第36話最終話

翌朝

権田が目を覚ますと、もう朝食の用意が

出来ていた。


「おはよう賢介さん」


「おはよう悠里」


「さぁ、食べて、今日は忙しいよ」


「そうだな」


そして二人は、朝食を済ませて署に行くと

早川は、もう来ていた。


「おはよう早川、昨日はありがとうな」


「早川おはよう、ありがとうね」


「おはようっす!権田さん柊さん、コーヒー

入れるっすね」


「あ~ありがとうな」


「ありがとう~」


そして三人でコーヒーを飲むと、あの

ストーカーの家宅捜索に行った。

その部屋を見て、三人はギョッとした。

部屋の壁という壁を、始め至る所に柊の

写真が、べったりと貼られていた。

気分が悪くなる柊。


「おい、柊大丈夫か?」


「柊さん、外に出るっす!」


柊は外に出た。

全て押収した。

もう、言い逃れが出来ないストーカーだった。

ただ、精神鑑定はやはり必要だと、権田は

思った。

そして、署に戻った三人。


「じゃあ、早川ちょっと行って来るわ」


「いや、僕も行くっす!真理亜さんも」


「お前、仕事はどうするんだよ!」


「少しの間、応援をお願いしたっすよ」


こういう時は、なかなかやる早川。


「そっか~じゃあ今年は、四人で行くか?」


「そうですね」


「そうっすね」


そして、署の外で真理亜が待っていた。


「真理亜さん、昨日はありがとう」


「本当ありがとうね」


「いえいえ、今日はご一緒させて欲しいと

私が勇也さんに、我が儘言って、すみません」


「いや、いいですよ、じゃあ行くか?」


四人はタクシー二台で、高井家の墓に

向かった。

四人で線香をあげて、手を合わせる。

柊は、何時もの様に、謝罪して自分の

仕事を報告していた。

権田は、謝罪して今日の事を、見届けて

欲しいと、お願いして居る。

そして、墓参りが終わると、高井家の墓の前

で、権田が


「悠里」


と、読んだ。


「うん?」


振り向く柊に、権田はあの小さな箱を出した。

箱は壊れたまま、だった。


「柊悠里!俺と結婚してください!刑事

という仕事柄、危険が付き物だけど、俺が

全力で悠里を、守って見せる、だから

その身体一つで、俺の所に来い!権田悠里に

なれ!」


権田らしい、男らしい、プロポーズだった。

それを聞いた柊は、花が満開に開いた様な

笑顔で


「はい!守ってくださいね!賢介さんは

私が守りますから」


そう言って、その箱を受け取った。

そこで早川が


「はい!では、ここで簡単では有りますが

指輪の交換をするっす!僕は宮司っす!」


権田が


「お前が宮司って事は、真理亜さんは?」


「勿論、巫女っすよ!」


「ハハハ、こりゃいいな、な?悠里」


「そうですね!最高ですね!」


そして、指輪を交換する二人。


「あっ!ピッタリ!良く分かったね?」


「あ~まぁな」


すると早川が、ニンマリしながら


「柊さん、僕達デスクの上に、手を置いた

っしょ?その時、権田さんはサイズを

見てたんすよ!」


「え~凄い!」


早川を睨む権田。

早川は目を反らして居る。

すると早川を、つつく真理亜。


「勇也さん、誓いの言葉ですよ」


「あ~そうっすね、忘れてたっすよ!

では、誓いの言葉っすよ!権田賢介、柊悠里

あなた達は、この高井家の皆さんの前で

生涯、支えながら、助け合いながら、お互いに守りながら、そして大切な大切な早川勇也

と早川真理亜を守る事を、誓うっすか?」


顎が外れそうな三人だった。

でも権田と柊は、笑顔で


「「誓います!」」


と、答えた。

指輪を見た柊。


《I'will'standby To'Yuri From'Kensuke》


「賢介さん、この意味って?」


「あ~その言葉通りだ!俺は何時も悠里の

側に居るよ!」


「嬉しい~私も一緒です!」


「俺達は、高井さん達の分迄、生き抜いて

行こうな?」


「はい」


「はいっす」


「フフフ、私も、はいです」


権田、柊、早川、真理亜、素敵な四人が

揃った。

この四人なら、これからも、どんな事でも

成し遂げて行くだろう。

そして署に戻ると、早川は大きなスケッチを

二枚出して来て、権田と柊に渡した。


「これは?」


「柊さんが、僕の婚礼に化けて来た時を

スケッチしたっすよ!」


「あんたね~誰が、化けてよ!」


「ハハハ、見違えたっすから、でも

あの時二枚って、言われたっすけど一緒に

暮らしたら、二枚も要らないっすよね?」


「あ~そうだな、でもお前がせっかく

書いてくれたからな~」


「大丈夫っす!一枚は、我が家に飾るっす!

真理亜さんは柊さんが、大好きっすから」


「早川~嬉しいけど、恥ずかしいよ」


「大丈夫っすよ!この時の柊さんは、ちゃんと化けてるっすから」


「本当に、あんたね~」


「でも早川、お前本当に上手いな!」


「うん、それは言えるね!」


「これで、やっと、お二人のお役に立てるっすよ!」


「もう十分、役に立ってるぞ!」


「本当よ!」


「えっ?そうなんすか?」


権田と柊は、二人で


「「そうなんすよ~それに真理亜さんもね」」


笑う三人。

今日も港署の、この三人は人の為に

一生懸命に動くのであった。


____________________

最後迄、お付き合いして頂きありがとう

ございます。

本編が辛く、悲しい話だったので

番外編は楽しく、思う様に書かせて

頂きました。

それでも応援して、くださった

皆様に本当に、感謝しか有りません。

これからも、頑張って行きます。

来週には、新作を投稿したいと

思います。

これからも、よろしくお願いします!

本当に、ありがとうございます!

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復讐の鬼、番外編、女刑事、柊悠里 aki @nyontyun

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