第35話健気な真理亜

タクシーの中で権田は


「悠里、早川、明日朝一で、あいつの家の

家宅捜索するからな!それが済んだら

悠里、高井さんの墓参りに一緒に、行こう

な」


「はい」


「はいっす」


そして家に帰ると、三人を出迎える真理亜。


「みなさん、お帰りなさい、お疲れ様です」


「悪いな~真理亜さん」


「本当に、ごめんね」


「真理亜さんにありがとうっす」


「フフフ、どう致しまして」


三人はテーブルの料理を見て


「わ~美味しそう!」


大食い柊が叫んだ。

その言葉を聞いて、権田は早川に


「どうせ食べるんだろうな?悠里は」


「権田さん、間違いないっすよ」


興味津々に見る二人。


「いただきま~す」


と、言うと次々に食べて行く柊。


「真理亜さん、美味し~い!早川あんた

幸せだね!こんな美味しい料理を毎日

食べれて」


「はい!幸せっすよ!柊さんも頑張って

料理しないと!」


すると柊の箸が止まった。

焦った早川は、権田を見る。

首を振る権田。

すると柊は


「だよね~」


と、言って又、食べ始めた。


「フ~」


と息を吐く、権田と早川。

真理亜は柊の、食べっぷりにクスクスと

笑って居る。


「さぁ、権田さんも勇也さんも、お腹

空いたでしょう?まだ有りますから」


「本当?」


と、何故か柊が食い付いて来る。


「はい!沢山作ってますよ!」


「やった~」


喜ぶ柊。

そんな柊でさえ、可愛い権田だった。

そして、だいぶ落ち着くと早川が


「でも、柊さん荷物持って来たっすけど

もうストーカーが捕まったのに、どう

するんすか?」


「あっ!」


(そうだ、捕まったら賢介さんの家には

居れないんだ)


落ち込む柊。

そんな柊を見て権田は


「悠里、もう置いとけ!後の荷物も全部

持って来い!そして向こうのマンションも

引き払え!」


「え?」


「それは権田さん、一緒に暮らすんすか?」


「あ~早いか、遅いかの差だからな、な?

悠里」


「は~い、マンション引き払いま~す」


ルンルンの柊。

そんな、みんなのやり取りを、やはり

笑顔で見て居る真理亜。

そして、食事が終わると早川と真理亜は

帰って行った。

そして柊は


「賢介さん、本当に心配したんだよ!

賢介さんが居ない、世界は考えられなかった」


「すまん、心配掛けたな!でも嬉しかったよ」


「フフフ、私もストーカーの時に必死に

なってくれる賢介さんを見て、嬉しかった

それと、早川と真理亜さんにも」


「そうだな!あの二人は、いい夫婦だな!」


「本当、そうだね」


「明日は高井さんの墓参りに、行こうな?」


「うん!」


そして二人は、やっと眠りに就いた。

ストーカーが捕まって、二人の心の不安が

消えて、良く寝れた。

その頃、早川は真理亜に言い寄られていた。


「私も、その高井さんの墓参りに一緒に

行きたいです」


「でも、真理亜さんは、高井さんを知らない

っしょ?」


「知らないけど、話は聞いてますから

権田さんが、そこで柊さんにプロポーズ

するなら、尚更です」


「分かったっすよ!二人には僕から言うっす

から、今日はもう寝るっすよ、真理亜さんも

疲れたっしょ?」


「はい!じゃあ寝る事に、しましょう」


真理亜に言い寄られて、受け入れて早川は

やっと眠りに就いた。

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