第23話事件発生①

翌日


「おはようございます」


「お~おはよう」


「柊さん、おはようっす!権田さん柊さん

昨日は、ありがとうっす!真理亜さんが

喜んでたっす」


「そう?良かったね」


「でも早川、何で職質に有ったんだ?」


「やっぱり~さぁ!コーヒー入れるっす」


「お前、それで逃げれると、思ってるのか?」


「逃げるって、なんすか~」


コーヒーを入れる早川。


「さぁ、どうぞっす」


「ありがとう、早川」


「で、何で職質なんだ?」


モジモジする早川。


「それは、それはっすね~嬉しい事が

有ったから、真理亜さんの家の前でバタバタ

していたら、職質されたっすよ」


「当たり前だろう?嬉しいからって人の家の

前でバタバタしてたら」


「ハハハ、早川~あんたは本当にバカだね?」


「酷いっすよ」


「まぁ、いいや、早川?今日も行くのか?

犯人の似顔絵」


「はい!何も無かったら、行くっす!」


「そうか」


そして、三人でコーヒーを飲んで居ると

電話が鳴る。

権田が出る。


「了解です」


準備をする、柊と早川。


「権田さん?」


「マンションの一室で、死体が発見された

行くぞ!」


「はい!」


「はいっす!」


そして、現場に着くと三人は、部屋の中を

見る。

既に鑑識が、来ていた。


「ご苦労様です」


「ご苦労様です、で状況は?」


「それが、部屋を荒らされた、様子も無くて

キレイなんですよ、死体は隣の部屋で

お腹を刺されて、居るんですけど、その

包丁の柄の所を、両手で持っていて、ただ

被害者の身長から、すると、ちょっといいですか?」


と、権田、柊、早川は連れて行かれる。


「ここなんですけど、壁がへこんでいるんですよ!身長とお腹の柄の高さを、調べると

このへこみに、丁度この柄が当たるんです

よね?後、指紋と毛髪は、沢山有りますね

人の出入りが、激しかったかと、思われます!」


「了解です、指紋と毛髪のDNA鑑定を

お願いします、後このへこみと、柄の

部分が一致するか、鑑定してください!」


「はい!了解です」


柊は近くの、警官に


「死体が発見された、経緯は?」


「ご両親が連絡が付かないから、会社に

電話をしたら、無駄欠勤していると言われ

心配になって、訪ねて発見したそうです」


「ありがとう」


死体を見る権田、柊。

早川は、後ろの方に居る。


(この柄が、あの壁の高さと一緒?

自殺?でもなんだろう?この違和感は?)


柊は部屋を、見渡す。

違和感が何なのか、自分でもハッキリと

分からない柊。


「この方の、務め先は分かりますか?」


「はい!こちらだそうです」


「ふ~ん、通信会社に務めてたんだ

権田さん、私、会社に行ってきます!」


「あ~そうだな」


「早川、行くよ!」


「は、はいっす!」


二人は務め先を、訪ねた。

受付で警察手帳を見せる柊、早川。


「こちらに、お勤めの相原清香さんの事で

お話を聞きたいんですけど」


「少々、お待ちくださいませ」


そう言って、受付は内線を掛けた。

そして


「今、所属部署の上司が、来ますので少々

お待ち頂けますか」


「はい」


そして、暫くすると、中年の男性が小走りに

やって来た。


「すみません、私は相原の上司の、和田武

です」


「港署の柊です」


「早川っす」


「お仕事中に、申し訳け無いんですが

亡くなった、相原清香さんについて

お聞きしたいんですけど」


「亡くなった?」


「はい、今日、自宅で亡くなっている所を

発見されました、相原さんは、どの様な人

でしたか?」


「そうですねぇ~明るくて、仕事も良く

出来ました」


「人間関係は、何か?」


「人間関係も、これと言った話は、聞いて

ませんけど」


「相原さんと、仲の良かった人は?」


「あ~それなら、山口百合花さんですね

何時も、一緒にご飯を、食べてましたから

案内します」


「ありがとうございます」


(この人、やたら汗を拭くな?それに

沢山の社員の、仲のいい人の名前が、スッと

出るのかな?)


柊と早川は、上司の和田に着いて行き

相原の所属部署に、行った。


「少しお待ちください!呼んで来ますので」


そして和田は、一人の女性を連れて来た。


「彼女が、山口百合花です」


「山口百合花さん?」


「はい」


「あなた、相原さんと、仲が良かったの?」


「あ~会社の中では、仲が良かったです」


「相原さんが、亡くなったのは知ってた?」


「え!私ですか?今、初めて聞きました

どうして亡くなったんですか?」


「う~ん、まだハッキリとは、分からないの

他殺か自殺か、だから調べているの、何か

ここ最近、相原さんで気になった事は?

どんな小さな事でも、いいから無い?」


考える山口。


「清香は、社交的だったから、多分私以外に

沢山、友達が居たと思います、私の知る限り

では無いです」


「その他に、親しくしてた人は知らない?

例えば彼氏とか」


「知らないです」


考えた柊は、和田に


「一応、相原さんのデスクの品物、そして

パソコンを、押収させて頂きます!」


「パソコンは、困ります!」


和田が言い出した。

和田は、最初会った時から、ずっと汗を

拭いていた。


「どうしてですか?」


「会社の備品ですから」


「令状を取っても、いいけど?仮にパソコンのデータを削除しても、警察は復元するわよ

どっちにせよ一緒なの、分かった?」


そう言って、柊はパソコンを持って出た。

後は他の刑事に、任せた。

柊と早川は、取り敢えず、そのパソコンを

持って、署に戻った。

署に戻ると、権田が戻っていた。


「権田さん、何か収穫は?」


「あの壁の、へこみと包丁の柄が、一致

したぞ!」


「え!じゃあ自殺だと?」


「だって、合ったなら自殺っしょ!」


「それは分からないわよ、防犯カメラは?」


「あ~管理人によると、住人以外の出入りは

無いそうだ」


「非常口は?」


「常に施錠されていて、中からしか開けれ

無いから、外からは入れ無いそうだ」


「そうですか!これ相原さんが、会社で

使っていたパソコンです、何か入ってる

かも?」


「そうだな!早く持って行って、解析して

貰え」


「権田さん、相原さんの携帯は?」


「それは、もう今して貰ってるぞ」


「さすが、権田さん!」


「何を言ってんだよ!」


ボ~ット二人を見る早川。


(僕の観察力、僕の観察力、何か変な所は?

う~ん、分からないっす!)


早川は、一人考えたが無理だった。

柊は柊で


(私は何に、違和感を感じた?う~ん

あっ!部屋だ!あの部屋は豪華過ぎる

それと和田と山口の、反応だ!)


柊は直ぐに、権田に報告した。


「権田さん、あのマンションの家賃はいくら

ですか?」


「家賃?聞けば直ぐに、分かるだろう?」


柊は、直ぐにマンションの、管理人に

電話をした。

そして、電話を切ると


「権田さん!あの相原さんが、住んでた

マンション1ヶ月の家賃が、20万だそう

です!おかしいですよね?」


「20万?普通のOLには、無理だろう?」


「私が部屋に入って、感じた違和感は

部屋の中も、豪華過ぎるんですよ!」


「あ~そう言われれば!」


「本当っす!豪華だったっす!」


「それに、今日会社で上司の和田さんと

相原さんと、仲の良かった山口さんに

会ったんですけど、この二人も変なんですよ

これは、もっと調べ無いと」


柊の読み通り、他殺の線が濃くなって来た。

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