最終話 困った時は

今日はポカポカと暖かい日だ。


「ん~……何だか眠たくなっちゃうねぇ」

シエルの背中のガラス細工の様な羽が、窓から射し込む太陽光を反射してキラキラと輝く。

「ダメですよ、シエルさん。この案件、急いで片付けないと」

ノワールがそう言うと、シエルは「は~い」と間延びした返事をする。


「そうそう……カナリーちゃん、初めて担当した案件のエクリュさんって覚えてる?」

リリィにそう聞かれ、カナリーは記憶の引き出しを開けた。

「えっと……シルキー族のエクリュさんですよね。なかなか綺麗にならない街で掃除をしていて、困っていた……」

「そう。手紙が届いてたの」

「手紙ですか!何て書いてあったんですか?」

リリィはカナリーに手紙を渡した。


「何て書いてありました~?」

シエルがそう聞けば、カナリーは嬉しそうな顔をした。

「カラスと連携してから効率が上がったそうです!色んな所から仕事の依頼が来てるって!」

「おぉ~!それは良かったですねぇ」




今日も人間に妖精に悪魔に天使はお日様の下で……

働いて、遊んで、お喋りして、トラブルを起こしてる。



「ふむふむ……悪魔がどんちゃん騒ぎしてうるさい……」

「深夜に天使が後光で辺りを照らしまくってて、寝にくいんですね」

「ユニコーンが角で公園の木をなぎ倒しちゃった……」


相談室の一角、黄色のカナリアを思わせる金髪の女性が受話器を左手、右手にペンを持って相談内容をメモしている。

「……なるほど、かしこまりました!私、カナリー・サンフラワーが鳥の知識を駆使して解決します!」



人間、妖精、悪魔、天使、神様……

多種多様な存在が仲良く過ごせるようにするために、カナリー達は今日も奮闘する。

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妖精達のお悩み、この鳥達が解決します! 天石蓮 @56komatuna

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