第22話帰り道

早川と真理亜は、帰りながら


「今日は、楽しかったです!は、は、は、勇也さん」


「そうっすか?良かったっす!え~え~

今、何て呼んだっすか?」


「フフフ、勇也さん」


「え?え~~~やった~やった~」


「そんなに、喜んでくれて、嬉しいです」


「はい!嬉しいっす!もう最高っすよ!」


そう言って、早川は嬉し過ぎて、真理亜の

周りをクルクル回っている。


「ゆ、勇也さん、目が回ります、落ち着いて

ください」


「あ~ごめんなさいっす!嬉しくて、つい」


「勇也さんは、本当に面白い人ですね」


「そうっすかね?真理亜さん、遅いんで

家迄、送るっすよ」


「ありがとうっす」


そう言って、二人は顔を見合わせて、笑って

居る。

二人は、順調に愛を、育んでいた。

タクシーを、捕まえ様とする、早川に真理亜は


「今日は、折角だから歩いて、帰りましょう」


「僕は、いいっすけど、真理亜さん足が

痛くならないっすか?」


「大丈夫ですよ、ありがとう」


そして、二人は歩いて帰る事にした。

早川は、勇気を振り絞って


「ま、真理亜さん、手を繋いで欲しいっす

駄目っすか?」


「いいですよ」


そう言って、真理亜は早川の、手を握った。

心臓が飛び出そうな早川、終始無言になる。

暫く歩いて居ると、真理亜が


「勇也さん?全然、喋らなくなりましたね?

どうしたの?」


「今、僕は喋ると、口から心臓が出て来る

っすよ」


「フフフ、そんな事は無いですよ」


「もう、バクバク言ってるっすから、ヤバい

っす」


「これから先、大丈夫ですか?」


「待っててくださいっす!慣れて行く様に

努力するっすから」


「はい」


そして、真理亜を無事家迄、送った早川は


「じゃあ、真理亜さん、おやすみなさいっす」


「おやすみなさい」


と、真理亜は言って、そっと早川の頬に

キスをした。

固まって居る早川に、笑顔で手を振って

家に入って行った。

まだ動けない早川。


(何だ?今のは?あ~キスっすか?え~)


一人、考えてバタバタしている。

こんな所を、警察官が通ると必ず、職務質問

だろう。

タイミング良く、警察官が現れた。

早川は、やはり職務質問をされる。

警察手帳を見せて、終わったが一応報告は

されるだろう。

一方、権田と柊は、権田の腕に柊は腕を

絡ませて歩いて居る。


「真理亜さん、可愛いらしい人でしたね」


「あ~でも、ありゃ、きっと早川が真理亜

さんの尻に敷かれるな」


「そうですね、ずっと笑顔だったけど

所々、言い含められてましたもんね」


「まぁ、早川には、それ位が丁度いいかもな?」


「うん、あれ位しっかりしてる方が、絶対に

いいですよ!」


「あ~俺も、悠里の尻に敷かれるのか~」


「もう~それは無いですよ!」


「そうか?悠里は何でも、出来るからな!」


「私は、一歩下がって、着いて行きますよ」


「うん?そうか?」


内心、権田は。そんな事を言う柊が可愛い

くて、しょうが無かった。


「又、食事するのが、楽しみですね」


「そうだな、早川を見てると、面白いよな」


「本当、それは言えますね」


そして、権田は柊を、家迄送った。


「じゃあ、悠里又、明日な」


「うん、賢介さん」


そう言って、二人は軽いキスをする。

早川が、職務質問に、有ったとも知らずに。

でも、楽しい食事会だった。

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