるからいいねとか思ってたわ。


まぁしばらく食ってないしたまには食べるか。


「何名様ですか??」


「2人です!」


「かしこまりました〜。どうぞ〜。」


席まで案内された。

ちなみに言っておくと、謎の緊張で身体ガッチガチになってる。

ってか委員長(ボス)ずっとスマホいじってんだけど。なんか話した方が良い感じ?これ。


「んーーー。」


委員長(ボス)が唸り始めただと!?


「ど、どうかした?」


「いやー、フリーWi-Fiが全然繋がらなくてさー。苦戦してんだよねー」


あー、たまにあるよね。なんかフリーWi-Fi調子悪くなる時。


「普段は使えるんだよね?」


「全然使えるよーー」


もしかしたら、使っている人が多いのかもしれない。

それなら範囲呪文で、ここにいる客全員に自分の回線を使わせよう。


「あ!来たーー!!」


「よかったじゃん」


委員長(ボス)にだけ効いてない。やっぱり委員長(ボス)には何か特殊な能力があるんじゃないのか?


「君は何頼む?」


あ、そっか。考えるばかりでメニュー頼むことをすっかり忘れていた。


「ミラノ風ドリアかな。」


「奇遇だねぇー?私もだよ!」


「ふ、ふぅーん。そーなんだ。」


いや、ミラノ風ドリアって結構人気だから被ることなんかザラにあるだろ。


それより、呪文が効くかもう少し試さなきゃだな。

かかっちゃったら申し訳ないけど、試すなら『食欲低下』、『吐き気(弱)』くらいかな。


早速唱えるが、特に変化は見られない。


サイゼリアはメニューが届くのが早いか遅いかでいうとって聞かれるとちょっと難しいところがある。早いわけではないが遅すぎるわけではない。

呪文が切れるのはせいぜい1時間後だから特に問題はないのだが、メニューが届くまでの間の時間が長ければ長いほど、この地獄の空気感が漂ってしまう。


沈黙が流れる…。

何とか、時間を埋めなければ。


「よ、良くくるの?サイゼリア。」


「ん?あーぼちぼちかなーー。」


「あ、そーなんだ。」


あ、終わった。ちょっと、あっちも話すの苦手なんじゃない!?誘ってきたのに全然話しかけてこないんだけど!

ずっと少し俯いて、、何か悩んでいるのか?


もしかして呪文が本当は効いていたんじゃないのか!?


だとしたら結構辛いはず。調子にのって結構嫌な呪文をかけちゃったからな。

解いてあげたいけど、どうしても試さなければいけない。


「お待たせいたしましたーー」


ナイス!!


「ありがとうございます!」とメニューを受け取る委員長(ボス)。果たして呪文は聞いているのだろうか。


「いただきます!」


そういうと委員長(ボス)は何なくミラノ風ドリアを口に運ぶ。


んん!!?


いや、痩せ我慢でもここまでスラスラと食べるのは難しいはず。

何なんだ?じゃあさっきの俯きは?


「食べないの?」


「ああ!俺の分も届いてたのか!」


観察に夢中で全然気づかなかった!!

我ながらに気持ちわる!!


「君ー面白いねーw」


「さっきから私の方ばっかり見て全然動かないんだもんw」


恥ずかしい。多分顔真っ赤だ。

うわ絶対気持ち悪いって思われたって。一生誘ってもらえないよ。


「いや、ちょっと考え事してただけで」


「ほんとかーー??w」


うわー信じてないなー。

まるでこれじゃあ俺が委員長(ボス)に見惚れてたみたいじゃないか。

確かに、委員長(ボス)はかなり容姿が整ってる。見惚れる人なんて無数にいるであろう。


「ほ、ほんとだよ」


「目が泳いでるよ?北島康●みたいにw」


「おいどこかのラッパーじゃないんだから!」


「ww。本当に面白いね!君w」


「からかってるだけだろ!」


「それが面白いのw」


さすが委員長(ボス)。人間が俺のことをからかうなんて。※異世界から転生してきたからといってからかえないなんてことはない。

俺がからかう呪文を持ってないからってマウントをとっているのか??※そんなわけない。



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