第21話4人での食事

朝から落ち着かない早川。


「あ~もう、鬱陶しい!何なのよ!早川」


「二人共、今日っすよ!」


「あ~分かってるよ!」


「そうよ!」


今日は真理亜を、入れて四人で初めて

食事をする日だった。


「二人に言って、おきたいんすけど、真理亜さんの前で、僕の事を変に言わないで

くださいっすよ!」


「変にって、お前は変な所しか無いだろう?」


「そんな事は無いっすよ!ね?柊さん?」


「え~私に振る?まぁ、コーヒー入れる位

かなぁ~誉める所は」


「もう~!いいっすよ!」


隅の方で、イジケ始める早川。


「早川~心配するな!俺も柊も、大人だぞ?

ちゃんと、わきまえてるよ!」


「そうよ!何を心配してんのよ!」


「本当っすか?」


疑惑の眼差しの早川。


「「本当っすよ!」」


二人が同時に言って、ニンマリする。


「もう~怖いっすよ!なんすか?その顔は

本当に頼むっすよ?」


「親に貰った、この顔に何か文句有るの?

有るなら、家の親に会う?早川」


「柊さんの親何て、恐ろしい~嫌っすよ!

顔を言ったんじゃ無くて、その二人で

ニンマリするからっすよ!」


「そう?それなら、許す!」


そして、待ち合わせの、レストランに

向かう三人。

そこで、何故か早川が、権田の隣に座ろうとする。


「早川、お前は何やってんだよ!お前は

向こうで真理亜さんと座れよ!」


「そうよ!そこは、私の席よ!退きなさいよ!」


「柊さん、今日だけ譲って欲しいっす」


「何でよ!」


「あの~恥ずかしいっす」


「「はぁ?」」


驚く権田と柊。


「隣に座るのは、今日が初めてっすから

恥ずかしいっすよ」


「大丈夫だから行け、真理亜さんだって

変に思うぞ!」


「そうなんすか?」


「そりゃそうよ!さぁ、退いて早く行って!」


「はい!行くっす!」


真理亜の名前が、出ると直ぐに席を譲る

早川。

一人、ソワソワ落ち着かない、早川を見て

権田と柊は、本当に大丈夫なのか、心配に

なって来た。

少しすると、真理亜がやって来た。


「すみません、私遅くなって」


謝る真理亜に、権田が


「いや、俺達が早く来たんだよ、気にせずに

さぁ、座って」


早川を見る真理亜。


「真理亜さん、ここに、どうぞっす」


と、隣の席に呼ぶ。


「はい」


笑顔で座る真理亜。


「先に料理を、注文してから自己紹介を

するか?」


「そうですね」


と、柊。

そして、柊はテキパキ注文をした。


「私が早川の上司の、権田です」


「初めまして、古川真理亜です」


「私は柊悠里です」


「初めまして、古川真理亜です」


「僕は、早川勇也っす」


三人は、ボッカン?となった。


「早川、あんたは何で、自己紹介してんのよ!あんたがしたら、真理亜さんも、あんたに、自己紹介する訳?ね?真理亜さん」


「フフフ、早川さんの、いい所です」


「ありゃ~これは早川には、勿体無い

いい人ですね!権田さん?」


「確かにだな」


「もう~二人共、止めてくださいっす!

真理亜さんは、僕の大切な人なんすから

勿体無い何て、言って他に行ったら

どうするんすか?」


怒る早川。

権田と柊は、全然気にして無かった。


「フフフ、早川さん大丈夫ですよ、私は

何処にも行きませんよ」


「本当っすか?」


「はい」


そんな二人を、見ていた権田と柊は


「早川、大切にしろよ!こんないい人には

もう会えないぞ!」


「本当よ!真理亜さん、もし早川に泣かされ

たら、私に言いなさいよ!私が締め落として

あげるから!」


「フフフ、その時はお願いします、でも

死なない程度で、お願いします」


「ハハハ」


笑う権田。

固まってる早川。


「早川、良かったね!死なない程度だって

私、手加減してあげるからね」


「もう~大丈夫っす!僕は締め落とされ

無いっすよ!だって僕は、真理亜さんを

泣かす様な事は、絶対にしないっすから!」


「お~早川、男らしいじゃ無いか!」


「何時もっすよ!」


「「え~」」


「なんすか?二人して?」


「あっ、いや」


「そう、そう何でも無いよ」


二人は内心、ヤバい、変な事を言いそうだった事に、焦っていた。

そこに真理亜が


「早川さんは、刑事としては、どうなんですか?こんなに、優しいのに向いて無い様な

気がして」


(うっ、鋭い!おっしゃる通り!)


と権田と柊は、思ったが


「そうですね、早川は優しいから、でも今

真理亜さんの為に、いい刑事になろうと

犯人の似顔絵を書く、練習をしてますよ!

早川は、観察力が高いから、ピッタリですよ!」


「本当よ!早川ね、観察力が本当に高いの!」


それを聞いた真理亜は、安心した様に


「そうなんですか?似顔絵とかなら、危険も

少ないし、私も安心しました、早川さん

どうして似顔絵の事、教えてくれなかったの?」


「それは、一人前になってから、言おうと

思ってたんすけど、二人が先に言ったっす!」


少しふくれている、早川。


「早川さん、そんなにふくれ無いの!お二人は、私が聞いたから、教えてくれたんでしょう?反対に、お礼を言わないと」


「僕がっすか?」


「はい」


笑顔の真理亜。


「権田さん、柊さん、ありがとうっす!」


「いや~」


「そうよ」


そして、料理を食べながら、色々な話を

して、終始和やかに、食事会は終わった。

店から出ると、真理亜が権田と柊に


「あの~もしよろしければ、又、一緒に

お食事をして、頂けませんか?」


「真理亜さん、どうしたんすか?」


「私が見ている早川さんと、又、違う一面が

お二人から聞けるから、楽しくて!」


「権田さん、柊さん、真理亜さんが言ってるっす!お願いするっす!」


「あ~俺達は、いいぞ!な?柊?」


「はい、私もいいですよ」


「やった~」


と、ピョンピョン跳ねる、真理亜。

そんな真理亜を見て、早川は


(可愛いな~)


と思っていた。


「じゃあ、今日はこれで」


二組に分かれて、帰る事にした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る